看護師資格は医療系の国家資格であり、一度取得すれば生涯保有し続けられます。しかし、場合によっては看護師免許の更新が必要となることも忘れてはいけません。
そこで今回は、看護師免許の更新のタイミングや更新に必要な書類・期間、業務従事者届や看護師等免許保持者の届出について解説します。看護師免許の更新は普段あまり意識しないことが多いため、今回の記事で更新のタイミングを確認しておきましょう。
看護師免許の更新は本籍地か氏名に変更があるときのみ!
看護師免許は、基本的に一度取得すれば更新せずに保有し続けられますが、例外として更新が必要になることもあります。具体的には、下記2つのいずれかに該当する場合、看護師免許の更新が必要です。
- 氏名の変更
- 本籍地の変更
どちらの場合も、勤務地または住所地を管轄している保健所(一部の県においては県庁)で更新申請をしなければなりません。実生活でいうと、配偶者の苗字になったり、新居を構えて本籍地が変わったりする結婚のタイミングで免許更新を行なうケースが多いでしょう。
なお、住所のみを変更する場合は更新不要のため、本籍地と住所の変更を混同しないよう注意してください。住所のみの変更だと、看護師免許の更新は不要です。
また、看護師免許は氏名や本籍地の変更から、30日以内に更新するように定められています。30日を過ぎてしまっても更新は可能ですが、手続きの際に遅延理由書という追加書類が必要になるため、変更後はなるべく早く手続きを済ませましょう。
看護師免許の更新に必要なものや書類の一覧
看護師免許の更新には、下記の5点をそろえる必要があります。
- 訂正・免許証書換え交付申請書
- 看護師免許証
- 戸籍謄本、もしくは戸籍抄本
- 印鑑
- 1,000円分の収入印紙
更新に使用する申請書は各保健所に置いてあるものか、下記の厚生労働省のホームページから印刷して記入してください。
看護師免許証はコピー不可であるため、看護師免許証の原本を持参しましょう。
また、変更事項を証明する戸籍謄本、もしくは戸籍抄本は発行日から6ヵ月以内のものが必要です。外国籍の中長期在留者や特別永住者の方以外は、住民票では変更を証明できないので、戸籍謄本か戸籍抄本を用意してください。
印鑑はシャチハタのような簡易的なハンコは不可で、苗字が変わっている場合には変更後の印鑑が必要です。なお、収入印紙は保健所では販売していないため、事前に郵便局やコンビニなどで購入しておきましょう。
更新が完了した看護師免許の受け取り方
看護師免許証の更新は、申請してから完了するまで4ヵ月前後がかかります。そのため、転職を控えている場合には変更にかかる期間を考えて申請しましょう。
完了するまでの日程は保健所や申請時期によって異なることもあるので、詳細な日程が知りたい方は申請する保健所に確認してください。
更新完了後は、免許証交付のお知らせ通知が自宅へ届きます。通知が届いたら、下記を持参して保健所に受け取りに行きましょう。
- 免許証交付のお知らせ通知
- 印鑑
- 身分証明書
受け取りの際にも印鑑が必要ですが、申請時と同様にシャチハタのような簡易的なハンコは使用できないため注意してください。本人確認のための身分証明書も必要となるため、運転免許証やパスポートなどを忘れずに持参しましょう。
業務従事者届と看護師等免許保持者の届出について
氏名や本籍地の変更がない限り、看護師免許は原則として更新がありませんが、看護師として業務に従事している方は2年ごとに業務従事者届の提出が必要です。
これは「保健師助産師看護師法第33条」によって義務付けられており、期限までに提出をしなかった場合には50万円以下の罰金が科せられます。必ず、期限内に就業している職場の都道府県知事に提出しましょう。
ただし、業務従事者届は基本的に就業先の病院や施設がまとめて提出するため、自分で提出する機会はほとんどありません。
2年ごとの業務従事者届の提出は、働いている看護師の実態を把握し、看護師の需給バランスといった看護行政の推進に役立てることを目的に行なわれています。ですが、業務従事者届では働いている看護師しか把握できません。
そのため、平成27年10月1日に施行された「看護師等の人材確保の促進に関する法律」によって、ナースセンターへの届出制度が定められました。届出の対象となるのは、看護師免許を保持しつつ、現在看護業務に従事していない方です。
業務従事者届とは異なり努力義務であるため届出なくても罰則はありませんが、潜在看護師の把握と復職を促す目的があるので、特段の理由がなければ届出ましょう。
届出は、下記の専用サイト「とどけるん」から行なうことが原則となっています。
インターネットが使用できない場合は書類での提出も可能なので、近くのナースセンターに確認してください。なお、この届出を行なっておくことで、看護業務への復帰を考えた際に復職支援を受けられるメリットがあります。
ナースセンターへの届出制度や復職支援について、詳しくは下記の厚生労働省ホームページをご覧ください。
まとめ
今回は、看護師免許の更新のタイミングについて解説しました。基本的に看護師免許に更新はありませんが、氏名や本籍地が変更になったときには更新する必要があります。運転免許証などに比べて更新する機会が少ないため、変更するタイミングや必要書類を忘れないよう注意しましょう。
また、更新とは別に、業務従事者届やナースセンターへの届出制度もあります。看護師免許の更新と同様に、しっかりと把握しておきましょう。
看護師のやりがいを感じるエピソードとやりがいを感じられなくなったときの対処法
主婦が国家資格を取って看護師になるには?看護助手や准看護師を目指すのはあり?
【2022年】第111回看護師国家試験の日程・スケジュール
看護師の勤務先の種類を解説!病院・クリニック以外でも活躍できる看護師の働き方
公務員看護師のメリット・デメリットとは?給料や仕事環境、公務員看護師のなりかたを解説
看護師で年収1000万円を得ることはできる?年収アップのためのポイントを解説
男性看護師のメリットや需要はある?女性の多い職場で男性が円滑に働くポイントとは?
看護師の国家試験の難易度とは?試験内容や受験資格について解説!
看護師になるために必要な資格とは?資格の種類や取得方法について解説!
「看護師」と「看護士」の違いって何?看護職の種類についても紹介!
看護師の年収は高い?平均年収と月給・ボーナス・手当の内訳を解説!
看護師が覚えておきたい英語の例文・フレーズ集!現場ですぐに使える英会話やスキルアップできる英語の資格について解説
看護師の履歴書の書き方とは?抑えておきたい基本マナーや注意点を解説!
看護師を辞めたい...理由別の対処法と後悔しない転職先の選び方
【30人に聞いた】看護師あるある50選!職業病から休日の過ごし方まで幅広く紹介!
看護師はボーナス(賞与)を手取りでいくらもらえる?都道府県や年齢ごとに紹介!
看護師になるには大学と専門学校どっちに進学するべき?それぞれの違いやメリットを解説!
看護師の夜勤時間を2交代と3交代で比較!シフト例やメリットも紹介
看護師の月給・手取りはいくら?月給を増やすにはどうしたら良い?