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看護師の退職はどう伝える?強い引き止めにあったときや転職先の面接での退職理由の答え方を解説!

  • 退職・辞め方

目次

結婚・出産・キャリアアップ・職場への不満など、看護師が退職に至る理由は人それぞれ異なります。どのような理由にせよ、後々のトラブルを避けたいなら、円満かつスムーズに退職することが大切です。

しかし、医療業界の人材不足が続いていることで、病院から強い引き止めにあってなかなか退職できず、困っている看護師も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、看護師の退職までの流れや引き止められたときのポイント、次の職場での面接における退職理由の答え方などを解説します。

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看護師の退職までの流れ


看護師の退職までの流れの写真

看護師が退職する場合、いくつかの手順を踏む必要があります。一般企業の会社員にも当てはまりますが、前もって意思を伝えずにいきなり退職届を出したり、何の連絡もせず勝手に退職したりするのは避けるべきでしょう。

職場によって手順は多少変わるかもしれませんが、基本的には以下のような流れに沿って退職手続きを進めます。


退職希望の時期を決める

法律では「退職日の14日前までに退職意思を伝えれば、その人は退職できる」とされていますが、退職希望日の1ヵ月前までに告知するのが一般的です。

ただし、看護師はシフト調整や業務引き継ぎなどの問題から、3ヵ月前を目安に退職意思を伝えるべきといわれています。実際、2週間前~1ヵ月前だと引き継ぎの時間が足りず同僚に迷惑がかかってしまうこともあるため、できるだけ早めに連絡しましょう。

また、病院の就業規則でも退職手続きについて規定しているケースが多いので、そちらも忘れずにチェックしてください。


上司に退職したいことを理由つきで相談する

退職希望の時期が決まったら、まずは直属の上司(看護部長・看護師長など)にその旨を伝えましょう。単に「退職したい」とだけ伝えるのではなく、きちんと理由を添えることが大切です。

上司によっては引き止められるかもしれませんが、本当に退職したいなら言葉や雰囲気に流されず、自分の退職意思をしっかり伝えてください。

ただし、退職できる権利を一方的に主張したり、喧嘩腰で対応したりするのはやめましょう。退職後もその上司や現在勤めている病院と関わる可能性があるので、無用なトラブルはできるだけ避けなければなりません。

上司の意見にも耳を傾けながら、冷静かつ穏やかな姿勢で話し合いに臨みましょう。


病院に正式に退職を申し入れる

上司との話し合いが終わったら、業務引き継ぎのスケジュールや有給休暇の消化なども踏まえながら、正式な退職日を決めます。

お互いの認識のすれ違いを防ぐために、退職日および最終出社日を書面やメールなどのデータに残しておくことも大切です。


退職届を提出する

正式な退職日が決まったら、いよいよ退職届を作成・提出します。「退職届」は「退職願」とよく混同されがちですが、実際は以下のとおり別物です。

  • 退職届:「退職します」という明確な事実を伝えるもの
  • 退職願:「退職したい」という希望を伝えるもの

退職願と違って、退職届は提出して受理されると撤回できません。いわば退職手続きにおける最終確認なので、熟慮したうえで提出しましょう。一般的には、退職することが決まっていたとしても、退職願を提出します。


業務の引き継ぎを正確・丁寧に行なう

退職届を提出しても、退職日が来るまではその職場の看護師としての責務をまっとうする必要があります。

自分が担当していた業務や役割をきちんと引き継いで、後任者の負担を少しでも減らすと同時に、患者さんに良い看護を届けられるようにしましょう。

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よくある看護師の退職理由

看護師の退職理由はさまざまであり、ポジティブな内容があればネガティブな内容もあります。自分の退職について考えるためには、どのような退職理由が多いのか把握しておくことも大切です。

神奈川県が発表した「2019(令和元)年度 看護職員就業実態調査結果(病院)」によると、看護師の退職理由で最も多かったのは「本人の心身不良」でした。以下に数値入りのデータをまとめたので、こちらも併せてご確認ください。

1位 本人の心身不良:11.1%
2位 転居:10.2%
3位 結婚、家族の健康・介護:6.2%
4位 出産育児:5.1%
5位 職場の人間関係:4.6%

参考:神奈川県「2019(令和元)年度 看護職員就業実態調査結果(病院)」

また、少し古いデータになりますが、厚生労働省が2010年に発表した「看護職員就業状況等実態調査結果」だと、以下のような結果が出ています。

1位 出産・育児:22.1%
2位 結婚:17.7%
3位 他施設への興味:15.1%
4位 人間関係:12.8%
5位 超過勤務(残業):10.5%

参考:厚生労働省「看護職員就業状況等実態調査結果」

看護師は、今もなお女性が圧倒的多数を占めていることもあり、他業種と同じく結婚や出産をきっかけに退職する人が多く見られます。その一方、看護師特有ともいえるのが、心身不良や超過勤務による退職の多さです。

看護師は2交替制・3交替制のシフト勤務が多い分、どうしても生活リズムが不規則になりやすい傾向にあります。休日出勤や残業などが続き、体力の限界を感じて辞めてしまう人は少なくありません。

さらに、人の命に関わる仕事という点でも精神的な疲労がたまりやすく、心身不良で退職する人が多いのだと推測できます。

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看護師が退職を引き止められたときのポイントは「誠実さ」と「理由の伝え方」


看護師が退職を引き止められたときのポイントの写真

何年も前から看護師の人材不足は叫ばれていますが、特に最近は新型コロナウイルスによって医療施設の負担が激増していることから、看護師のニーズが高まっています。つまり、人材不足がますます加速しているのです。

そのため、退職意思をはっきり伝えても、「今は人がいないから難しい」「考え直してほしい」などと引き止められるケースも少なくありません。

正社員(期限の定めがない労働契約)として働いている場合、退職の2週間前に申し入れをすれば、法律(民法第627条)に基づいて退職できるとされています。雇用主にそれを拒否する権利はないため、どれだけ懇願されても法的には退職可能です。

しかし、今までお世話になったことや今後の付き合いを考えると、できれば円満退職を実現させたいところでしょう。

そこで、トラブルなく退職するためのノウハウを紹介します。


相手に寄り添いつつ自分の意思を通す

円満退職を実現させるためには、「誠実さ」と「理由の伝え方」が重要なポイントです。

退職によって同僚の負担が増えることに対しては、「申し訳ありません」と誠実に伝えつつ、相手側が「それなら仕方ないか」と思うような退職理由の伝え方をしましょう。決して、「○月いっぱいで退職させていただきます」などと一方的に退職の意思だけを伝えるのは避けるべきです。

相手の心情に寄り添いながら話したほうが、納得してもらいやすくなります。


退職が承認されないときは?

どれだけ説得しても退職を認めてくれない、話をまともに聞いてもらえない場合には、別の手段に切り替えることも検討しましょう。

例えば、退職届を作成して「内容証明郵便」で送付すれば、相手側は受取拒否ができないので、正式に退職を受け入れることになります。送付後は、上司や先輩の目を気にすることなく、粛々と業務の引き継ぎ等を進めていきましょう。

また、労働者に代わって退職手続きを行なう「退職代行サービス」を利用するのも一つの方法です。

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転職先の面接で退職理由を聞かれたときのポイント


転職先の面接で退職理由を聞かれたときのポイントの写真

看護師に限らず、転職する場合は面接で「退職理由」を聞かれることが多いでしょう。面接官にもよりますが、退職理由の質問は以下のようなことを確認するために行なわれます。

  • 採用してもすぐ辞めないか
  • 仕事に対して責任を持てるか
  • 人柄や考え方に問題はないか
  • 転職先でうまくやっていけるか

退職理由によっては言いづらい内容もあるかもしれませんが、転職の成否に関わる重要な質問なので、できるだけ正確に伝えましょう。

ここからは、退職理由を聞かれたときのポイントを紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。


できるだけポジティブな退職理由に言い換える

人間関係・超過勤務・給与などが退職理由の場合、そのまま伝えるとネガティブに聞こえてしまいます。ネガティブな退職理由が事実だとしても、できるだけポジティブに伝えることが大切です。

ただし、嘘をつくと回答内容が矛盾したり、面接官に怪しまれたりするので、あくまで言い換える程度にとどめる必要があります。

以下は、ネガティブからポジティブへの言い換え例です。

  • 人間関係が悪い
    ⇒院内の人間関係が複雑で、日頃から連携が取りにくいと感じていました。私なりに努力はしたのですが、もっとチームワークを重視している職場で働きたいと考え、退職を決断いたしました。
  • 超過勤務がつらい
    ⇒前職では人材不足の影響から業務量が多く、私の目標である"患者さんに寄り添った看護"を実現できずにいました。貴院の看護方針は私の考え方と合致しており、人員体制もしっかり整っているため、転職を決断いたしました。
  • 給与が低い
    ⇒私は将来責任ある立場に就きたいと考えていますが、前職ではキャリアアップの機会を得られず、もどかしさを感じていたので、退職を決断いたしました。

法律違反やハラスメントは正直に言ってもOK

残業代が支払われないといった法律違反、上司からのパワハラ・セクハラなどが退職理由の場合、正直に伝えても問題ありません。

あえて事実を伝えることにより、転職先で法律違反やハラスメントが横行していないか、面接官の反応を通じて確かめることもできます。転職失敗を防ぐための対策なので、押さえておきましょう。


志望動機と関連性を持たせる

退職した理由を伝えるときは、「次に働くならこんな職場を希望している」という流れを作ったうえで、志望動機につなげることも大切です。

一般的に面接では、先に志望動機を聞かれるケースが多いので、退職理由との齟齬が生じないよう関連性・一貫性を持たせる必要があります。

「前職では実現できない」「転職先なら実現できる」という流れを意識すれば、退職理由と志望動機をセットで考えやすくなるでしょう。

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まとめ

看護師が退職する場合、3ヵ月前を目安に告知するといった点を除けば、あとは一般企業の会社員とほぼ同じ流れで手続きを進めることになります。

人材不足などの理由で強く引き止められる可能性もありますが、冷静かつ穏やかに自分の退職意思を伝えることが大切です。

また、退職理由は転職先の面接でほぼ確実に聞かれるので、内容や伝え方をしっかりと考えておきましょう。実際の退職理由は伝えにくい内容も多いとは思いますが、ポジティブに言い換える、志望動機と関連させるなどを意識すれば、面接官も納得する退職理由になります。


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