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介護福祉士の取得方法は?介護業界で役立つ資格をご紹介

  • 業界・資格ノウハウ

目次

介護業界は資格がなくても働くことができますが、介護士として長く活躍していくためには資格があったほうが有利です。

特に「介護福祉士」は介護資格のなかで唯一の国家資格であり、取得すると就職時や転職時などに多くのメリットが得られる可能性があります。活躍の場も広がりやすいので、キャリアアップや働きやすさを求める方にも取得をおすすめしたい資格です。

この記事では介護業界で役立つ資格の紹介をはじめ、介護福祉士の仕事内容や活躍の場について解説します。介護士に興味のある方、介護士を目指している方は、ぜひ参考にしてください。


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介護業界で役立つ資格一覧


介護業界で役立つ資格一覧の写真

介護資格にはさまざまな種類がありますが、現在の介護業界で持っていると役立つ資格は以下の11種類です。

介護職員初任者研修

介護職員初任者研修は介護職未経験者向けの資格で、介護職員初任者研修を受講すると介護の正しい基礎知識やスキル、介護サービスの提供に必要な考え方を身に付けられます。

以前は「ホームヘルパー2級」という資格がありましたが、2013年3月末に廃止となったため、その後続資格として新たに設置されたのが介護職員初任者研修です。

この資格を取得するには養成校で講座を受講し、修了試験に合格しなければなりませんが、最短であれば1ヵ月ほどで取得可能です。特に受講資格はなく、誰でもチャレンジできます。


介護福祉士実務者研修

介護福祉士実務者研修は介護職員初任者研修の上位にあたり、習得する知識やスキルの専門性がさらに高く設定されている資格です。

介護職員初任者研修と同じように未経験・無資格での受講が可能で、講座受講後の試験に合格すると資格を取得できます。保有している介護資格によって受講科目が省略されるため、資格保有者や経験者ほど資格取得までの時間が短くなります。

また、国家資格である介護福祉士にチャレンジするためには、この資格の取得と3年以上の実務経験が必要です。


認定介護福祉士

認定介護福祉士は一般社団法人認定介護福祉士認証・認定機構が運営している民間資格で、国家資格である介護福祉士の上位資格です。認定介護福祉士になるには介護福祉士を取得し、5年以上の実務経験、認定介護福祉士養成研修で600時間の講義を受講する必要があります。

取得難易度は高くなりますが、取得すると介護福祉士資格では習得できない知識や、リーダーに必要な指導力と知識、マネジメント力などが身に付けられます。介護福祉士よりも仕事の幅がさらに広がるため、介護業界でのキャリアパスには非常に有利な資格といえるでしょう。


ケアマネジャー(介護支援専門員)

ケアマネジャー(介護支援専門員)は、介護保険制度の施行にともなって2000年に設置された資格です。この資格を取得すると、介護を必要とする方に適したケアプランの作成方法や、要介護認定に関する専門知識を身に付けられます。

ケアマネジャーになるには、介護支援専門員実務研修受講試験の合格が必要です。ただし、受験するには一定の条件があり、以下のいずれかの業務を通算して「5年以上かつ900日以上」経験していなければいけません。

  • 生活相談員・相談支援員・支援相談員・主任相談支援の業務
  • 該当する国家資格などに基づく業務(※)

※該当資格:医師、看護師、准看護師、保健師、助産師、歯科医師、歯科衛生士、薬剤師、理学療法士、作業療法士、精神保健福祉士、社会福祉士、介護福祉士、視能訓練士、義肢装具士、言語聴覚士、はり師、きゅう師、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師、栄養士、管理栄養士

さらに、ケアマネジャーとして就業するには、資格取得後に15日間の講習・演習+3日間の実務研修を受ける必要があります。


理学療法士

理学療法士は、障害を持つ方を対象にしたリハビリテーションの専門家です。おもに病院や介護施設などに就業し、病気やケガで運動機能が低下した方の機能回復や日常動作の維持・改善をサポートします。

理学療法士は国家資格であり、国家試験を受けるには養成校で3年以上学ばなければなりません。ただし、作業療法士の資格を保有している場合は2年以上で受験が可能です。

養成校には4年制大学、短期大学(3年制)、専門学校(3年制・4年制)、特別支援学校(視覚障害者のみ)の4種類があり、さらに専門知識を身に付けたい場合は大学院も用意されています。


作業療法士

作業療法士はOT(Occuoational Theraphist)とも呼ばれ、身体だけではなく心のリハビリテーションも行なう専門家です。おもに、日常生活に必要な動作の改善や、社会復帰を目的としたサポートを行ないます。

作業療法士も国家資格であり、養成校で3年以上学び所定の課程を修了しなければ、国家試験を受けられません。

資格取得後は、精神科病院や認知症関連施設を中心とした幅広い施設で活躍が可能です。近年は在宅サービスが増えているため、訪問リハビリテーションや訪問看護ステーションでのニーズも高まるでしょう。


介護予防運動指導員

介護予防運動指導員は、高齢者を対象に筋力トレーニングや運動を指導し、自立した生活を送るための身体づくりをサポートする専門家です。おもな就業先は介護施設ですが、リハビリセンターやスポーツセンターなどでも活躍しています。

養成校を修了すれば介護予防運動指導員の登録証が交付されます。ただし、養成校の講座は介護関連の資格の取得者、もしくは取得見込み者でなければ受けられません。また、ホームヘルパー・介護職員初任者研修の方は、資格のほかに2年以上の実務経験が必要です。


福祉用具専門相談員

福祉用具専門相談員は、介護保険を使った福祉用具(車いす、歩行器、入浴補助用具など)の購入・レンタルにおいて、利用者に適した用具の選定や使い方の指導を行なう専門家です。おもな就業先には、福祉用具の販売・レンタルを行なう事業所や、福祉用具メーカーなどがあります。

福祉用具専門相談員の資格は、認定事業者が実施している50時間の「福祉用具専門相談員指定講習」を受講し、試験に合格すれば取得できます。受講資格はないため、未経験者でも受講が可能です。


レクリエーション介護士

レクリエーション介護士は、質の高いレクリエーションの企画・実施を目的とした資格です。試験では高齢者とのコミュニケーション方法をはじめ、高齢者が楽しめるレクリエーションの企画・提供力などが問われます。

レクリエーション介護士の資格には1級と2級があり、2級は認定講座の修了試験に合格すれば誰でも取得可能ですが、1級は2級の資格取得者でないと取得できません。


認知症介助士

認知症介助士は認知高齢者を支える目的で定められた資格で、試験では認知症についての正しい知識や適切な対応方法が問われます。

認知症介助士の資格は、認知症介助士検定試験に合格すると取得できます。受験方法には、セミナー受講後に試験を行なうタイプやマークシート方式、CBT方式、IBT方式の4つがあり、未経験者でも受験可能です。

認知症介助士は介護業界に限らず、サービス業でも役立つため、個人で取得する方も多くいます。


介護事務

介護事務は、介護事業所における会計事務の知識と技能を問われる資格です。そのため、介護に関する知識よりも、介護保険に関する知識やパソコンスキル、経理業務のスキルなどが求められます。

また、介護事務の業務はさまざまな職種との連携が不可欠となるため、コミュニケーション能力や人柄、介護分野への関心も重視されます。

介護事務は多数の運営団体が民間資格を設けており、それぞれで資格名や試験内容が異なります。


介護事務の代表的な資格

  • 介護事務管理士
  • 介護事務実務士
  • ケアクラーク
  • 介護保険事務管理士
  • 介護報酬請求事務技能検定
  • 介護管理専門秘書検定資格

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介護福祉士とは


介護福祉士の写真

介護資格のなかでも特に需要が高いのが、国家資格である介護福祉士です。介護福祉士は、「社会福祉士及び介護福祉法」の第2条第2項において以下のように定義され、介護業界を代表する資格となっています。

介護福祉士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもつて、身体上又は精神上の障害があることにより日常生活を営むのに支障がある者につき心身の状況に応じた介護を行い、並びにその者及びその介護者に対して介護に関する指導を行うことを業とする者をいう

引用:社会福祉士及び介護福祉法|e-GOV

少子高齢化が進む日本では介護職の需要が年々高まっているとともに、介護福祉士のニーズも高まりつつあります。介護福祉士は高度な専門知識と技術を有する証明でもあるため、就職や転職はもちろん、待遇や昇進においても有利に働く資格です。

社会福祉士の資格を取得するには、国家試験に合格する必要があります。ただし、試験は誰でも受けられるものではありません。

資格取得までの流れは、大きく次の4つに分けられます。

介護福祉士資格取得ルート
養成施設ルート 高等学校卒業

・介護福祉士養成施設2年以上
・福祉系大学など+介護福祉士養成施設1年以上
・社会福祉養成施設など+介護福祉士養成施設1年以上
・保育士養成施設など+介護福祉士養成施設1年以上

筆記試験

介護福祉士取得
実務経験ルート ・実務経験3年以上+実務者研修(EPA介護福祉士候補者以外)

・実務経験3年以上+介護職員基礎研修+喀痰吸引研修

筆記試験

介護福祉士取得
福祉系高校ルート ・新カリキュラム(平成21年度以降入学者)
・旧カリキュラム(平成20年度以前入学者)+介護技術講習
・特例高校等+実務経験9ヵ月以上+介護技術講習

筆記試験

実技試験(特例高校等・旧カリキュラムで介護技術講習未受講者)

介護福祉士取得
経済連携協定(EPA)ルート EPA介護福祉士候補者+実務経験3年以上+(介護技術講習または実務者研修)

筆記試験

実技試験(介護技術講習または実務者研修未受講者)

介護福祉士取得

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介護福祉士の仕事内容


介護福祉士の仕事内容の写真

介護福祉士の仕事内容は多岐にわたり、要介護者の身体に触れる身体介助や家事全般をサポートする生活援助、要介護者の家族に対するアドバイスや指導などがあります。この他にも、職場内のメンバー管理やチームマネジメントなどが求められる重要なポジションです。

ここでは、介護福祉士の代表的な仕事内容について見ていきましょう。


食事介助

介護福祉士の食事介助は食事の配膳から、福祉用具やエプロンのセッティング、食事介助、服薬業務、下膳まで行ないます。一人で食事をとれる要介護者は介助をする必要はありませんが、安全に食事ができていることを確認するのも介護福祉士の大切な仕事です。

また、要介護者の食事量を把握し、普段と違いはないか確認します。糖尿病の方の場合は血糖値が定性であるか確認し、細かく管理します。


入浴介助

一人で入浴できない要介護者の入浴介助を行ないます。身体を洗ったり、着替えを手伝ったりするだけでなく、入浴介助には入浴前の室温調整や要介護者の対象チェック、入浴後のケアなども含まれます。

入浴介助は他の介助に比べて事故が起こりやすく、脱水症状ややけど、転倒、ヒートショックなどのリスクがあります。そのため、細心の注意を払い、必要に応じて看護師と一緒に対応するのが一般的です。


排せつ介助

トイレでの排せつ介助やオムツ交換などを行ないます。排せつ介助は要介護者が最も恥ずかしいと感じる場面であるため、自尊心に配慮した介助が必要です。例えば、排せつ時は見えないように前にタオルをかける、トイレの外で待つ、拭くのを手伝うときは素早く行なう、といったことが挙げられます。

また、要介護者が自分で考えて行動できるよう、自身で行なえることはできるだけやってもらうように促すことも大切です。


日常生活の支援

食事や入浴、排せつ以外にも、介助が必要な場合は介護福祉士がサポートを行ないます。例えば、移動や衣類の脱着、身体の衛生管理、洗濯、掃除、買い物など、支援の内容は要介護者によってさまざまです。

また、要介護者の家族へ報告や相談を行ない、家族を安心させることも介護福祉士の重要な仕事です。


職場のチームリーダーとしての役割

介護福祉士の仕事は要介護者の介助だけではなく、メンバーの指導や業務管理なども含まれます。現在、介護福祉士をチームリーダーにするという動きがあり、厚生労働省でも次のように考えられています。

介護の専門職である介護福祉士をチームリーダーとして位置付けるべきであり、介護福祉士の中でも業務経験年数が一定程度あるなど、一定のキャリアを積んだ介護福祉士を位置付けるべき

引用:介護人材の機能とキャリアパスの実現に向けて|厚生労働省

チームリーダーとしての具体的な仕事内容は、スタッフの管理やシフトの作成、研修の企画・開催、労働環境の整備、スタッフの育成・教育、施設利用者のリスク管理、介護サービスの見直し、委員会活動などがあります。


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介護福祉士取得者が活躍できる場


介護福祉士取得者が活躍できる場の写真

介護福祉士は高度な専門知識と技術の認定をされた人であるため、活躍の場は多くあります。介護施設や訪問介護の現場はもちろん、訪問介護事業所ではサービス担当責任者や管理者として、デイサービスや老人ホームではフロアリーダーや施設長などとして活躍できます。

介護福祉士が活躍できるおもな職場は以下のとおりです。


特別養護老人ホーム

身体や精神に著しい障がいがあり、常時介護を必要とする65歳以上の方が入所する施設です。特別養護老人ホームで生涯を終える方も多いため、穏やかな生活を重視した介護が求められます。


介護老人保健施設

自立した日常生活への復帰を目的とした施設です。日常生活の介護をはじめ、リハビリやレクリエーション活動などをサポートします。


介護付き有料老人ホーム

高齢者入所施設で、提供するサービスは施設によって異なります。介護福祉士は、要介護者や要支援高齢者を受け入れる介護専用型施設で日常生活の介護を行ないます。


訪問介護事業所

おもに介護福祉士とホームヘルパーが活躍する場所です。介護が必要な高齢者の自宅を訪問して入浴介助や生活支援を行ないます。


デイサービスセンター

在宅の要介護者が利用する施設です。利用者に合わせたリハビリテーションや生活支援、レクリエーションなどを行ないます。


グループホーム

認知症をはじめ、病気や障がいで介護が必要な方が生活する施設です。介護福祉士は、入居者が自立した生活を送れるように生活の全般をサポートします。


身体障がい者療護施設

18歳以上の身体障がい者が生活する施設です。利用者の身体介助をはじめ、健康管理や炊事、洗濯などの生活全般をサポートします。利用者によっては自立した生活や社会生活を目的とした訓練をサポートすることもあります。


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まとめ

介護業界にはさまざまな資格がありますが、特に需要が高いのが介護福祉士です。介護福祉士は「社会福祉士及び介護福祉法」で定められた国家資格であり、資格を取得すると就職や転職はもちろん、待遇や昇進においても有利に働きます。

介護福祉士は活躍の場が多く、チームリーダーやマネジメント業務にも携わることもできるため、将来性も期待できます。

ただし、介護福祉士の国家試験には受講資格が設けられており、誰でも受験できるわけではありません。まずは自分に適した受験ルートを選び、資格取得に向けて積極的に取り組んでいきましょう。


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