介護の現場は、福祉用具なしでは成り立たないといっても過言ではありません。福祉用具といえば、車いすや電動ベッドが一般的ですが、利用者の生活や動作を支える便利な製品がたくさんあります。
福祉用具専門相談員は、介護と福祉用具を熟知している、福祉用具のスペシャリストです。在宅での療養環境だけでなく、施設や病院でも役立つ資格の一つです。今回は、そんな福祉用具専門相談員の面接や履歴書作成で役立つ、志望動機の例文を紹介します。
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福祉用具専門相談員の履歴書に書く志望動機の例文4選
履歴書の志望動機は、採用担当者が書類選考で一番チェックするポイントです。「この人と話してみたい!会ってみたい」と感じられるような魅力的な文章にしていきましょう。
志望動機に盛り込むべき内容は以下です。
- 自分が培ってきたスキルや資格
- 入職先にどう貢献できるか
- (未経験の場合)前職での経験をどう活かすか
採用担当者は長期的に働いてくれる人材を求めています。そのため、入職先のリサーチもしっかり行なっておきましょう。
介護士の資格を活かして、生活に合わせた福祉用具の提案をしたい
私は介護士として、約10年間老人ホームで働いてまいりました。老人ホームは、入居者様にとって自宅と同様ですが、福祉用具がその方の生活に合っていないケースも多数あり、何とか改善していきたいと考え、福祉用具専門相談員の資格を取得しました。貴施設は、個人に合わせた介護を目指しており、介護士業務とともに、福祉用具の選択でもお役に立てればと考え入職を希望した次第です。
転倒を予防したい
訪問介護の現場では、転倒による骨折が原因で、寝たきりになってしまった方をたくさん介護してきました。骨折の大きな要因は骨粗鬆症でしたが、手すりなどの身体状況に合った福祉用具を選択していなかったことから、転倒に至った利用者様もいました。〇〇訪問介護ステーションは転倒予防体操の実施など、転倒対策チームの活動があることから、転倒予防のための適切な福祉用具の選び方などについて学びたいと考え、入職を志望した次第です。
利用者の変化に迅速に対応したい
在宅療養では、ADLの低下が起こりやすいものの、福祉用具の変更は対応が遅れてしまうことが多くありました。貴事業所は、在宅療養に関わる多職種との連携を重視していると伺いました。貴事業所であれば変化に対して柔軟に対応しながら、状況に合わせた福祉用具の選択が行なえると考えたため、入職を希望しました。
利用者の自立した生活を支え、ADL維持を図りたい
在宅で療養している利用者様の多くは、「自分でできることはやりたい」と考えています。体の一部が不自由な場合でも、福祉用具を活用しながら移動や排泄、体位交換までを行なえる環境があることを知り、利用者様の自立した生活を支えるために福祉用具専門相談員の資格を取得しました。〇〇ステーション様の「自活力を信じる」という理念に共感し、御社を希望した次第です。福祉用具を通して、利用者の自立やADLが維持できる生活を支えたいと思います。
後遺症や疾患があったとしても、自立した生活を送りたい人に対して、実用的な福祉用具の提案がしたいという例文です。自分の気持ちを、具体的なエピソードを交えながら伝えられると好印象でしょう。
福祉用具専門相談員の面接で使える回答例3選
福祉用具専門員の面接では、下記の点を聞かれる場合が多いでしょう。
- なぜ福祉用具専門員になったのか
- 福祉用具専門員を目指そうと考えたきっかけや体験
- 福祉用具専門員の資格を通してどんなことがしたいのか
- 目標や将来設計について
採用担当者は、面接を通してあなたの考え方や経験を知りたいと考えています。具体的な体験や、将来の展望などを話すことで、人となりや仕事に対する姿勢が伝わるでしょう。
自分の過去の経験から
私は、5年間介護士として働いています。ある利用者さんが体型に合わない車いすを使用していることがあったため、本人や福祉用具の担当者と相談し、転倒防止機能付きの体型に合った車いすに変更しました。その際、利用者様だけではなく、ご家族の方々にも大変喜んでもらうことができ、個人に適した福祉用具の選択で介護に携わる全員の負担が軽くなることを実感したため、福祉用具専門員の資格を取得しました。今後もこの資格を活かして、個別性の高い介護の一助となりたいと考えており、豊富な福祉用具を取り扱う貴社への就職を希望しました。
介護者の負担も減らせる福祉用具を提案したい
私の祖母は在宅療養中です。介護は想像以上に大変な面が多く、介護者が辛い介助は同時に祖母にも辛い思いをさせていると感じています。福祉用具専門相談員の方の助言でリフトの導入や入浴用の福祉用具を変更したところ、介助者である母も介護が楽になったと言っていました。福祉用具を少し変更するだけでも介助者の負担が軽減されることを知り、福祉用具専門相談員の資格を取得しました。「利用者のために介助者にも寄り添う」という〇〇様の理念に共感し、就職を希望した次第です。
利用者・介護者の行動のきっかけに
訪問介護に携わるなかで、体の不調やボディイメージの変容から、外出はおろか、ベッド周囲のみで生活している方が多い現状を目の当たりにしました。外出が好きな利用者様のなかには、さまざまな福祉用具を活用し安全な外出を継続している方がいることを知り、福祉用具についてしっかり学習したいと感じたことをきっかけに福祉用具専門相談員の資格を取得しました。車いすや手すりなど福祉用具の導入相談を受けたりアドバイスをしたりすることで、外出へのハードルを低くしていきたいと考えています。〇〇様は外出支援への取り組みを行なっているので、入職後は、積極的に外出に関する福祉用具の提案をしていければと思います。
まとめ
福祉用具専門相談員の履歴書作成や面接で使える志望動機について紹介しました。福祉用具専門相談員は、利用者に合った福祉用具を選択することで、間接的に利用者の介護に関わることができるやりがいのある職種の一つです。
個別性が重視される介護業界でも、とても役立つ資格といえます。転職・就職の際は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
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