介護職員・ヘルパーの仕事内容
介護職員・ヘルパーは、介護を必要とする人に対して、食事や入浴、排泄介助、着替えなど、身の回りのサポートをするのが主な仕事です。
主に、介護職員は特別養護老人ホームやデイサービスセンターなどの介護施設で働き、ヘルパーは訪問介護事業所で働きます。
介護職員・ヘルパーとして働くために資格は必要ありません。しかし、求人の中には資格を必須とするものがあり、資格を持っていることで採用が有利に働く場合もあるでしょう。
主に有用とされる資格は、「介護職員初任者研修」と「介護福祉士実務者研修」の2つです。
介護職員初任者研修は、介護に関する基礎的な知識とスキルを身につけるための資格です。実技を含む研修に、9科目合計130時間参加することで資格を得られます。
介護福祉士実務者研修は、介護職員初任者研修の上位資格です。知識やスキルをより深いレベルで学びます。資格取得には、20科目合計450時間の研修を受けなければいけません。
高齢社会の影響から、介護職員・ヘルパーの需要は高いといえるでしょう。優秀な人材確保や処遇改善を目指して、労働環境や賃金改善などが図られています。
自分の介護によって利用者がしやすくなったり、笑顔で「ありがとう」と言われたりした際にやりがいを感じられる仕事です。
介護職員・ヘルパーに関するデータ
平均給与
企業規模別の平均給与月額(一般労働者)
令和2年賃金構造基本統計調査を基にディップ株式会社が作成
男女別の平均時給額(短時間労働者)
令和2年賃金構造基本統計調査を基にディップ株式会社が作成
企業規模別の年間賞与その他特別給与額(一般労働者)
令和2年賃金構造基本統計調査を基にディップ株式会社が作成
男女別の年間賞与その他特別給与額(短時間労働者)
令和2年賃金構造基本統計調査を基にディップ株式会社が作成
平均勤続年数
企業規模別の平均勤続年数
令和2年賃金構造基本統計調査を基にディップ株式会社が作成
男女比
令和2年賃金構造基本統計調査を基にディップ株式会社が作成
平均年齢
企業規模別の平均年齢
令和2年賃金構造基本統計調査を基にディップ株式会社が作成
勤務実態(平均労働時間・残業時間・休日数)
平均労働時間
「令和元年度介護労働実態調査 介護労働者の就業実態と就業意識調査結果報告書」(公益財団法人 介護労働安定センター)によると、1週間の労働時間は40時間~50時間としている人が、全体の7割以上を占めています。週休2日と仮定して、1日約8時間~10時間勤務の計算です。
勤務時間は勤務先によって異なります。特別養護老人ホームや介護老人保健施設といった入所型施設の場合、早番や遅番、夜勤などのシフト勤務が一般的です。デイサービスセンターなどの通所型施設では、日勤として働くことになるでしょう。
訪問介護事業所の中には、24時間体制でサービスを提供しているところがあり、ヘルパーもシフト勤務を求められます。
残業時間
正社員として勤務している人の中で、5割近くの人が1週間で残業がないとしています。平均残業時間は2時間ほどです。
データ上の残業時間は少ないですが、実情は勤務先によって異なります。勤務時間内に利用者のケアが終わらなかったり、訪問件数が多かったり、勤務時間後にミーティングや研修が行われたりすることもあるでしょう。
持っておくとプラスになる関連資格
介護職員・ヘルパーとして働く際、以下で紹介する関連資格を持っておくと業務面や給与面でプラスに働きます。
介護福祉士
介護福祉士は国家資格です。介護に関する専門知識とスキルを持ち、一人ひとりに合った介護をします。
冒頭で紹介した介護職員初任者研修や介護福祉士実務者研修よりも上位資格とされており、取得によって大きなスキルアップを目指せるでしょう。
ケアマネジャー
ケアマネジャーは介護サービスを必要とする利用者に対して、適切なケアプランを立てるための資格です。
介護報酬の仕組みや介護プランの立て方を理解することで、より包括的な観点から利用者支援ができるようになります。
レクリエーション介護士
多くの介護施設でレクリエーションが実施されているため、レクリエーションに関する知識や実行スキルが介護職員に求められています。
レクリエーション介護士は、高齢者レクリエーションに関する知識やスキルを身につけるためにできた資格です。レクリエーション介護士には1級と2級があり、資格取得を通して、レクリエーションの企画から計画、実行、見直しまでできるようになるでしょう。
介護予防運動指導員
介護予防運動指導員は、筋力トレーニングや運動を通して、高齢者の身体ケアをするための資格です。
介護施設で適切な運動プログラムを企画できるようになります。
福祉用具専門相談員
福祉用具専門相談員は、介護を必要とする高齢者や障害者が福祉用具を利用する際、それぞれの状況に合わせた福祉用具の選定や使用方法のアドバイスをするための資格です。
介護施設を利用している人の中には、車いすや歩行器などの福祉用具を必要とする人もいるでしょう。
福祉用具に関する正しい知識を身につけておくことで、一人ひとりに合ったアドバイスができるようになります。
介護職員・ヘルパーの求人倍率
令和元年度における有効求人倍率(施設介護員)は3.76倍でした。職種全体の求人倍率1.55倍と比べて、2倍以上の数値です。
高齢化社会によるニーズの増加だけでなく、障害者施設からの需要も高まっています。
転職者の声
20代 女性 経験2年
笑顔や、ありがとうという言葉はありきたりですが嬉しいです。認知症の方は、お話通じない方もいらっしゃいますが、耳元で話しかけて返答があった時などは嬉しいですし、寝たきりでオムツになっている方は誰よりもスッキリできるようにしようなど、特に言われてないけど何かすることを意識していると、楽しさを見出せます!
30代 女性 経験4年
人の命を預かる仕事なので、転倒や入浴時、食事介助時など気が抜けない仕事ですが、利用者さんの笑顔や「ありがとう」の声を聞くと、やってて良かったと思えます。
自分が知らない時代の話など、たくさん聞かせてくださったりする時間もとても楽しいです。
40代 女性 経験3年
人対人の仕事なので、意思の疎通や声のかけ方やちょっとしたやりとりなど、気を使う所が多いです。それでもいろいろな会話や生活の介助をすることを通じて、実際に仕事外でも困っている人がいると手助け出来たり、相手を思いやる気持ちを持てたりするのが他には無い職業だと思っています。
また、身内の介護や体調を崩した時に冷静に対処できるようになりました。
キャリアパターン
資格を取得する
介護職員・ヘルパーの代表的なキャリアパターンとして、資格の取得が挙げられます。
前述したように、介護職員・ヘルパーに関する資格は豊富にあります。
介護に関する知識や技術を深めるのであれば、介護職員初任者研修から介護福祉士実務者研修へ、最終的には介護福祉士を目指すのがいいでしょう。このようにステップアップすることによって、施設内、ひいては業界内での立ち位置が上がっていき、自分の目指す介護を実現できるようになるはずです。
勤めている職場の状況や興味・関心に合わせて、ケアマネジャーやレクリエーション介護士などの関連資格を目指すのもおすすめです。
働く施設・業態を変える
求人が豊富であることから、思いきって転職する方法もあります。現在勤務している施設よりも条件や待遇がいい場所へ転職すれば、大きなキャリアアップも期待できるでしょう。
また、相談員やケアマネジャーなどに業態を変える道もあります。
どちらの職種も介護職員としての現場経験を生かせるため、キャリアパターンとして考えている人が少なくありません。
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