生活相談員の仕事内容
生活相談員は、特別養護老人ホームやデイサービスセンターなどの介護施設において、利用者やその家族への相談援助や施設・関係機関との連絡調整、苦情への対応などを主な仕事とする職業です。
生活相談員という資格はありません。ただ、生活相談員に就くためには、社会福祉士や精神保健福祉士などの資格保有を主な条件としている施設が多いです。詳細は各自治体によって異なります。
正社員として働くのが一般的ですが、パートやアルバイトの求人も少なくありません。それぞれの生活状況に合わせて、多様な働き方ができる仕事といえるでしょう。
高齢化社会の影響から、求人数も充実しています。
不安や悩みを抱える利用者やその家族からの相談を受け、相談援助によって問題が解決した際に大きなやりがいを感じられる仕事です。
生活相談員に関するデータ
平均給与
「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果」(厚生労働省)を基にディップ株式会社が作成
平均勤続年数
「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果」(厚生労働省)を基にディップ株式会社が作成
男女比
「令和元年度介護労働実態調査結果について」(公益財団法人介護労働安定センター)を基にディップ株式会社が作成
平均年齢
「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果」(厚生労働省)を基にディップ株式会社が作成
勤務実態(平均労働時間・残業時間・休日数)
平均労働時間
正社員勤務の場合、1ヶ月間の平均労働時間は162.8時間でした。週休2日制の職場と仮定すると、1日あたり約7.4時間勤務となります。
勤務時間は施設によって異なるものの、基本的には日勤です。8:00~17:00や9:00~18:00までの勤務となるでしょう。
残業時間
残業時間は勤務先の状況によって異なります。
相談業務が終わってから記録記入などの事務作業を行うため、相談や面談が長引いたり件数が多く入っていたりすると残業になるかもしれません。
また、看護師や介護職員など、ほかのスタッフの意見をベースとして動くこともあるので、連絡や指示を待つために残業することも考えられるでしょう。
休日数
休日数も施設によって異なりますが、施設の休みに合わせて土日休みや4週8休を取り入れている施設もあります。
生活相談員になるために必要な資格
生活相談員として働くためには、精神保健福祉士か社会福祉士、または社会福祉主事任用資格いずれかの資格が必要です。
自治体によってはケアマネジャーや介護福祉士でも要件として認めているケアマネジャーや介護福祉士でも要件として認めているので、就業を希望する場合は各自治体へ確認してみてください。
精神保健福祉士
精神保健福祉士は、精神障がい者の相談援助に関わる国家資格です。
主な業務は、精神障がい者とその家族が抱える悩みに対して助言や適切な訓練を施し、問題解決の糸口を探ります。ほかにも、公的支援制度の紹介や医療費・生活費の手配の紹介など、包括的にサポートしていく職業です。
資格取得には、指定された大学や専門学校を卒業し、国家試験に合格しなければいけません。
社会福祉士
社会福祉士も相談援助に関わる国家資格です。ただし精神保健福祉士と異なって、高齢者や障がい者、児童など、相談援助の対象者範囲が広いです。そのため、福祉施設や学校、行政機関、病院など、非常に多くの場で活躍できます。
社会福祉士の主な業務は、相談者と福祉サービス・保健医療サービスとの橋渡しです。助言や指導を通して、相談者の社会復帰をサポートします。
資格取得には、指定された大学や専門学校を卒業し、国家試験に合格しなければいけません。
社会福祉主事任用資格
社会福祉主事は任用資格です。都道府県や市区町村の福祉事務所で、社会福祉主事として働くために必要です。
資格を得る方法は、「大学や短期大学で社会福祉に関する科目を3つ履修して卒業する」「通信教育を受講する」「養成機関を卒業する」「講習会を受ける」などが挙げられます。
また、上記で紹介した精神保健福祉士か社会福祉士を取得すると、同時に社会福祉主事任用資格も得られます。
ケアマネジャー
ケアマネジャーは、介護サービスを必要とする人に向けて、一人ひとりに合ったケアプランを作成するための資格です。
資格取得には、介護福祉士や社会福祉士などの国家資格に関わる業務、または生活相談員や支援相談員などの業務を5年以上行い、各都道府県が行っている試験を受けなければいけません。
介護福祉士
介護を必要とする人に対して、食事や排泄、入浴などの介護・介助をするのが介護福祉士の主な仕事です。
資格を取得するためには、福祉系高等学校か大学・専門学校などの養成施設を卒業、または3年以上の実務経験後に所定の研修を受けてから、国家試験に合格しなければいけません。
生活相談員の求人倍率
令和元年度における有効求人倍率(※老人福祉施設生活相談員)は、3.74倍でした。
職種全体の求人倍率1.55倍と比べると、高い数値となっています。
高齢化社会に伴って介護施設が増加し、人材が不足している職種といえるでしょう。
キャリアパターン
施設別の特徴
生活相談員が働く場所は、大きく「入所施設」と「通所施設」の2つにわけられます。
それぞれの特徴は次のとおりです。
入所施設
特別養護老人ホームや有料老人ホームなどの入所施設です。
入所を希望する利用者やその家族と面談をしたり、施設に入所している利用者やその家族からの相談に乗ったりします。
また、行政や関係機関の連絡調整も生活相談員の仕事のひとつです。
通所施設
デイサービスセンターでも、生活相談員が働いています。
入所施設と同じように、通所を希望する利用者やその家族と面談をしたり、通所中の利用者やその家族からの相談に乗ったりするのが主な仕事です。
施設規模が大きくない場合は、介護業務を兼務することがあるかもしれません。
資格の有無
前述したように、生活相談員として働くためには精神保健福祉士か社会福祉士、社会福祉主事任用資格のいずれかひとつが必要です。
ただし、自治体によってはケアマネジャーや介護福祉士も要件に含めているため、希望する自治体の情報を確認してください。
キャリアアップで責任者への道へ
生活相談員は、利用者からの相談業務や関係機関との連絡調整、制度理解など、施設の運営や経営において重要な役割を担う職種です。仕事をしていく中で、施設の中核的なポジションになっていくでしょう。
さらなるキャリアアップをして、施設長などの責任者に就く可能性も期待できます。
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