介護福祉士の仕事内容
介護福祉士は介護職の中で唯一の国家資格です。
介護福祉士は、介護を必要とする人に対して食事や排泄、入浴などの介護・介助をしたり、他の介護者や介護を必要とする人への介護指導も行ったりと、その専門知識や技術を生かして介護の現場で活躍しています。
介護福祉士の資格を取得するためには、国家試験に合格しなければいけません。
福祉系高等学校か大学・専門学校などの養成施設を卒業、または3年以上の実務経験後に所定の研修を受けることで国家試験受験資格を得られます。
高齢化率の増加に伴って、介護福祉士のニーズは高いといえるでしょう。
利用者から感謝の言葉をもらったり、自分の介護によって利用者の生活の質が向上したりしたときなどに、大きなやりがいを感じられる仕事です。
介護福祉士に関するデータ
平均給与・ボーナス
令和2年賃金構造基本統計調査を基にディップ株式会社が作成
令和2年賃金構造基本統計調査を基にディップ株式会社が作成
平均勤続年数
令和2年賃金構造基本統計調査を基にディップ株式会社が作成
男女比
令和2年賃金構造基本統計調査を基にディップ株式会社が作成
平均年齢
令和2年賃金構造基本統計調査を基にディップ株式会社が作成
勤務実態(平均労働時間・残業時間・休日数)
平均労働時間
介護福祉士の労働時間や勤務時間は、勤務先によって異なります。
正社員として働く場合は、1日8時間勤務となるのが通常です。
デイサービスセンターの介護職員や訪問介護事業所のサービス提供責任者として働く場合、基本的には朝から夕方までの日勤となるでしょう。
特別養護老人ホームや介護老人保健施設といった入所施設で正社員として働く際は、シフト勤務となるのが一般的です。早番や日勤、遅番、夜勤などを交代制でこなします。
残業時間
残業時間は勤務先によって差があります。
入所施設の場合、利用者が24時間生活しているため、介護やケアが終わらない場合は残業となるかもしれません。
また、業務終了後に記録を書いたり、委員会や行事の打ち合わせを行ったりすることもあるでしょう。
休日数
休日数も勤務先によって異なるものの、週休2日を確保しているところが多いです。
入所施設勤務の場合、交代で休みを取得するのが一般的ですが、必ず土日に休めるとは限りません。
デイサービスセンターの場合、日曜日をセンターの休みとしているところがあります。その場合は、日曜日とほかの曜日を1日、一緒に働くスタッフと交代で休むことになります。
持っておくとプラスになる関連資格
介護福祉士の資格だけでもさまざまな現場で活躍することができますが、以下の資格を持っておくとプラスに働くでしょう。
認定介護福祉士
認定介護福祉士は、認定介護福祉士認証・認定機構が認定している、介護福祉士の上位資格です。
介護に関する高い知識とスキルを有し、介護スタッフのリーダーとして働くことが期待されます。
資格取得を通して施設内の人材育成スキルが身につき、利用者の状況に合わせた個別ケアの実践も可能となるでしょう。
認知症ケア専門士
日本認知症ケア学会が認定している資格が認知症ケア専門士です。
認知症に関する専門知識と技術を持ち、現場で質の高い認知症ケアを実践します。
認知症の利用者が入居するグループホームなどでは資格手当を設けているところもあるため、取得すれば収入アップにつながるでしょう。
ケアマネジャー(介護支援専門員)
ケアマネジャー(介護支援専門員)は、介護サービスを必要とする利用者に対して適切な介護プランを立てるなど、介護保険制度に欠かせない公的資格です。
介護報酬の仕組みや介護プランの立て方を理解することで、より包括的な観点から利用者支援ができるようになります。
転職者の声
20代 女性 経験10年
介護ではお年寄りの方のお世話をするため、腰を痛めるなど身体的に大変な面が多いかもしれません。
けれども利用者さんからの感謝の言葉やご家族からのお礼の言葉がとても励みになり、頑張れる仕事だと感じます。
30代 女性 経験10年
キツイとか給料が安いとか言われることもありますが、職場によってずいぶん違うと思います。
私は楽しく仕事をさせていだいてるので、施設勤務をしていた頃も訪問ヘルパーの今も、キツイと思った事は一度もありませんし、給料もいい方だと思っています。
利用者さんが少しずつ良くなっていくと嬉しいですし、もちろん弱っていく方や亡くなられる方もいて、寂しいこともあります。
それでも「あなたが来てくれるの待ってたの!」「少し元気がでる!」などと言ってもらえたり、ありがとうと言ってもらえたりすることに幸せを感じています。
30代 女性 経験9年
介護福祉士には、利用者さんや入居者さんに対して、ただ日常のお世話をするだけではなく、一人一人に合ったケアを考えて実施するという大切な役割があります。人対人、一人の方の人生に関わる重要な仕事であり、単純なものではありません。それ故の苦労や大変さはありますが、利用者さんや入居者さんの笑顔や感謝の言葉には、苦労以上のやりがいや価値があると考えます。
キャリアパターン
施設別の特徴
介護福祉士の勤務先は多岐にわたり、それぞれで特徴が異なります。
主な施設別の特徴は次のとおりです。
特別養護老人ホーム
特別養護老人ホームは、要介護3以上(特例の要介護1・2)の利用者が入所する施設です。常時介護を必要とする利用者が多く、24時間体制で介護サービスが提供されます。
介護福祉士は、食事・排泄、・浴などの介護やレクリエーションの実施、健康管理のサポートなどを行います。終身施設のため、利用者の看取りに関わる点も大きな特徴です。
介護老人保健施設
介護老人保健施設は、ケガが病気で入院していた利用者が、在宅復帰に向けたリハビリをする入所施設です。
介護福祉士のほかに、理学療法士や作業療法士などのリハビリ職が多く勤務しています。
特別養護老人ホームと同じように利用者の介護をしながら、機能訓練のサポートを行うのが特徴です。
介護付き有料老人ホーム
有料老人ホームの中で介護を提供しているのが、介護付き有料老人ホームです。
サービス内容や利用者の介護度は施設によって異なりますが、基本的には食事・排泄などの日常生活に関する介護やレクリエーションの実施などを行います。
デイサービスセンター
デイサービスセンターは、在宅生活を送っている利用者が日中通い、食事や入浴、レクリエーションなどのサービス提供を受ける場所です。
利用者の介護やレクリエーション実施、機能訓練のサポートなどを行います。
日帰りの施設なので、基本的に夜勤はありません。
訪問介護事業所
在宅生活をしている利用者の自宅を訪問して必要な介護サービスを提供するのが、訪問介護事業所です。
身体介護以外にも、食事の準備・掃除・洗濯などの家事援助や買い物、通院介助など、仕事の範囲は多岐にわたります。
組織の責任者や独立開業への道
管理者としてのキャリアアップを希望するなら、施設長やホーム長といった組織の責任者を目指す方法があります。主に施設や事業所の運営、収支経営、スタッフのマネジメントなどを担当し、大きなキャリアアップとなるでしょう。収入アップも期待できます。
ただし、施設長やホーム長は各施設に1名しか配置されないため、要件を満たしているからといって必ずしもポストがあるわけではありません。
新規オープンの施設がないかなど、積極的に情報収集することが大切です。
自分がやりたい介護を実現したいなら、訪問介護事業所などを立ち上げて独立開業する道もあります。開業にあたって相応の資金と人材が必要となるため、独立開業を目指すのであれば早い段階から準備を進めておきましょう。
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