「美容師になるには免許や資格が必要?」「免許は持っていないけれど美容室で働いてみたい」と思ったことはありませんか?
美容師として働くには、国家資格である美容師免許の取得が必須であり、資格がないとお客様の髪には触れられません。しかし、美容師免許がなくても、企業や美容室によってはアシスタントとして働けます。
この記事では美容師免許の取得条件や、免許がなくてもできる仕事などについて説明します。資格の取得方法も解説しているため、ぜひ最後までご覧ください。
美容師になるためには免許・資格が必要!
美容師として働くには、国家資格である美容師免許の取得が必要です。まずは、美容師免許の取得条件や試験の難易度について説明します。
美容師国家資格の取得条件について
美容師になるまでのおおまかな流れは下記の通りです。
- 美容学校へ入学し、一定期間学ぶ
- 美容学校を卒業する
- 美容師免許の筆記試験・実技試験に合格する
- 免許申請を行ない美容師名簿へ登録する
美容学校のほとんどは、入学条件として「高等学校卒業以上」と定めています。そのため中学校卒業者は、高等学校卒業程度認定試験に合格して入学条件を満たすか、「中学校卒業以上」を入学条件としている通信課程を選びましょう。
国家試験の受験も「美容学校の卒業者であること」が条件になるため、入学・卒業は必須です。
ちなみに"美容学校"とは、厚生労働大臣もしくは都道府県知事の認可を受けた養成施設を指します。認可を受けていない学校を卒業しても、美容師免許の試験を受験できないため注意してください。
認可を受けている美容学校は、公益社団法人日本理容美容教育センターのWebサイトから確認できます。
参考:厚生労働省 理容師・美容師免許の取得まで
日本理美容教育センター 養成施設一覧
美容師の免許取得は難しい?国家試験の難易度について
第42回美容師国家試験の合格率は61.7%で、第43回は85.6%。第44回は60.1%と、60~80%を推移している状況です。
筆記試験では「関係法規・精度」「保健(人体の構造および機能、皮膚科学)」「香粧品化学」など、専門性の高い内容が出題されます。実技試験の第1課題はカッティング。第2課題はオールウェーブセッティングかワインディングで、どちらになるかは事前に発表されます。
この2点から、国家試験の難易度は高めであるといえるため、十分な対策をして試験へ挑むことが大切です。
とはいえ、美容学校の昼間課程・夜間課程は最短でも2年、通信課程は3年の就学が必要です。就学期間中にしっかりと勉強していれば、美容師免許の資格は比較的取りやすいでしょう。
参考:公益社団法人日本理容美容教育センター|過去の試験実施状況
美容師になるための費用はどれくらい?通学制と通信制の学費の違いも解説
美容師の国家試験取得のための必須科目の見直しへ。検討内容を具体的に紹介!|業界ニュース
免許なしでも働ける美容師の職種はどんな仕事?
美容師として働く場合は美容師免許が必要ですが、実は職種によっては免許がなくても働けます。
アシスタントなら美容師免許がなくても就業可能
企業や美容室のなかには、アシスタントであれば「無資格OK」「未経験OK」と求人情報に記載しているところがあります。資格取得支援制度を設けているところもあり、その場合は学費を支援してもらいながら働けます。
アシスタントの主な仕事内容は、下記のとおりです。
- 受付
- 道具の準備
- タオルの洗濯
- 店内の掃除
学費の面で美容師になる夢を諦めていた方は、資格取得支援制度のある求人に応募してみてはいかがでしょうか。
ただし、「無資格OK」「未経験OK」と記載している企業や美容室は、美容師免許取得を前提としている場合もあります。応募の際は、よく求人を確認しましょう。
美容師免許がないとできないことは?
美容師免許がないとできないのは、お客様の髪に触れる施術全般です。カットやカラーはもちろん、シャンプーも免許が必要になります。
下記のように、美容師法のなかでは、美容師は以下のように定義されています。
美容師は「美容を業とする者」をいい、美容師法に基づき厚生労働大臣の免許を得なければならない。美容師の免許を持たないものは美容を業として行うことはできない。なお、業とは反復継続の意思をもって行うことで、有料・無料は問わない。
美容とは「パーマネントウェーブ、結髪、化粧等の方法により、容姿を美しくすること」とされており、染毛やまつ毛エクステンションも美容行為に含まれる。なお、美容師がカッティングを行うことは差し支えない。
また、美容師が美容を行う場合には器具やタオル等を清潔に保たねばならない。
引用:厚生労働省 美容師法の概要
「少しでも早く経験を積みたい」と思うかもしれませんが、美容師免許のない人がお客様の髪に触れるのは法律違反です。
美容師免許を取得する方法は3種類!最短2年かかる
美容師免許を取得するには、厚生労働大臣もしくは都道府県知事が指定した学校を卒業する必要があります。学校には、昼間課程・夜間課程・通信課程の3種類があります。
1. 昼間課程の厚生労働大臣指定校を2年で卒業し、国家試験に合格する
昼間課程では、朝から夕方の時間帯に授業を受けて、免許の取得を目指します。対面形式での指導が充実しているため、しっかりと時間をかけて学びたい方におすすめです。
夜間課程・通信課程に比べて生徒数が多いため、仲間との思い出を作ったり、助け合いながら勉強を進めたりできる点もメリットです。また、学校生活全体を楽しみながらスキルアップできることが大きな特徴です。
学習期間は2年間で、平均的な学費は200~300万円です。
2. 夜間課程の美容学校を2~3年で卒業し、国家試験に合格する
主に18~21時30分にかけて授業を行なう夜間課程は、昼間課程と同じような授業内容かつ対面形式での指導です。ただし、時間が短い分コマ数が少なく、要点をしぼった学習内容になります。
夜間課程のメリットは、昼間に仕事やアルバイトをしていても専門的な勉強ができる点です。朝から夕方の時間帯に勉強時間を確保できない方や、働きながら美容師免許を取得したい方に向いています。
学習期間は2年や2年6か月、3年など学校によってさまざまです。学校選びの際は、事前によく確認しましょう。
一般的に学費は、昼間課程より100万円ほど安くなります。
3. 通信課程の美容学校を3年で卒業し、国家試験に合格する
通信課程は自宅学習が中心で、定期的なレポート提出とスクーリングと呼ばれる授業への参加が必要です。学習期間は3年と他の課程より長めですが、毎日同じ時間に通学することが難しい場合も安心して学べます。
また、昼間課程・夜間課程より学費が大幅に安いことも特徴です。平均的な学費は50~80万円程度のため、経済面で美容学校への入学に踏み切れない方にとっては大きなメリットでしょう。
まとめ
美容師になりたい場合は、まず美容師免許を取得しなければなりません。美容師免許を取得するには、美容学校で2~3年ほど学んでから、国家試験に合格する必要があります。そのあと、免許申請をして美容師名簿への登録が完了すれば、晴れて美容師として働けるようになります。
学校には、昼間課程・夜間課程・通信課程の3種類があるため、自分のライフスタイルに合わせて選ぶことが大切です。
なお、免許がなくても、アシスタントとして働ける企業や美容室もあるため、美容室で働きながら資格の勉強をするのもおすすめ。実際の現場で得た経験は、免許取得後も役立つでしょう。
美容師の年収はどれぐらい?年齢、経験別の給与を紹介!美容師の年収や給料はどのくらい?手取り平均年収や初任給について解説!1,000万円はいける?
美容師の仕事内容とは?美容師のイメージやヘアに関わる仕事以外の業務も紹介!
美容師アシスタントの仕事内容とは?待遇、キャリアと併せて詳しく解説!
美容師のフリーランスとは?働き方やメリット・デメリットをまとめて解説
美容師のやりがいとは?一生の仕事にしたくなる魅力を解説
美容師は副業しても良い?掛け持ちにおすすめの仕事を解説!
美容師の志望動機の書き方と例文を紹介!面接の履歴書にはどのようなことを書けばいいの?
美容師で独立するならいつ?開業のタイミングや年齢、費用を知ろう
「美容師を辞めたい」と言えない時の対処法は?美容師を辞めたい理由やおすすめの転職先をご紹介