美容師は、カットやパーマ、カラーリング、メイクなどの美容技術を使って、ヘアスタイルやメイクアップをする仕事です。美容室によっては、ネイルや和服の着付けなど、ヘアファッションや化粧に近い分野の施術をおこなう場合もあります。
お客様のニーズに合わせてさまざまな作業をする美容師とはどのような仕事なのでしょうか。本記事では、美容師の仕事内容をご紹介します。
美容師は髪の毛を美しくするプロ
美容師の仕事内容のイメージは、どのようなものでしょうか。髪の毛を切ったり、洗ったり、ヘアファッション全般を美しくしたりするのが、美容師の基本的な仕事です。
ヘアメイクを通してお客様の容姿を美しくする仕事
美容師の仕事内容は多岐にわたり、お客様の要望によっていくつもの仕事があります。仕事内容として、髪の毛のカットや、シャンプー、カラーリングをするイメージが強いかもしれません。しかし、それ以外にもお客様のスタイルを魅力的にして、美しい容姿を引き出すことが美容師の大切な仕事です。
美容師は国家資格の一つです。美容師法第6条で「美容師でなければ、美容を業としてはならない」と定められているように、国家試験に合格して免許を取得しなければ美容師として働くことができません。高校卒業後、厚生労働大臣の指定する美容師養成施設を修了後、受験資格が得られます。
美容師養成施設の就業過程は、昼間および夜間課程は2年、通信課程で3年です。美容師になるために必要な知識や技術を学び、実習をおこないます。
美容師養成施設で国家試験の筆記試験や実技試験をパスできるだけの勉強および技術の習得をしなければなりません。衛生管理や美容保健など幅広い知識が問われる筆記試験に加えて、実技試験ではカッティングなどのスキルが審査されます。
美容師養成施設を修了して美容師国家試験に合格するまでに、身につけなければならない美容師のおもな基本技術は、次のとおりです。
【美容師のおもな基本技術】
- カッティング
- パーマ
- カラーリング
- シャンプー・ブロー
- セット
参考:厚生労働省「美容師法(昭和三十二年法律第百六十三号)」/「理容師及び美容師の養成制度の現状」
美容師の基本・カッティング
ここからは、美容師の基本的な技術ごとに紹介します。
カッティングとは、髪の毛をハサミでカットして、美しいヘアスタイルに整える技術です。カッティングは、単に伸びた髪を短くカットするだけではありません。お客様の要望や流行を取り入れながら、バリエーション豊かにヘアスタイルを整えたり、くせが目立ちづらくなるように工夫したりするなども大切です。
美容師の身につけるカッティングのスキルには、おもに次のようなものがあります。
【おもなカッティングスキル】
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- ①インレイヤー
- 内側の髪は短く、表面の髪に長さを残してカッティングします。頭の丸みに合わせたラインができるため、シャープな印象を引き出すことが可能です。
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- ②ウルフカット
- トップの髪を短くして、えり足は長めにカッティングするハイレイヤーの一つです。オオカミのようなワイルドさを出したいときによく使われます。バラエティー豊かなアレンジがしやすいことも、ウルフカットの特徴です。
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- ③グラデーションカット
- 髪の毛を細かく段差をつけて、なめらかな変化をつけるカッティングです。丸みのあるアウトラインになります。
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- ④シャギーカット
- 「髪をすく」ときに使われる技法です。スキバサミや、カミソリを使って毛先を丁寧に削いでいきます。髪のボリュームを軽くしたいとき、ヘアスタイルに動きを出したいときに使われます。
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- ⑤ブラインカット
- 美容師のカッティングの基本です。ヘアスタイルを整えるときによく使われます。髪の毛に対してハサミを垂直に入れて、直線的にカッティングするのがポイントです。
パーマ
ヘアスタイルに動きを出したいときに使われる美容師のスキルです。ウェーブを作るパーマのほかに、ストレートパーマのような髪のくせを矯正するものもあります。
【主なパーマの種類】
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- ①デジタルパーマ
- 熱の働きを利用して、強めのウェーブが作り出せるパーマです。パーマがかかりづらい毛質の人にも長持ちする効果が得られやすいメリットがあります。
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- ②エアウェーブ
- 低温で蒸しながら髪にウェーブを与える方法です。熱を使うデジタルパーマと違って、空気の力と水を利用しているため、髪へのダメージが抑えられます。ふんわりとしたやわらかい印象に仕上がります。
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- ③水パーマ
- 超微粒子のナノスチームを使った、髪に優しいパーマです。仕上がりはしっとり感が出て、髪に健康的な印象を与えます。
カラーリング
髪の毛を脱色しながら、カラーリング剤で染めていくタイプがよく使われています。このほか、髪の毛の色素を除去して明るくするタイプ、髪の毛全体を染めあげるタイプなどがあります。
【主なカラーリングの種類】
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- ①ヘアカラー
- 髪の毛を脱色しながら染める方法で、髪の色を明るくしたり、ブラウンやイエロー、レッドやブルーなど、自由自在にカラーリングできたりするタイプです。
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- ②ヘアマニキュア
- 髪の毛の表面にあるキューティクルに色素を浸透させて、髪を染めるタイプ。ブリーチの働きはないため、髪へのダメージは少ないものの、色落ちしやすいのがネックです。
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- ③ブリーチ
- 髪の毛にアルカリ性のブリーチ剤を塗って、メラニン色素を分解します。髪の色を明るくできるほか、ヘアカラーやヘアマニキュアで染めやすいメリットがあります。
シャンプー・ブロー
カッティングやカラーリングなどのあとに、髪の毛や汚れ、残ったカラーリング剤をシャンプーで洗い流します。ぬれた髪をドライヤーで乾かすことを、ブローといいます。ブラッシングのかけ方やドライヤーの使い方は、美容師の腕が問われる技術です。
セット
ショートやミディアム、ロングなど髪の毛の長さやヘアスタイルに合わせて、髪の毛全体を整えるスキルです。アップまたはダウン、サイドアップやツインテールなど、まとめ方も多岐にわたります。ワックスやスプレー、ジェルなどでセットしたスタイルをキープする場合が多い傾向です。
美容師によって髪の毛以外の仕事も
カッティングやパーマなどのヘアファッションを美しくする仕事のほかに、美容師によってはさまざまな仕事のニーズがあります。
メイク
お出かけやイベントに合わせて、メイクアップをする場合があります。ファッションに似合う化粧で、ヘアスタイルにマッチした美容を引き出すことも仕事の一つです。ドレスや着物の雰囲気に合わせたヘアスタイルとともに、メイクの提案もおこないます。洋服と和服では、ふさわしい化粧の仕上がりが異なるのがポイントです。
美容師が美容室でメイクをする場合、特に資格は必要ありません。そのため、メイクのスキルを磨いておくと、ヘアメイクと合わせてお客様に提案できます。
ネイル
ネイルケアやカラーリングで、爪や指先の美しさを引き出して、手元のおしゃれを演出します。カッティングやカラーリング、パーマとセットでネイルを受けられる美容室もあります。美容室で総合的な美容技術が受けられるトータルビューティサロンでは、ヘアメイクのほかにネイルサロンの役割を持つところも。
ジェルネイルやラメ入りなど、季節や流行に合わせたおしゃれなカラーやデザイン選びをお客様に提案して、要望に応えることが大切です。
着付け
成人式や卒業式、結婚式など、和服を着るイベントで着物を美しく着させる技術です。
振袖や袴などの自分で着付けるのが難しい着物をはじめ、訪問着なども美容室で着付けてもらう場合があります。ヘアスタイルをはじめ、メイクアップと併せてプロに着付けも任せれば、晴れの日を安心して迎えられるでしょう。
2009年10月の法令改正で、着付けの技能を対象にした国家検定がスタートしました。一般社団法人全日本着付け技能センターの着付け技能士です。学科試験と実技試験に合格すると、等級別に着付け技能士の称号が与えられます。
参考:全日本着付け技能センター「着付け技能検定とは」
まとめ
美容師は、髪の毛のカッティングやパーマ、カラーリングなどの基本的なものに加えて、メイクやネイル、着付けなど、お客様のニーズに合わせてさまざまなことを提供します。自分のなりたい美容師のイメージを描きながら、必要な知識や技術を磨いていきましょう。
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