美容師・理容師の見習いとなる美容師アシスタントは、施術の補助や雑務などを行ないながら、スタイリストになるために自らの技術を磨くことが必要です。
ここでは、美容師アシスタントがどのような仕事をしているのか、美容師アシスタントが大変といわれる理由、美容師アシスタントからスタイリストまでの道のりをわかりやすく紹介します。スタイリストを目指す人、美容師へのあこがれがある人は、ぜひ参考にしてください。
美容師アシスタントの仕事内容
美容師アシスタントの仕事は、「美容室運営のサポート」「各施術の補助・練習などの技術的なサポート」に分かれます。ここでは、美容師アシスタントが行なうたくさん仕事のなかから、以下の2つを取り上げて具体的な仕事内容を見ていきましょう。
- 運営サポート業務の一つとなる接客対応
- 技術的な業務となる道具の準備や施術補助
接客対応
美容師アシスタントの運営に関わる業務の一つが、接客対応です。レセプション専門のスタッフがいる美容室もありますが、大半の美容室は、美容師アシスタントが受付業務・接客業務を担当します。
お客さまの要望をしっかりと聞き取り、あまり待たせずにサービスに入れるよう予約を管理しなければなりません。カットやカラー、ブローなどの施術同様に、お客さまに満足してもらう対応が求められます。
必要な道具の準備、掃除や片付け
店内の環境を整え、施術に必要な諸道具の準備も、美容師アシスタントの仕事です。営業前に床を掃き、エントランス回りを整えたり、お客さまの姿を映し出す鏡をきれいに磨いたりします。
また、トイレなどの清掃や、ホットタオルを準備し、カラー剤やパーマ液、シャンプー、リンス、スタイリング剤の在庫のチェックおよび補充も必要です。
シャンプーやカラーの補助、サポート
美容室で行なわれるシャンプー試験に合格すると、美容師アシスタントもシャンプーができます。シャンプーは、美容師アシスタントが最初にお客さんの施術を任される仕事です。お客さまに満足してもらうには、十分な練習が必要となるため、美容師アシスタント同士で互いにシャンプーし合い、練習を積み重ねていきます。また、スタイリストがカラーやパーマの施術を行なう際は、美容師アシスタントは補助に入ります。
カラーの補助をするときは、美容室ごとに決められたカラーレシピをもとに、スタイリストから注文された薬液を作り、お客さまの要望に即した色を作ることが必要です。パーマの補助に入ると、スタイリストの指示に従って、ロットの本数やサイズを準備します。スタイリストが求めることを察して、臨機応変な対応が求められるため、細やかな気配りが必要です。
美容師アシスタントが大変といわれる理由
厚生労働省によると、美容室を含めた生活関連サービス業の離職率は他の業種に比べると高く、3年目までに5割以上の人が離職している傾向です。これはあくまで生活関連サービス業全体の数字ですが、美容室はもともと離職率が高いと言われているだけに、これと同程度かそれ以上の高い数値が予想できます。
「美容師アシスタントの仕事は大変」「苦労が多い」などといわれる傾向にありますが、実際にどのような点が問題なのでしょうか。ここでは、美容師アシスタントが大変といわれる理由を3つ紹介します。
参考:厚生労働省「新規短大等卒就職者の産業別離職状況」
拘束時間が長い
容師アシスタントの仕事は、朝早くから始まり、終電間際まで練習することもあります。拘束時間が長いだけでなく、休憩時間も短い場合は、肉体労働のようなものです。さらに、土日祝日は美容室のかきいれどきになるため、休みをとりにくいと感じがちです。
友人や恋人と休日が合わず、平日もほぼ顔を合わせられないとあって、仕事とプライベートのワークライフバランスがとりづらくなります。また、せっかくの休日も仕事用の洋服を買ったり、お化粧の勉強をしたりするため、仕事から離れられないと感じる人も少なくありません。
自分の時間をとりたいと考える人は、疲れてしまい苦しく感じることもあるでしょう。
休日に勉強会が行われることが多い
厚生労働省の「平成17年度生活衛生関係営業経営実態調査」によると、休業日を月曜日に設定している美容室は、全体の74.7%、次いで火曜日が35.7%でした。多くの美容室が同じ曜日に休業していますが、その曜日に講習会や勉強会を設定し、施術の技術・知識の向上を図ることがあります。
スタイリストだけでなく、美容アシスタントもこうした講習会・勉強会に出席しています。スタイリストになるためには、技術や知識を磨かねばなりません。しかし、日々の激務に疲れた身体を休めることができず、ストレスをためこみやすくなるのも事実です。自由に使える時間が少なく、休みの日にも仕事をしている状態が、離職を考えるきっかけとなりかねません。
参考:厚生労働省「平成17年度生活衛生関係営業経営実態調査
お客さんと触れあう時間が少ない
美容師アシスタントの仕事は、美容室の雑務や施術のサポートがメインです。お客さまの施術を最初から最後まで担当できません。施術のメインは、先輩スタイリストです。美容師アシスタントが、お客さまと触れ合える機会は、シャンプーのみということもあります。短時間だけの触れ合いで信頼関係を築いたり、話を弾ませたりすることは難しいです。
仕事上の喜びを感じにくいことも、美容師アシスタントを続ける難しさにつながります。モチベーションがなかなか上がらず、満足感を得られないかもしれません。内部試験に合格し、できる仕事が増えるまでの間、自分の目標を見据えながら、モチベーションをコントロールする必要があります。
スタイリストとしてデビューするまでの道のり
美容師アシスタントからスタイリストになる道のりは、簡単ではありません。美容室がそれぞれに定める内部試験(シャンプー・カラー・ブロー・カット)に合格する必要があります。なぜなら、これらの試験での合格が、お客さまに満足してもらえる技術・知識を持っているとの判断につながるからです。
スタイリストとしてデビューすれば、お客さまを最初から最後まで担当できます。しかし、ここに至るまでには数年におよぶ努力が必要です。ここでは、スタイリストデビューまでの年数やデビューに近づくまでのポイントをわかりやすく解説します。
デビューまでは2~3年
美容師の専門学校を卒業し、免許を取得しても、すぐに美容師として一人立ちできるわけではありません。お客さまの髪のカットやカラーは、スタイリストの仕事です。専門学校を卒業したばかりの人の多くは、美容師アシスタントとしてスタイリストを補助しますが、この期間は人によって異なります。
スタイリストになるためには、カットやカラー、パーマなどの施術技術が美容室の求めるレベルに到達し、お客さまを最初から最後まで担当できると判断してもらうことが必要です。そのためにも、先輩スタイリストの下につき、それぞれの技術を学びつつ、練習に励まなければいけません。
受け身の姿勢ではなく、自ら積極的に動けるかどうかも、アシスタント期間の長さを左右します。スタイリストとしてデビューするまでは、2~3程度です。ただし、2年でスタイリストになれる人もいれば、5年かかる人もいるなど個人差があるため、本人の努力次第で変わります。
スタイリストデビューに近づくためのポイント
アシスタント期間をできるだけ短くし、スタイリストとして早めにデビューしたいなら、技術力を磨いたり、コミュニケーション能力を高めたりと、日々の努力が欠かせません。先輩スタイリストの下につくからには、お客さまに満足してもらえる技術や、コミュニケーションの仕方を積極的に学びましょう。
また、美容室ごとに実施される昇格試験の合格が、スタイリストになる絶対条件です。朝早くから夜遅くまで働き、身体は疲れているかもしれません。しかし、営業後に美容師アシスタント同士で練習を重ねることが大切です。
美容師アシスタントとして学び、力を尽くしたことは、すべてスタイリストとして活躍する糧になります。長期的な努力をいとわず、体調管理に気をつけながら、自らの技術を高めていきましょう。
まとめ
ここでは、美容師アシスタントの仕事内容や美容師アシスタントを続けるのが難しいといわれる理由を紹介しました。美容師アシスタントの仕事は、多種多様です。さらに、朝早くから夜遅くまで働くため、身体に疲れがたまりやすくなるため、なかには、仕事を継続するか悩む人もいるかもしれません。
しかし、先輩スタイリストの技術を積極的に学び、日々の練習を積み重ねるよう意識すれば、比較的早くスタイリストとしてデビューする可能性を高めることができます。活躍している先輩スタイリストにも、美容師アシスタントとしての下積み時代がありました。
美容師アシスタントとして働く期間は、美容専門学校や教科書で学んだことを実地で身につけるための良い機会としてとらえ、自分なりのキャリアプランを実現させましょう。バイトルPROでは、美容師アシスタントを応援しています!
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