美容師で独立するならいつ？開業のタイミングや年齢、費用を知ろう

美容師として働きながら、「将来は独立したい」「自分の美容室をオープンしたい！」と、がんばっている人は多いのではないでしょうか。
独立して自分のお店を持ちたいと思ったときにはどのような流れで進めていけばいいのでしょうか。本記事では、独立開業のポイントと独立後の収入などをご紹介します。

独立開業は美容師の夢

美容師になったら、独立開業して思い通りのお店を経営してみたいと考える人もいるかもしれません。独立後、店舗をオープンしたり、フリーランスで働いたりする美容師を目指す場合、独立開業までにどのようなことを知っておく必要があるのでしょうか。

美容師は独立開業できる資格職

美容師は、独立開業して「一国一城の主」になれる職業です。就職先のオーナーや、学校の先輩が自分たちのお店を切り盛りしているようすを見て、独立開業にあこがれるのはごく自然なことでしょう。美容師が独立開業を考えるタイミングは、以下のように人によってさまざまです。

ほかにも、勤務先の美容室の設定する売上目標を達成して独立が見えてくるケースなどもあるでしょう。また、美容室の運営方針や職場の人間関係が合わなくなったり、結婚や出産、育児などライフステージに変化があったりしたとき、急に独立をしたくなる場合もあります。
独立開業で美容室をオープンしたり、フリーランス美容師になったりするなど、美容師として独立する方法はいくつかあります。独立を目指す美容師の一人ひとりが、それぞれ理想の働き方を実現しようと歩んでいることでしょう。

国家資格となる美容師は一生の仕事にできる専門職です。独立開業したい理由は、人それぞれですが、独立開業する年齢や前職までの経験やスキル、自己資金を含めた事業計画をきちんと明確にしなければ、独立開業を果たしても失敗するリスクが高くなってしまいます。

独立におすすめの年齢とは？

美容師として、美容室の開業やフリーランスに転身するなら、何歳ぐらいがベストなのでしょうか。人によって、美容師の腕や経験、営業能力をはじめ人生設計やプライベートの事情、独立開業のための準備の差が大きいため、具体的に何歳と言い切ることはできません。

自分の年齢より、「勤務先の美容室を辞めても、一人の美容師として生きていけるか」という基準で考えてみましょう。もしかすると、独立開業のチャンスは明日訪れるかもしれません。美容師になってから、独立開業を意識して働いている人なら、いつでも独立開業できる準備を続けてタイミングを逃さない意識が大切です。

独立までに勤務先で経験しておきたいこと

具体的に、独立開業までにしておきたい準備を考えていきましょう。

• 事業計画を立てる
  • 独立開業のイメージを、文字や数字に落とし込むようにしましょう。独立開業に必要な資金や物件、目標とする売上や収益など、少しずつ固めていきます。最初は、あいまいなイメージかもしれませんが、自分で独立開業を意識して行動し、具体的な事業計画を練り上げることが大切です。
• 勤務年数や勤務先のポジションを意識する
  • 独立開業で必要な開業資金を金融機関から借り入れる場合、審査で職務経歴のチェックがあります。勤務先の美容室の規模や売上、ブランド力をはじめ、本人の勤続年数やポジションも大切です。どのくらい美容師としてのキャリアがあるかは、融資の審査に大きく影響します。
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    例えば、「有名店でトップスタイリストをしていた」「チェーン店で複数店舗を統括していた」「店長として活躍していた」などの実績は欠かせません。独立開業までに勤続年数を重ね、美容室でのポジションをアップできれば、美容室を開業したときにも役立つでしょう。
• 勤務先の経営を学ぶ
  • アシスタントからスタイリストへポジションアップするにつれて、オーナーの下で経営のいろはを学んだり、運営のサポートを任されたりする場面も生まれます。実績を積むと、店長や店長代理の立場を与えられて、アシスタントやスタイリストのときに見えてこなかった経営の大変さやコツを学ぶチャンスも増えてくるはずです。
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    勤務先の美容室は、身近な美容室経営のお手本となります。常にオーナーの動きや経営の流れを観察しておきましょう。

独立開業後の収入イメージ

美容師として独立開業するには、開業費用や売上、収益を意識した準備が必要です。美容室の開業費用や独立開業したときの収入を見ていきましょう。

美容室の開業費用

美容室の開業費用は、お店の規模や設備、工事などによって異なるため一概にはいえません。一般的には、1,000万〜1,200万円程度必要といわれています。おもな開業費用の内訳は、次のとおりです。

▼設備資金
美容室の賃貸契約や、工事にかかる資金です。

• テナント費
  • 美容室の物件のため、不動産契約で必要な費用です。敷金・礼金や、不動産会社への仲介手数料、保証会社への保証料などがかかります。家賃の数ヵ月分の費用が必要です。
• 内装工事費
  • フロアや壁紙、電気、ガス、水道などの美容室内の設備を整備する費用です。内装工事費の目安は、坪単価40万円前後といわれています。費用を抑えるため、居抜き物件を探す場合もあります。
• 美容器具・各種設備代
  • イスやシャンプー台、パーマ用具などの美容器具のほか、洗濯機や冷蔵庫、音響設備などの費用も必要です。

▼運転資金
美容室を運営するための日常的に発生する資金です。

• 保険代
  • テナントのための火災保険や、サロンのための店舗賠償責任保険などがあります。
• 営業・販促ツール代
  • サロンのロゴ作成、ショップカードやチラシ、ホームページ開設や予約システムの利用料など、お客様の新規開拓やリピーター作りにかかる費用です。
• 備品・材料代
  • ハサミや、ドライヤーなどの美容関連備品のほか、パーマ液やカラーリング剤、シャンプー・トリートメントなど、施術に必要な備品や消耗品の用意が必要です。
• 現金
  • おつりの用意から日々の細かな支払い、経営が軌道に乗るまで売上をカバーできる手元資金も必要です。目安として、固定費の3〜6ヵ月分を用意しておくと安心です。

独立開業した美容師の年収相場

厚生労働省が発表した「令和2年賃金構造基本統計調査」によると、理容師と美容師を合わせた平均年収は、約330万円（10人以上の企業の場合）でした。

参考：「賃金構造基本統計調査 / 令和２年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種」

▼全国の理・美容師の平均年収

美容室経営にかかるコスト

美容室のオーナーの収入は、売上の20％程度といわれています。一般的にオーナー以外に従業員を1名以上雇用して美容室を経営する場合は、次のようなコストがかかります。

そのため、売上からコストの80％を引いた約20％がオーナーの収入になります。例えば、1ヵ月の売上が100万円の場合、独立開業した美容師の月収は20万円。年収に換算すると240万円です。オーナーの年収が美容師の平均年収約330万円を超えるには、最低でもおよそ140万円以上の月間売上を目指す必要があります。

一方で一人で美容室を経営する場合、従業員は不要になるため、人件費を加えた約55％がオーナーの収入です。仮に、1ヵ月に100万円の売上があるなら、月収55万円の収入を手にできます。

ちなみに、美容室の経営で人件費率は50％以下が理想的といわれています。一般的には30〜40％程度とされていますが、従業員を雇用するかどうかでオーナーの手にする収入も大きく差が出るといえるでしょう。

まとめ

美容師として独立開業するには、勤務先の美容室で働きながら、「経験やスキルを身につける」「経営について学ぶ」「開業費用を蓄える」などが必要です。独立に適した年齢はありませんが、いつでも独立開業できるように準備しておきましょう。

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