終日、立ち仕事をする美容師は、体力的にもつらい仕事です。しかし、接客業のため、疲れていても笑顔でいなければいけません。収入面でも、ほかの職種と比較すると決して高いわけではありません。では、美容師のやりがいは、どこにあるのでしょうか。今回は、美容師のやりがいについて解説します。
美容師は大変だけど魅力的な職業
「子どもの頃から美容師に憧れていた」という人もいるのではないでしょうか。華麗にハサミを操る姿は、とても魅力的です。まずは、職業としての美容師を解説します。
美容師は悩みや希望と向き合う接客業
美容師は、ヘアスタイルやメイクを通じて、お客さまの悩みやニーズと向き合う仕事です。鏡越しに対話することも多く、近距離でお客さまの魅力をより引き出せる方法を考えていきます。
人は、自分の外見が美しくなれば、心も上向きになる傾向があります。美容室帰りに、ショーウインドウに映った自分を見て、うれしくなった経験がある人もいるのでないでしょうか。
ヘアスタイルを変えることで、気持ちを切り替えたり、わくわくした気分になったりすることもあるかもしれません。美容師は、単に髪への施術をするだけではなく、人の心へもアプローチする接客業です。
美容師は精神力と体力勝負
美容師の一日は、ほぼ立ちっぱなしです。忙しいときには、食事や休憩の時間も取れず、帰宅が遅くなることもあるでしょう。また、疲れていてもお客さまを迎えるときには、笑顔でいなければなりません。
例えば、スタイリストの昇格試験に合格できず、失望しても落胆した表情を顔に出したまま仕事してはプロ失格です。美容師は、精神力と体力が勝負の仕事といえます。
美容師が感じているやりがい
美容師は楽しいことだけでなく、つらいこともある仕事ですが、どのようなやりがいが感じられるのでしょうか。
自分の手から喜びを作り出せる
先述したように、美容師は自分の手でお客さまの姿をより魅力的に変化させることができます。髪型や髪質で悩んでいるお客さまに解決方法をアドバイスすることも、プロの美容師だからこそできる仕事です。これまでとは違うイメージに変えたり、新しい魅力を引き出したりできるのも美容師だけ。
お客さまの笑顔やお礼の言葉が、何よりも美容師のやりがいとなり、自分の手で喜びを作り出せることに誇りを感じられるでしょう。
さまざまな人との出会い
美容室を訪れるお客さまは、年齢、性別、職業、生き方や考え方など実にさまざまです。同じ場所にいながら、毎日違うお客さまと話をし、それぞれの要望に合わせた髪型に仕上げます。かけがえのない毎日の経験から学ぶことは、少なくありません。
時には、お客さまから気付きを与えられることもあります。人と接することが好きな人にとっては、美容師は多様な人との出会いという楽しみがある仕事です。
さらに、七五三や成人式など、お客さまの人生の節目に立ち会えることも、美容師という職業に豊かな彩りを添えるといえるでしょう。
技術面・人間としての成長
勤務しはじめたばかりの頃は、アシスタントとしてスタイリストの指示に従うことで精一杯な人もいるでしょう。毎日忙しく働くうちに、カットやカラー、シャンプー、パーマなどの技術を習得していくなかで、技術面だけでなく人間としても成長していきます。
やがて、スタイリストとなり、担当するお客さまも増えていったり、責任のあるポジションについたりするかもしれません。美容師は、ステップアップがわかりやすい仕事です。
技術面だけでなく、人間としても成長する自分を追うことで、仕事への強いやりがいを感じることができます。
常にトレンドを追える
美容師になる人は、ほとんどの場合ファッションやヘアスタイルに強い興味があるのではないでしょうか。美容師は、常にトレンドを意識し、仕事に活かせることも魅力の一つです。美容の世界では、次々に流行が変化し、新しい技術も生まれます。最先端の美容情報に触れることができ、ヘアスタイルやカラーなど、ファッションの移り変わりを間近で見られることは、美容師の仕事ならではです。
トレンドへの敏感さを失わずに、新鮮な気持ちでいられることも、やりがいの一つに挙げられます。
個性を出せる
美容師の多くは、ファッションへのこだわりがあり、美的なセンスにこだわりや自信をもっている傾向にあります。カットやパーマによる造形の技術で個性を出していけば、美容師として差別化をはかることもできます。カリスマ美容師のなかにも、高いカット技術を売りにする人もいれば、絶妙なカラーリングを得意とする人もいます。
自分の個性を活かし、それを形にできる仕事はそれほど多くありません。美容師は、個性を磨いて武器にできる仕事です。
技術の向上に終わりがない
美容師の技術に、ゴールはありません。いくら技術を高めても、次々に新しい技術が開発されていくため、完成に到達するのは不可能です。それだけに、年齢を重ねても成長できる余地があります。向上心を持つ美容師であれば、一生かけても終わらない技術の習得を楽しめるでしょう。終わりがない技術力向上の道で、さらなる高みを目指すのも、やりがいです。
美容師がやりがいを感じ続けるためには?
美容師がいつまでも仕事にやりがいを感じ続けるためには、どのような考え方をしていけばよいのでしょうか。
相手の心理を読み解く
美容師は、お客さまだけではなく、たくさんの仲間たちにも囲まれています。良好な人間関係は、仕事へのやりがいを保つポイントの一つです。
お互いに切磋琢磨し、協力し合ってお客さまから選ばれる店を目指すことで、自分が働く場所がより輝いて見えるでしょう。そのためにも、常にお客さまや仲間たちへの気配を忘れず、相手の立場になって考える習慣をつけることが大切です。
相手の心を冷静に読み解けるようになれば、自分の気持ちの安定にもつながります。人間として、また美容師として豊かな精神力を蓄えることが、仕事へのやりがいを一層高めます。
初心に戻る
仕事にやりがいを失いがちなのは、美容師になれた喜びを忘れてしまうことが要因の1つです。施術に慣れてしまうと、新鮮味が薄れ、ルーティンワークのような働き方しかできなくなります。しかし、美容師の仕事は、お客さまが違えば、求めていることも異なってくるため、毎日まったく同じ仕事ということはありえません。
常に初心に戻る気持ちを大切にし、個々の作業に新しい発見や工夫を求めるようにすれば、やりがいを保ち続けることができます。仕事への熱意を自分のなかでかきたて、やりがいを見出し続けることが大切です。
おしゃれを楽しむ
美容師ほど、最新のトレンドやファッションに近い仕事はありません。その環境を精一杯楽しむことで、仕事へのやりがいも持続できます。自分のおしゃれだけではなく、お客さまや同僚など周囲の人からの刺激、流行に関する情報の収集など、アンテナを高くしてセンスを養っていきましょう。美容師は、どのようなファッションをしても、自分の個性として認めてもらえる環境にあります。
おしゃれをすることは、美容師の仕事の一部です。おしゃれについて考え続けるのも、仕事へのやりがいにつながります。
目標を持つ
キャリアのステップアップを目指すことも、やりがいを持ち続けられるポイントの一つです。美容師人生の大きな目標と、技術習得や接客スキルの向上など、短期的な目標を組み合わせて取り組んでいきます。最終的に開業したり、出張美容師として人の役に立ちながら働いたりするなどの夢があれば、やりがいは自然と湧いてくるでしょう。
大きな目標をかなえるため、今しなければならないことを小さな目標として設定していくことで、毎日の仕事のモチベーションが得られます。
まとめ
美容師は、心身ともに大変な仕事ですが、技術の習得や人間としての成長など、大きなやりがいもたくさんあります。やりがいをどの部分に感じられるかは個人によって異なりますが、自分のなりたい姿を描くことで毎日の業務を楽しむことが可能です。美容師としてモチベーションを維持しながら働き続けるためにも、自分なりのやりがいを見つけていきましょう。
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