「まつ毛エクステンション」と「まつ毛パーマ」は、目もとのおしゃれとして注目されています。美容室に併設されていたり、独立して店舗を構えたりするまつ毛エクステ専用サロンの増加にともない、アイリストの活躍する場が広がっています。本記事では、アイリストになりたい人やアイリストに興味がある人が知りたい、アイリストに必要な資格とアイリストになることのメリットを解説します。
アイリストになるのに必要な資格は?
「まつ毛パーマ」の誕生は1980年代、「まつ毛エクステンション」が誕生したのは1990年代とされています。日本では2000年代から注目されるようになりました。マスク着用が常態化するなか、目もとのおしゃれの「まつ毛エクステンション」と「まつ毛パーマ」は、利用率が上昇傾向です。
必然的にアイリストやアイデザイナー、アイティストと呼ばれる「まつげエクステンションの技術者」の需要も高まっています。
国家資格美容師免許が必須
アイリストは、だれでもなれるわけではありません。まつ毛エクステンションの流行にともない、その安全性を確保するために、アイリストとして働くには国家資格の「美容師免許」が必要と厚生労働省が定めています。そのため、「美容師免許を持っていないけれどアイリストになりたい」という人は、美容師専門学校に通わなければなりません。
一般的に通う期間は、通学制美容師専門学校の場合2年間、通信制で学ぶ場合は3年間です。美容専門学校では、国家試験対策に向けて衛生管理などの学科やカットやパーマなどの技術を学びます。学校のなかには、まつ毛エクステンションを専門的に学べる別コースを設けているところや、実習時間のなかにまつ毛エクステンションを含んでいる学校もあり、最終的にアイリストになりたい人におすすめです。
まつ毛エクステンションは美容
なぜ、アイリストは美容師免許を持っていなければいけないのでしょうか。国が決めた美容の定義は「首から上の容姿をきれいにすること」となっています。つまり、まつ毛は首から上で、まつ毛エクステンションは美容に位置付けられていることから「美容師免許」を持っていないと施術ができません。
まつ毛は、体のなかのデリケートな部分のため、国では何らかの試験や資格の検討がされています。しかし、2022年1月現在、アイリストとしての国家資格はありません。しかし、日本に複数あるまつ毛エクステンションの協会が独自で行なう、アイリスト技能検定試験があり民間資格の取得はできます。
まつ毛エクステンション(マツエク)の免許については以下の記事にてまとめて解説しています。あわせて参考にしてください。
マツエクをするのに免許は必要?免許なしで施術できない理由や美容師免許の取得方法も解説!
通信でアイリストを目指すメリット
メニューに「まつ毛エクステンション」や「まつ毛パーマ」などを表示している美容室が増えています。すでに、美容師免許を持っている人がアイリストになるための技術を身につければ、働ける場が増える点はメリットです。
美容室だけではなく、まつ毛パーマやまつ毛エクステンション専門店が増えているため、活躍の場が広がると考えられます。また、アイリストのスキルが加わったことで収入アップが期待できるため、アイリストを目指す価値はあるでしょう。
アイリストの専門知識を学ぶためには、スクールを受講するのがおすすめです。通信講座は、通学よりも費用が抑えられます。そのため、すでに美容師の仕事に就いている人は、仕事が終わってから通学するよりも通信講座で学ぶほうがメリットは大きいでしょう。
また、通信教育で美容師免許取得とアイリストの技術が習得できるコースを持つ学校もあります。まだ、美容師免許がなくアイリストを目指している人は検討してみてはいかがでしょうか。
アイリストの通信講座で学べる内容
「美容師免許を持っていればアイリストになれる」とされていますが、美容師とアイリストでは仕事内容が大きく異なります。習得しなければならない技術も、まったく別ものです。そのため、美容師免許を持っていても、「まつ毛エクステンション」や「まつ毛パーマ」などの技術は一からマスターする必要があります。
また、デリケートな目もとを扱うため試薬に関する知識も必要なほか、美しく仕上げるデザイン力など、学ぶことが盛りだくさんです。マスターすることが多くても、通信講座であれば時間の融通が利くため、好きなときに自分のペースで勉強ができます。
■学ぶ内容の一例
まつ毛エクステンションとは まつ毛の役割・構造 使用する道具のこと 施術前の準備 衛生管理 グルーの知識 グルーの保管方法や注意事項 持続のこと ツィザーの使用方法 フェイスプロモーション 黄金構成 眼の構造・病気のこと デザインポイント基本型 ポイントメイクの落とし方 ツィザーの使用方法 かき分け練習 エクステンションにグルーを付ける練習 |
エクステンションの装着 装着の練習・手順 マネキンを使った装着練習 保護テープの装着手順 上瞼の固定 下まつ毛の固定 外れやすい装着状態 v デザイン別の演出効果・配置・太さ・長さ・カール デザインの種類 下まつ毛への施術 リムーブ方法 アフターケアのこと 注意事項 カウンセリング お客様からのトラブルのこと 同意書のこと カルテのこと |
通信講座で取得できるアイリストのライセンス
通信講座は、受講料が抑えられることがメリットですが、できればライセンスが取得できるところがおすすめです。アイリストのライセンスがあれば、将来独立したときにお客様からの信頼も得られやすいため、集客の面から見ても有利となります。
合格した証「ディプロマ(合格証書)」をサロン内に飾れば、お客様の安心感にもつながるでしょう。まつげエクステンション技術者のスキルレベルを証明するものとして、国家資格はありませんがいくつかの民間の資格があります。
アイリストの検定試験を行なっている団体によって、資格の名称が異なるため、確認しておきましょう。
JEAアイリスト技能検定試験
「JEAアイリスト技能検定」は、一般社団法人日本アイリスト協会(JEA)が実施している検定試験です。合格すると、証明書が発行され、JEA2級とJEA1級にはライセンスバッジも贈られます。ライセンスバッジをユニフォームにつけることで、まつ毛エクステンションのプロを証明することが可能です。
- JEA3級ベーシックライセンス/筆記試験
- JEA2級スタンダードライセンス/筆記試験・実技試験
- JEA1級プロフェッショナルライセンス/筆記試験・実技試験
一般社団法人日本アイリスト協会では、3つのライセンスのほかに、まつ毛エクステサロン衛生管理士の資格が取れる講習も実施されています。資格を保持するためには、1年に1度の講習を受け、毎年の更新が必須となっています。また、まつ毛エクステンションサロンの安全基準が安定する取り組みも行なわれています。
参考:一般社団法人日本アイリスト協会(JEA)技能検定試験概要
まつ毛エクステンション技能検定試験
一般社団法人日本まつげエクステンション認定機構(JECA)が、実施しているのが「まつ毛エクステンション技能検定試験」です。JECAの前進は、一般社団法人日本まつげエクステンション協会で、2016年に名称が変更となっています。アイリストの検定として知名度が高く、取得できる資格は以下の5つです。
- 安全技術師/筆記試験・実技試験
- まつ毛エクステンション3級/筆記試験・実技試験
- まつ毛エクステンション2級/筆記試験・実技試験
- まつ毛エクステンション1級/筆記試験・実技試験
- 認定講師/面接・小論文
認定講師を除いた全級の合格点は、実技試験、筆記試験ともに80点以上です。技術と知識ともに高いレベルが要求され、実技試験は美容師国家試験と同様事前準備から審査されています。認定講師は、実技試験や筆記試験はなく、理事長と理事の面接および小論文です。その合否は理事会にて判定が行なわれます。
参考:一般社団法人日本まつげエクステンション認定機構(JECA)
プロアイリスト検定試験
「プロアイリスト検定試験」は、2009年7月1日に創立された一般社団法人NEA日本まつげエクステ協会が実施しています。4つの級位があるプロ 検定試験です。合格すると、認定証とピンバッジが贈られます。また、プロアイリストの呼称は、登録商標されていて、プロアイリスト検定試験に合格された人だけがプロアイリストの名称を使用できます。
まつげエクステンション技能の「高度」で「安定」を目的とするプロアイリスト検定は、日本で唯一の「内閣総理大臣認証法人 職業技能評価機構認定」の検定試験です。技術・知識ともに専門性が高く難関ですが、検定信用度が高い資格となっています。
まとめ
近年目元のおしゃれ志向は高まっていて、アイリストのニーズは増えています。アイリストになるメリットは大きいでしょう。
まつ毛エクステンションは、繊細な技術が必要となります。お客様に安全に美しさを提供するためにも、通信講座で正しい知識や技術を学びましょう。安心・安全な技能を持っていることを証明するプロライセンスを取得して、美容師としての新しい道に進んでみてはいかがでしょうか。
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