さまざまな年代の女性が受診する産婦人科。生命の誕生に立ち会える場でもありますが、センシティブな問題や悩みを抱えている方も来院します。
産婦人科の内部の様子は、その特性から知る機会が少ないのが現状です。この記事では、産婦人科で働く看護師あるあるを、あまり語られることのない実情も交えながらご紹介します。
産婦人科の看護師あるある
産婦人科は女性を看護する場であることから、女性看護師の比率が圧倒的に高いことが特徴です。
実は仕事の大半は検査の介助や採血などであり、直接お産と関わる機会は多くありません。ここでは産婦人科看護師のあるあるを6つご紹介します。
こっそりと赤ちゃんの性別を予想している
産婦人科にはたくさんの妊婦が来院しますよね。看護師は診察の介助に入るため、超音波検査実施時も近くで待機しています。
胎児の性別は大体5〜6か月ごろ判明するため、ちょうどその頃の妊婦検診の際は、無意識に性別を予想してしまうことも。妊婦さんの人柄やお腹の出方から性別を言い当てるベテラン看護師もいます!
お産に当たりやすい看護師がいる
病棟に、なぜか急変や緊急入院の担当になりやすい看護師さんはいませんか?
産婦人科も同様に、お産時に限ってシフトが多めになりやすい看護師が存在します。そのような看護師が勤務している夜勤は毎回ドキドキしてしまいますね。
独身でも子持ちと間違えられる
母親教室での講義や指導も産婦人科看護師の業務のひとつです。仕事で何度も説明しているため、知人が妊娠した際にも注意点や今後の経過を完璧に伝えることができます。
産婦人科と小児科が併設している施設もあり、妊娠から子育てまで網羅している看護師もいます。そのため結婚していないにも関わらず、その知識量から経産婦や子育て中と勘違いされることも多いです。
看護技術を忘れてしまう
点滴や処置などが全くないわけではないものの、若い女性患者が多い産婦人科では、排泄ケアや移乗動作も軽介助となります。加えて、寝たきりの高齢者もほとんどいないため、経管栄養や吸引技術、清潔ケアなど、基本的な看護技術を日常的に提供することが少ないです。
産婦人科病棟では、患者さんの羞恥心が強いため、看護技術の提供というよりは精神面での細やかな配慮が求められます。
赤ちゃんに癒される
働く中で、ときにはナーバスな患者さんの看護に入らなければならないこともありますよね。
そんな時、ストレスが溜まったら新生児室に入って赤ちゃんを眺める看護師が多いです。新生児のにおいで癒されるという意見も!
友達に質問されることが多い
産婦人科で働いていると、「不妊治療や分娩について、経験談や事例を聞きたい」と妊婦や新婚の友人から声をかけられることが増えます。
質問ばかりになる時も多く、プライベートの時間でも普段の業務で患者さんを相手にしているような気分になることもあります。
産婦人科看護師の仕事あるある7選
診療の介助や新生児の世話など、産婦人科看護師の業務は多岐にわたります。ここでは、産婦人科の仕事にフォーカスしたあるあるを7つご紹介します。
赤ちゃんの扱いはお手の物!
新生児のケアに入ることが多い看護師。1日に何人もの新生児を沐浴するため、丁寧かつ早い沐浴技術が身に付きます。
赤ちゃんを泣き止ませるプロでもあり、おひなまきも素早く行えます。
意外とトイレ介助が多い
妊娠中の入院は、安静が必要です。そのため安静度によっては、トイレへ行く際も介助が必要になります。特に歩行や立位は制限されることが多いため、ゆっくり動いてトイレへ行くよう指導しなければなりません。
トイレ介助は移送から部屋へ帰るまでなので、待つ時間が長くなってしまい、業務が忙しい看護師にとってはもどかしい部分も。妊娠中はトイレが近くなる方も多く、トイレ介助は産婦人科では多いケアのひとつです。
分娩前後や授乳時間はバタバタする
分娩前は物品の準備や検査などやることが多く、分娩後は観察を密にしていく必要があります。どちらも忙しく、特に夜間や配膳時などはバタつきます。
また授乳時も指導や体重測定があるため、忙しくなることが多いです。
判断力と決断力が求められる
何事もなく出産を迎えられると思っていた妊婦さんでも、予測できない事態に陥ることもありますよね。特に、妊娠中に入院が必要となってしまった方は不安が強いものです。
そのため、小さな変化でも看護師へ相談されることが多いです。患者の状況を総合的に判断し、その症状や訴えは緊急度が高いかどうかを見極めなければなりません。
デリケートな話題も質問しなければならない
妊娠中はホルモンバランスの変化から、少しのことで気分が落ち込み、イライラが止まらないこともあります。
そんな患者さんに対して、看護師は入院時に問診したり、日々の変化について質問したりしなければならないため、コミュニケーションには細心の注意を払う必要があります。
夜間の外線におびえる
夜間の外線は妊婦さんからが多く、陣痛の知らせだった場合はこれから分娩が始まる可能性が高いです。分娩となれば一気にバタつくのはわかりきっているため、電話が鳴ると「もしかして!!」と身構えてしまいます。
夕診時に、前駆陣痛や弱めの陣痛で来院したものの、帰宅した患者がいた場合の夜勤でも緊張度が上がります。
赤ちゃんの泣き声で大合唱が起こる
赤ちゃんは数時間毎に覚醒して泣きますが、1人が目を覚ますと他の赤ちゃんも泣いてしまい、大合唱が巻き起こることも。
なぜか人数が少ない夜間に起こることが多いのです...。
産婦人科の患者あるある4選
産婦人科に入院する理由はさまざまですが、女性器はとてもデリケートな部位であり、患者への対応も一層気を付ける必要があります。ここでは、産婦人科の患者あるあるを4つご紹介します。
ホルモンバランスの影響で感情の起伏が激しい患者も
産婦人科に入院する患者は、妊娠中のトラブルによる入院が多く、自分を責めてしまう方や今後の不安を強く感じる方もいます。
そういった患者には、精神的なケアだけでなく、ケアの根拠や今後の経過を細かく説明していく必要があります。
入院患者と意気投合することもある
妊娠中に入院する患者は、看護師と同年代であることが多いです。そのため、話をしているうちに意気投合することもあります。
働いている看護師に多いのは20代〜30代で、子育ての話題や趣味などの話が多いようです。患者と好きなタレントが同じで、その話題を楽しそうに話している同僚もいました。
妊娠中~産褥期はトラブルが多い
妊娠中はマイナートラブルに見舞われることも多々あります。特にかゆみや痛み、睡眠不足などの症状は辛いため、早く対処してほしいと願っている患者が多く、看護師も対応に追われます。
また、産後も会陰の痛みや出血、便秘、免疫力低下からくるカンジダ膣炎などトラブルがつきものです。
お産時にはお父さんの看護も必要
近年は立ち合い出産が定着しつつあります。しかし出産は壮絶な戦いの場です。
「母は強し」ともいいますが、必死で出産している奥さんを見ているうちに気分が悪くなり、倒れてしまうお父さんも少なくありません。分娩中はお父さんの様子も気にしながら、声かけを行っていく必要があります。
産婦人科医あるある3選
産婦人科医は、他科の医師に比べると病棟内を回る機会も少ないため、一般病棟の看護師は産婦人科医を知る機会が少ないですよね。
実は、看護師と同じように医師にも産婦人科あるあるがあります。ここでは産婦人科医師のあるあるを3つご紹介します。
赤ちゃんが好き
産婦人科はリスクが大きく、分娩時間が読みにくい大変な診療科です。
しかし、産婦人科医には純粋に赤ちゃんが好きな方も多いです。分娩を通して家族に関わることができるところに魅力を感じたという方もいます。
基本は穏やかだが、ときに厳しいことも!?
産婦人科を受診する女性は、悩みが深い場合も多く、慎重に診察を行う必要があります。そのため産婦人科医は穏やかで優しい先生が多い傾向にあります。
しかし、良いとは言えない食事状況や体重の著しい増加など、妊婦自身や胎児に影響がある場合は、リスクを厳しめに伝えることもあります。特に妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群になると、最悪の場合死亡するなど出産時のリスクが高く、「このままだと安全な出産を保証できないよ」と話す先生もいます。
男性医師の服やネクタイのセンスが独特
産婦人科の男性医師には、衣服やネクタイが派手で、センスが独特な先生が多数います。
理由は分からないのですが、思わず笑ってしまうような面白いネクタイを毎回つけている先生も。妊婦を和ませるための技なのでしょうか!
まとめ
産婦人科あるあるを紹介しました。どの診療科にも存在するあるあるですが、産婦人科の場合は、コミュニケーション能力や赤ちゃん対応の技術が必要そうですね。
また、技術や知識だけでなく、寄り添いや傾聴など人間力も重要となります。その分やりがいもあり、人としても、看護師としても成長できるでしょう。
バイトルPROでは、産婦人科の求人も豊富に取り扱っています。転職を検討中の方はぜひ登録してみてくださいね。
ライター 近藤涼子
総合病院から転職し、内科系クリニックに勤務。看護師として働きながらメディカルライターとしても活動。難病、神経内科、地域包括ケアなど数々の診療科での経験を持つ。
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