美容室の就職活動や転職活動の採用試験で、面接は大きなウエイトを占めます。書類選考に合格して面接試験へと進んでも、緊張でうまく話せなかったり、思うように結果を残せなかったりする方も多いのではないでしょうか。
採用面接では、初対面でいきなり自己PRや、これまでのキャリアおよび美容室としての将来像を伝える必要があるため、緊張しない人を探すほうが難しいかもしれません。ただ、少しでも採用面接で緊張感をやわらげるためには、前もって美容師の面接でよく聞かれるパターンを学ぶことが大切です。
美容師の就職や転職の採用面接のイメージを押さえて、事前に想定される質問に対する回答を考えておけば、本番の緊張や不安を減らすことが期待できるでしょう。本記事では、美容師の採用面接でよく聞かれる質問や、美容師の就職・転職だからこそ聞かれる質問をまとめてご紹介します。
美容師の面接対策のポイント
美容師の採用試験を行なう多くの美容室は、採用面接を実施します。そのため、美容師になりたい場合は、面接なしで採用されるケースは少ないでしょう。一般的には、書類選考にパスしたあとは、採用面接です。面接の対策をしないまま本番を迎えても、緊張や不安でうまく対応できずに終わってしまう可能性があります。
そのため、一般的な採用面接や書類選考で大切な基本的なポイントのチェックが大切です。
面接時に好印象を与えるマナーをチェック
初対面の採用担当者とやりとりする面接では、第一印象が大切です。美容師の前に、社会人として就職や転職をして働ける人材かどうか、外見から不快な印象を与えないことが重要となります。社会人としての最低限の身だしなみやマナーをクリアすることは、採用面接の基本です。
髪型や服装、靴やバッグ、ネイルやアクセサリーなど、社会人にふさわしい身だしなみで面接に臨みましょう。もし、面接時に私服OKの美容室の場合でも、派手なメイクや露出度の高いファッション、仕事に差し支えるようなネイルやアクセサリーは控えたほうが無難です。
自己紹介でペースをつかもう
面接が始まったら、最初に面接担当者から「自己紹介をお願いします」といわれるケースが多いです。面接開始時の自己紹介は、定番と心得てスムーズに話せるぐらいまで練習しておきましょう。採用担当者が自己紹介でまずチェックしているのは、応募者の態度や話し方からにじみ出る人柄や雰囲気などです。
また、面接の材料となる履歴書だけではわからない前職までのキャリアなども気になる内容といえます。ただし、自己紹介は自己PRとは違って、簡潔に自分のプロフィールを相手に伝える時間です。例えば、次のようなポイントの内容を、短くまとめて伝えるようにしましょう。
【自己紹介のポイント】
- 美容師養成施設ではどのような勉強に力を入れてきたのか(新卒者向け)
- 美容師養成施設を卒業後の就職先や転職履歴のポイント(転職者向け)
- 前職までの美容室で担当した仕事やポジション、学んだこと(転職者向け)
自己PRや自分の長所を強調したくても、自己紹介の時間では触れないことがポイントとなります。なぜなら、自己PRは、長所やキャリアなどのほかの質問で触れられる可能性が高いからです。面接が始まったと同時に、熱く自己PRするよりも、軽く触れる程度にしておきましょう。
自己PRは熱く簡潔に
いくら就職したいからといって、やみくもに熱く自己PRをするのはかえって逆効果となりかねません。まず、採用担当者から「自己PRをしてください」「自分の長所や短所を教えてください」「キャリアを通して培ってきた強みは何ですか?」のような自己PRの機会を与える質問を受けてから、答えるようにしましょう。
採用担当者は、何人もの応募者を採用面接で見てきた、求人のプロです。抽象的に「どんなことでもがんばります!」「コミュニケーションは得意です」などとアピールすると、どこまで本当なのか疑問に感じられてしまう可能性があります。
自己PRを熱く語ることは大切ですが、簡潔さも重視しましょう。抽象的で漠然とした答えではなく、ありのままの自分をかいつまんで伝えることが大切です。例えば、以下のように言い換えてみることを心がけましょう。
「コミュニケーションでは誰にも負けません。お客様からいつも指名をいただいていました」
↓
「前職の美容室のオーナーからよく接遇を褒められました。入職から現在まで、指名の数は1か月あたり3倍を達成しました」具体的に、自分の強みについて数字を織り交ぜながら話すほうが、採用担当者の心をより動かせるはずです。
志望動機は流れよく
だらだらと伝えるのではなく、流れを意識した志望動機にしましょう。志望動機では、次の3つの要素を順番にまとめるように注意します。
【志望動機 3つの要素】
- 前職までの経験をどのように活かすのか
- 御社でなければならない理由は何か
- 就職したら、どのような業務で御社に貢献できるのか
志望動機は、採用面接を受ける企業ごとに特徴を踏まえた調整が大切です。
美容師面接の定番質問集
美容室の採用面接で、よく聞かれる定番の質問は、以下の3つです。
【採用面接 定番の質問3つ】
- 人物や働く姿勢を見る質問
- 美容室のキャリアを測る質問
- 就職後のイメージをつかむ質問
具体的に3つのタイプに分けて定番質問集をご紹介します。
人物や働く姿勢を見る質問
応募者の人柄や性格、趣味や特技など、基本的な人物像を確認するための質問です。一般的な採用面接でも、よく聞かれる定番の質問ばかりのため、押さえておきましょう。例えば、次のような質問が考えられます。
- 「自己紹介をしてください」
- 「志望動機は何ですか?」
- 「あなたの長所や短所は?」
- 「自己PRとそのエピソードを教えてください」
- 「趣味や特技は何ですか?」
- 「働くうえで大切にしていることは何ですか?」
- 「他に応募している企業はありますか?」
多くの採用面接でよく聞かれる質問のため、就職活動や転職活動を始める前に、各回答を用意しておくと安心です。
美容師のキャリアを測る質問
美容室の採用面接ならではの質問です。美容師としての経歴をさまざまな方向から観察する質問が想定されます。
「前職ではどのような仕事やポジションでしたか?」
「前職で身につけたスキルや経験を教えてください」
「なぜ前職を退職したのですか?」
「転職活動をしているのはなぜですか?」
「美容学校で学んだことを教えてください」
「これまでのキャリアで一番大変だったこと、一番うれしかったことは何ですか?」
「どうして美容師になったのですか?」
採用担当者は、なぜ自社に応募して就職や転職をしたいと思っているかを重視します。なぜなら、「入職しても前職の退職と同じ原因ですぐ辞めてしまうのではないか」といった不安があるからです。できるだけ、前職で経験したことを前向きに伝えるようにしましょう。
就職後のイメージをつかむ質問
これからのキャリアアップのイメージを知るための質問です。過去の経験やスキル、現在の仕事の状況を踏まえたうえで、未来像をつかむ質問があります。
「入職したら、どのような仕事をしたいですか?」
「仕事を通じて身につけたい経験やスキルは何ですか?」
「どのような美容師を目指していますか?」
「将来は独立開業を考えていますか?」
「あなたが入社したら、わが社にはどのようなメリットがありますか?」
「これからの美容業界はどのようになると思いますか?」
応募先の企業の社風や雰囲気、得意なジャンルを調べて、自分の経験やスキルを通じて貢献したいポイントについて、自己PRを交えて受け答えすることが大切です。
まとめ
美容室の採用面接では、採用担当者の質問にうまく対応できるだけの下準備が必要です。書類選考に合格すると、履歴書に基づいて質問されるため、採用面接の質問をイメージしながら履歴書も書くように心がけましょう。採用面接の当日は、緊張感がほぐれずに焦ってしまったり、見当外れの回答をしてしまったりすることもあるかもしれません。
しかし、本記事でご紹介した定番質問集を参考に、事前に想定される質問に対する答えを用意しておくと、安心して面接に臨めます。美容師の採用面接では、よく聞かれる定番質問をはじめ、美容師のキャリアや経験を踏まえて、自己PRを挟みながら自信を持って回答できるようにしましょう。
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