理学療法士の仕事内容
理学療法士の仕事は、病気やケガ、障害などで運動機能が低下している人に対して、運動や温熱、電気などの手段を用いて治療することです。
理学療法士になるには、大学や専門学校などの養成校を卒業し、国家試験に合格しなければいけません。
正社員のほかにパートの求人もあるため、子育てと仕事を両立したい人にとっても働きやすい職種です。
高齢化の進行や障害への支援需要から、理学療法士の需要は増しています。
自分が支援したリハビリで、患者の運動機能が回復していく姿をすぐ近くで体感できることにやりがいを感じられる仕事です。
理学療法士に関するデータ
平均給与・ボーナス
令和2年賃金構造基本統計調査を基にディップ株式会社が作成
令和2年賃金構造基本統計調査を基にディップ株式会社が作成
平均勤続年数
令和2年賃金構造基本統計調査を基にディップ株式会社が作成
男女比
令和2年賃金構造基本統計調査を基にディップ株式会社が作成
平均年齢
令和2年賃金構造基本統計調査を基にディップ株式会社が作成
勤務実態(平均労働時間・残業時間・休日数)
平均労働時間
1ヶ月の平均労働時間は163時間です。
週休2日とした場合、1日あたり約7.4時間勤務となります。
理学療法士の多くは日勤で働いていますが、回復期リハビリテーション勤務の場合は早番や遅番などになるケースも珍しくありません。食事や入浴、排泄といった具体的な日常生活場面でリハビリをするためです。
また病院や施設によっては、月に数回の宿直を求められることもあるでしょう。
残業時間
1ヶ月の平均残業時間は4時間です。
データ上では残業時間は少ないものの、実際は勤務先によって異なります。1日に担当する患者数が多かったり、勤務時間終了後に勉強会や研修があったりすると残業となるケースもあるでしょう。
また患者へのリハビリ以外にカルテ記載といったデスクワークもあります。仕事に就いたばかりのころは記載に時間がかかるかもしれませんが、経験を積むことで手際よく仕上げられるようになるはずです。
持っておくとプラスになる関連資格
理学療法士は国家資格です。
理学療法士の資格だけでも仕事に就けますが、次のような関連資格を取ることでキャリアや業務面でプラスに働きます。
認定理学療法士
認定理学療法士は「公益社団法人日本理学療法士協会」が認定している資格です。
基礎理学療法や神経理学療法、運動器理学療法など、全部で7つの分野から1つ以上を選択して、選んだ分野のスペシャリストを目指します。
資格取得には、筆記試験や10以上の事例・症例報告作成など、さまざまな条件が必要です。
専門理学療法士
専門理学療法士は、認定理学療法士の上位資格にあたります。専門性を高めると同時に、学問的発展にも寄与できる研究能力の習得も目的です。
認定理学療法士と同様に、7つの分野から1つを選びます。
福祉住環境コーディネーター
福祉住環境コーディネーターは、「東京商工会議所」が認定している資格です。高齢者や障害者が生活しやすいような住環境をアドバイスします。
福祉用具に関する知識を身につけることで、バリアフリーの観点に立ったリハビリを提供できるようになるでしょう。
呼吸療法認定士
「特定非営利活動法人日本胸部外科学会」と「一般社団法人日本呼吸器学会」、「公益社団法人日本麻酔科学会」が合同で認定している資格が、呼吸療法認定士です。
資格取得によって、人工呼吸などの呼吸療法に熟知していると証明され、とくに呼吸器系の診療科や高齢者施設などで働く際にプラスとなるでしょう。
理学療法士の求人倍率
令和元年度における理学療法士の有効求人倍率は4.59倍でした。
職種全体の有効求人倍率1.55倍と比べると、約3倍もの数値です。
高齢化や障害の重度化などでリハビリテーションへの需要が高まり、理学療法士の求人倍率にも影響を与えています。
人材は不足していることから、今後もニーズの高さは続いていくでしょう。
転職者の声
20代 男性 経験4年
自分の関わり方、声の掛け方、触り方ひとつで患者さんの能力を最大限に引き上げられるからとても楽しいです。
20代 男性 経験1年
やりがいは患者さんの人生に介入が出来ること。
障害の大きさは人それぞれですが、何かしらの障害を改善しようとしてリハビリにこられるので、それが生活のどんな場面に悪影響を及ぼしているかを一緒に考えて改善したときには感謝されます。
改善できれば私自身も喜びを感じることができます。
しかし逆のことも多々あります。失敗も多く、悩むこともありますが、それ以上にやりがいが大きいため、この仕事が天職だと感じています。
キャリアパターン
施設別の特徴
理学療法士の仕事内容は、勤務する施設の種類によって変わってきます。
主な施設別の特徴は以下のとおりです。
医療機関
規模の大きい病院から小規模のクリニックまで、理学療法がリハビリテーションのひとつとして用いられています。
急性期と回復期、維持期で求められるアプローチが異なり、幅広い経験を積めるのが特徴です。
高齢者施設や障害者施設
介護老人保健施設や訪問リハビリテーション事業所などの高齢者施設、または障害者施設も理学療法士が活躍できる場所です。
一人ひとりの生活環境に合わせて、機能維持に着目をした理学療法が求められます。
特別支援学校や障害児施設
肢体不自由児や発達障害児への運動・動作指導が主な仕事内容です。
また、補装具の適切な活用などが期待されます。
スポーツチーム
スポーツチームで働く理学療法士もいます。
ケガの防止やパフォーマンス向上を目的としたトレーニングメニューの作成など、プロのスポーツチームも活躍できるフィールドのひとつです。
キャリアアップについて
理学療法士としてキャリアアップする方法は、主に次の3つです。
理学療法士のスペシャリストになる
理学療法の知識やスキルを高めて、スペシャリストを目指す方法です。
前述した関連資格を取得するほか、大学院へ進学してアカデミックな学習をする方法もあるでしょう。
職場内で昇進・昇格する
チームリーダーや役職に就くことで、現場の理学療法士をマネジメントする仕事も担当することになります。
人材育成や施設運営にも携わることで、キャリアアップにつながっていくはずです。
転職する
先に述べたように、理学療法士の有効求人倍率は高い数値となっているため、比較的転職しやすいといえます。
現在働いている職場よりも待遇や条件が良い職場へ転職することで、キャリアアップも期待できることでしょう。
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