視能訓練士の仕事内容
視能訓練士は、主に視機能検査や視能矯正、集団健診、ロービジョンケアなどを行う眼科のスペシャリストです。
視能訓練士として働くためには、国家資格を取得しなければいけません。「視能訓練士養成所の卒業」や「大学・短大を卒業後に視能訓練士養成学校(1年)で修業」、または「海外の視能訓練士学校の卒業」といった諸条件をクリアすることで国家試験受験資格を得られます。
男性よりも女性の有資格者が多いこともあり、正社員だけでなくパートやアルバイトの求人も豊富です。家庭や育児と仕事を両立しやすい職種といえるでしょう。
高齢社会に伴い、視力に問題を抱える人が増えて視能訓練士の需要も高まっています。
訓練の効果で患者の視力が回復したときや、専門的な知識と技術を持って眼科医のサポートを行うときなどに、大きなやりがいを感じられる仕事です。
視能訓練士に関するデータ
平均年収
「視能訓練士実態調査報告書2015年」(日本視能訓練士協会)を基にディップ株式会社が作成
勤務先別平均年収
「視能訓練士実態調査報告書2015年」(日本視能訓練士協会)を基にディップ株式会社が作成
平均勤続年数
「視能訓練士実態調査報告書2015年」(日本視能訓練士協会)を基にディップ株式会社が作成
男女比
「視能訓練士実態調査報告書2015年」(日本視能訓練士協会)を基にディップ株式会社が作成
平均年齢
「視能訓練士実態調査報告書2015年」(日本視能訓練士協会)を基にディップ株式会社が作成
勤務実態(平均労働時間・残業時間・休日数)
平均労働時間
1ヶ月の平均労働時間は163時間です。仮に週休2日として、1日あたり約7.4時間勤務(注)となります。
視能訓練士の主な勤務先は、病院や診療所などの医療機関です。そのため、視能訓練士の勤務時間は、診察時間に合わせて働くことになるでしょう。
各医療機関によりますが、診察時間の前後にミーティングや検査器具の準備・片付けなどがあり、8:00~18:00の間で働くのが一般的です。
(注)令和2年賃金構造基本統計調査より、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・視能訓練士を含めた平均労働時間データ
残業時間
1ヶ月の平均残業時間は4時間です。データ上では残業時間は少ないものの、実情は勤務先によって異なります。
翌日の検査準備に時間がかかったり、勤務時間終了後に院内研修があったりすると残業となるケースもあるでしょう。
休日数
週休2日制を採用している勤務先が半数以上を占めています。 また、年次有給休暇数は10日~19日が約20%、20日~29日が約35%です。
持っておくとプラスになる関連資格
視能訓練士は国家資格です。視能訓練士の資格だけでも働けますが、以下の関連資格を持っておくと業務や給与にプラスに働きます。
理学療法士
理学療法士は、ケガや病気が原因で身体に障害がある人に対して、運動やマッサージ、温熱などを用いたリハビリを通して回復や改善を図る職種です。
理学療法士も医療機関で勤務する機会が多い職種のため、一人の患者に対してのリハビリ視野が広がります。
作業療法士
作業療法士は、食事や着替え、入浴、仕事といった応用動作のリハビリを通して、心身に障害がある人をサポートするのが主な仕事です。
理学療法士と同じように医療機関で勤務する機会が多いことから、さまざまな観点からのリハビリに取り組めるようになるでしょう。
臨床検査技師
臨床検査技師は、血液検査や尿検査を行い、検査結果を医師に提供するのが仕事です。
一般的な検査の知識やスキルを持っておくことで、患者とのコミュニケーションがスムーズに進みます。
視能訓練士の求人倍率
令和元年度における視能訓練士の有効求人倍率は3.45倍でした。職種全体の求人倍率1.55倍と比べて倍以上も高い数値です。
東京都4.32倍、千葉県6.72倍、神奈川県5.27倍と、とくに都心部において高い求人倍率となっています。
高齢社会に伴って視力に問題を持つ人が増え、また、医療専門化の促進から視能訓練士の需要が高まっている職種です。
経験者の声
20代 女性 経験4年
検査を通して子どもから大人まで関わります。眼鏡を作ったり子供の視力の発達をお手伝いしたりして、とても感謝され、さらに深く患者さんと関われるようになります。そのためコミュニケーション能力が常に求められますが、患者さんからありがとうをもらえるとてもやりがいのある仕事です。
希望者は視能訓練士の資格を介して研究を進めたり、製薬会社への転職をしたりと道もさまざまです。
キャリアパターン
キャリアアップのしやすさ
視能訓練士はキャリアアップがしやすい職種です。
仕事内容や学べる知識、スキルは勤務先によって異なります。有効求人倍率が高いことから転職もしやすく、さまざまな勤務先を経験することでキャリアップをしていけるでしょう。
一般的には地域に根付いた診療所よりも、総合病院・大学病院の方が研修制度は充実しており、キャリアアップをしたい人におすすめです。
キャリアアップの例
診療所で勤務をすることから、視能訓練士という職業をスタートさせましょう。視能訓練士としてのルーチンワークを学び、その後、総合病院に転職するのをおすすめします。さまざまな症例に触れる中で、自分の専門性を発揮できるでしょう。
また、研究を深めたい場合、大学病院に転職をして論文を書いたり、学会に参加したりする道もあります。
視能訓練士は男性よりも女性が多く働いている職種です。結婚や出産を機に退職をしても、資格と一定の経験があれば復職を歓迎している職場が少なくありません。
勤務先によってはパートや短時間勤務を採用しているため、子育てをしながら働きやすいといえるでしょう。
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