言語聴覚士の仕事内容
言語聴覚士は、言語や聴覚、音声、嚥下などに障害がある人に対して、検査・評価・訓練などを行う仕事です。
言語聴覚士として働くためには、言語聴覚士の国家資格を取得しなければいけません。文部科学省が指定する大学や短期大学、専修学校などを卒業し、国家試験に合格することで資格取得が可能です。
女性が多く活躍する職種のため、育休や時短勤務の導入など、仕事と家庭の両立をサポートしてくれる職場もあります。
高齢化社会に伴い、言語聴覚士に求められるニーズは高くなっているといえるでしょう。
訓練や指導を通して患者の症状が回復するプロセスを間近で支えられることに、大きなやりがいを感じられる仕事です。
言語聴覚士に関するデータ
平均給与・ボーナス
令和2年賃金構造基本統計調査を基にディップ株式会社が作成
令和2年賃金構造基本統計調査を基にディップ株式会社が作成
平均勤続年数
令和2年賃金構造基本統計調査を基にディップ株式会社が作成
男女比
令和2年賃金構造基本統計調査を基にディップ株式会社が作成
平均年齢
令和2年賃金構造基本統計調査を基にディップ株式会社が作成
勤務実態(平均労働時間・残業時間・休日数)
平均労働時間
1ヶ月の平均労働時間は163時間です。
仮に週休2日とすると、1日あたり約7.4時間勤務となります。
言語聴覚士の主な勤務先は医療機関や高齢者施設、障害者施設などです。勤務先によって勤務時間は異なりますが、おおむね8:00~18:00が勤務時間帯となっています。
リハビリに携わる職種のため、基本的に夜勤はありません。
残業時間
1ヶ月の平均残業時間は4時間です。
データ上では残業時間は少ないものの、実情は勤務先によって異なります。1日に担当する患者数が多かったり、勤務時間終了後に勉強会があったりすると残業となるケースもあるでしょう。
持っておくとプラスになる関連資格
言語聴覚士は国家資格です。言語聴覚士の資格だけでも働くことはできますが、以下の関連資格を取得することで就職や転職にプラスになります。
呼吸ケア指導士
呼吸ケア指導士は日本呼吸ケア・リハビリテーション学会が2013年から認定している資格です。呼吸障害を持つ方の継続的なケアをチーム医療の中で実践するため、呼吸ケアの基礎的な知識や臨床的技術を得た方が取得できる資格です。 言語と呼吸は互いに密接な関係にあることから、言語聴覚士との相性が良い資格です。
手話通訳士
手話通訳士とは聴覚、言語機能や音声機能の障害のため、音声でコミュニケーションをとるのが難しい方に向けて手話通訳を行う公的な資格をいいます。厚生労働大臣が認定した「社会福祉法人聴力障害者情報文化センター」が実施する認定試験に合格することで、資格を取得できます。
資格を取得することで、手話通訳に関する一定の知識とスキルを持っていると証明できます。資格を持たずとも活動を行えますが、資格を取得することで政見放送などに手話通訳士として携わることができます。
言語聴覚士が関わる患者の中には、聴覚障害がある人も少なくありません。手話を身につけることで、患者ともスムーズにコミュニケーションを取れるようになるでしょう。
プロフェッショナル心理カウンセラー
一般社団法人全国心理業連合会が公認している資格が、プロフェッショナル心理カウンセラーです。 言語聴覚士の仕事は障害の評価や訓練だけでなく、カウンセリングの側面もあるのが特徴です。一人ひとりの患者と関わり、上手に話を聞くことで心のサポートも可能となるでしょう。
言語聴覚士の求人倍率
令和元年度における有効求人倍率は3.45倍でした。
職種全体の有効求人倍率1.55倍と比べると、高い数値であることがわかります。
高齢化社会に伴って、言語や聴覚に関するリハビリの需要は増加傾向です。今後も言語聴覚士のニーズは大きくなるものと予想されます。
絶対数も少ないため、経験を積むことで転職もしやすいはずです。
転職者の声
50代 女性 経験5年
言語聴覚士は高齢者のリハビリというイメージが強いですが、私は主に小児担当で訪問リハに行っています。
子供は思うようにならず大変なことも多いですが、その本質は純粋で真っ白な部分も多く、かかわりによって成長に参加させていただくことで、いろいろな発見もあり、子供の可能性が引き出せたときなどちょっとした変化にも喜びを共有できて、とにかく飽きません。いまでは副業ですがライフワークにもなっています。
30代 女性 経験11年
会話が難しい患者さんと上手くコミュニケーションが取れたときにやりがいや楽しさを感じます。
他職種、患者さん家族と関わりは必須です。自身が患者さんのコミュニケーションの架け橋役となれるよう状況に応じた働きかけが必要となり、慣れないうちは大変です。
キャリアパターン
施設別の特徴
言語聴覚士が活躍する場所は多岐にわたります。
施設別の主な特徴は以下のとおりです。
医療機関
約74.4%の言語聴覚士が医療機関で働いています。リハビリテーション科や脳神経外科、耳鼻咽喉科、小児科など、診療科はさまざまです。
対象となる障害の内容や状態は、医療機関によって異なります。患者それぞれに合わせた評価や訓練、指導をしなければいけません。
福祉機関や保健機関
特別養護老人ホームや介護老人福祉施設、デイサービスセンター、障害者関係施設、子供を対象とした施設、保健所などで働いている人もいます。
高齢者施設や障害者施設で勤務する場合、栄養士や介護職員と連携して嚥下障害の訓練をするのが特徴です。
また、レクリエーションの提供も、患者のリハビリにとって大切な要素となるでしょう。
教育機関
言語聴覚士の資格だけでなく特別支援学校の教員免許状も取得して、特別支援学校や特別支援学級で働く人もいます。
言語聴覚士養成所で教員として働く道もあるでしょう。
キャリアアップについて
言語聴覚士としてキャリアップする方法は主に次の3つです。
経験を積んで昇進・昇格をする
同じ職場で経験を積んで、昇進や昇格を目指します。
長く勤めて多くのケースに関わることで、言語聴覚士としての専門性も深まっていきます。昇進や昇格を通して仕事の範囲も広がり、キャリアアップにつながっていくでしょう。
認定言語聴覚士の資格を取得する
認定言語聴覚士は、日本言語聴覚士協会が認定している資格です。
「摂食・嚥下障害」「失語・高次脳機能障害」「言語発達障害」の3領域があり、資格を取得することで高い専門性を持っていると認められます。
転職する
言語聴覚士は需要が高く、転職もしやすい状況となっています。
現在働いている職場よりも条件や環境の良い場所に転職することで、さらなるキャリアアップが期待できるはずです。
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