看護師1年目は誰もが通る道。新人看護師として頑張っているあなたも、大変・つらいと感じることがあるのではないでしょうか。
この記事では、そんな新人看護師の皆さんが共感する「看護師1年目あるある」をまとめました。つらい時期を乗り越えるポイントも紹介しているので、参考にしてくださいね。
看護師1年目は何をするの?
看護師1年目は、業務を覚えて仕事に慣れ、基本的な知識やスキルを身につけていく時期です。多くの医療機関では年間にわたる教育プログラムを作成しており、新人看護師はそれに沿って経験や学びを積んでいきます。
最初のうちはオリエンテーションや院内研修を受けたり、先輩について患者さんのケアを行ったりして、早いところでは6〜7月ごろに夜勤も入ってきます。
入職から半年くらい経つと患者さんの受け持ちが始まり、少しずつできる仕事も増えていきます。その後は日勤業務、夜勤業務ともに独り立ち(先輩の指導を受けながらではなく、自分で業務を進められる状態)を目指します。
看護師になったからといって、すぐに何でもできるわけではありません。1年かけてようやく、ある程度の業務を任せてもらえるくらいのレベルに成長していくのです。
看護師1年目あるある【業務編】
新人看護師にとっては、どの業務も初めての経験。そんな看護師1年目の看護師あるある【業務編】をご紹介します。
仕事が定時に終わらない
最初のうちは仕事に慣れず、一つの仕事に時間がかかってしまいます。気付けば終業時刻なのに、全然仕事が終わっていない...!という日もしばしば。終わらないことに焦ってミスをして、余計に時間がかかってしまう、などという事態も起こりがちです。
仕事に慣れてくれば、だんだんと効率よく進められるようになります。まずは落ち着いて、一つひとつの仕事を確実にこなすことを心がけたいですね。
知識・スキルの不足を痛感する
国家試験を乗り越えて看護師になっても、いざ現場に出てみると分からないことだらけ。疾患のことも治療のことも、使われている専門用語も理解できず、「なんて自分はできない看護師なんだろう...!」と落ち込んでしまうときも。
しかしそれは、新人であれば当たり前のこと。できないことに落ち込みながらも、時間をかけて知識やスキルを身に付け、少しずつ自信をつけていくのです。
居場所がなくてウロウロしてしまう
できることが少ない新人看護師は、次に何をして良いか分からず、病棟内をウロウロと移動しがちです。何かしなければとは思うけど、先輩は忙しそうで声を掛けられず、仕事を求めて右往左往。特に入職したばかりの時期に多い「あるある」かもしれません。
できる仕事が増えていけば、次に何をすべきか見えるようになってきます。だんだん忙しくなってきて、ウロウロしていた入職当初が懐かしい...と思うようになるかもしれません。
病院内で迷ってしまう
新人看護師が慣れないのは、病棟業務ばかりではありません。病院内の診療所や部屋の場所を覚えるのにも一苦労です。特に総合病院などの大きな施設へ就職すると、診療科や部署が多く迷ってしまいがち。
患者さんを検査へ連れて行ったり、必要な物品を取りに行ったりと、仕事中に病院内を移動する機会は少なくありません。院内の地図が頭に入れば、仕事も進めやすくなるでしょう。
早食いになる
仕事がなかなか進まず、時間がいくらあっても足りない新人看護師時代。その日の仕事を少しでも進めたり、分からないことを調べたりする時間を作るために、昼食は早食いになりがちです。急いで食べると満腹感が得られず、仕事終わりにはお腹が空いて仕方ない...なんてことも。
しかし、よく見ると先輩たちも早食い傾向だと気付くかもしれません。どうしても落ち着いて食べられない忙しい日もあるので、早食いは新人に限らず、看護師の特徴の一つなのかもしれませんね。
夜勤が怖い
早いところでは夏頃から、見習いや練習という形で夜勤が始まります。新人看護師にとって、夜勤は当然ながら初めてのこと。昼間とは違う病棟の風景に、怖いと感じる方も多いです。
夜勤そのものには慣れたとしても、重症な方がいる場合や緊急入院の受け入れなど、緊張する場面は常にあります。経験を積んでも、夜勤はある種の怖さを感じるものなのかもしれません。
以下の記事でも夜勤の「あるある」を紹介しています。ぜひ読んでみてくださいね。
看護師なら共感できる!?夜勤あるあるをご紹介
「ありがとう」がとにかくうれしい
働き始めたばかりで、できることが少ない看護師1年目。自信をなくしたりや落ち込んだりする機会が多い中でも、真摯に患者さんと向き合っていると、感謝される場面がもちろん訪れます。
自分では大したことをしたつもりはなくても、「ありがとう」といわれると、とてもうれしいものです。そんな一言が、次の日の活力につながります。
看護師1年目あるある【人間関係編】
看護師はチームで働く仕事です。一緒に働く看護師との連携が必須なため、人間関係でもさまざまなことが起こります。そんな看護師の人間関係に関する「あるある」をご紹介しましょう。
病棟に怖い先輩・ベテラン看護師がいる
病棟には、なぜか必ずといっていいほど、怖い先輩看護師やベテラン看護師が1人はいます。「あの先輩苦手...」と悩んでいる新人看護師もいるのではないでしょうか。
看護師は患者さんの命や健康に関わる仕事をするため、先輩や上司は厳しくて怖いと感じてしまうこともあるでしょう。じっくり話してみると、実は良い人だったというパターンは多いです。
しかし中には、理不尽な対応をする人や、どうしても性格が合わない人がいる場合もあります。可能な限り距離を置くようにしたり、つらいときには他の先輩や上司に相談したりするなど、対策を取るようにしてみましょう。
絶妙なサポートをしてくれる看護師もいる
病棟には厳しい看護師もいれば、常に気にかけてサポートしてくれる、頼りになる看護師もいます。
失敗したときに声をかけてくれたり、足りていないところをさりげなくフォローしてくれたり...そんな姿を見て、「こんな看護師になりたい!」と目標が明確になる新人看護師も。
看護師だけでなく、看護助手や介護士など、他職種の方も新人看護師を気にかけています。まわりにいる人は厳しさだけでなく、温かさも持って見守ってくれていますよ。
医師とのコミュニケーション方法がわからない
新人看護師が困るポイントの一つが、医師とのコミュニケーションです。忙しい医師に話しかけるタイミングが分からない、話すといつも怒っているような気がする、説明が下手で簡潔に報告できない...など、悩んだり戸惑ったりしている方も多いのではないでしょうか。
医師も決してつらく当たろうとしているわけではなく、時間のなさから十分なコミュニケーションが取れないのかもしれません。時間をかけて接していくうち、医師の個性も少しずつ見えてきます。それに伴ってコミュニケーションのコツもつかめるようになるでしょう。
患者さんから「他の人に代わって」と言われて落ち込む
経験が少ない新人看護師は、患者さんに声をかけられても十分に応えられない場面がよくあります。ときには、採血などの処置がうまくいかずに「他の看護師に代わって」と言われてしまうことも。その度に自分の不出来を痛感して、落ち込むときもあるかもしれません。
新人にできることが少ないのは、仕方がありません。回数をこなしていかないと、知識もスキルも身に付きません。できないことに落ち込むよりも、毎日の現場に向き合っている自分を褒められたら良いですね。
看護師1年目あるある【仕事終わり・休日編】
慣れない仕事でくたくたになる毎日。せめて休日はゆっくりしたいところですが、なかなかそうはいかないのが看護師1年目。ここからは、仕事終わりや休日に関する「あるある」をご紹介しましょう。
勉強・課題に追われて時間がない
初めての現場は、新人看護師にとって分からないことだらけ。知識がまったく追いつかず、仕事の後や休日も予習・復習に時間を費やしがちです。その上、教育プログラムで定められた課題や、病棟独自のレポートなど、やらなければならないことは盛り沢山です。
せっかく外へ出かけても、立ち寄る先は書店の専門書コーナーばかりに。ただ書店には自分と同じように、新人向けの書籍に手を伸ばす人もいて、「自分も頑張ろう」と思うきっかけになる場所でもあります。
退勤後もアラーム音が聞こえる
ただでさえ緊張感の漂う医療現場。新人看護師は不慣れなこともあって、余計に緊張しています。退勤後もその緊張感が抜けず、どこからか心電図などのアラーム音やナースコールが聞こえてくる感覚におそわれることもしばしば。
新人でありがちな話ですが、実は経験を積んだ先輩たちでも、緊迫する場面に対応したあとは似たような感覚になるときがあるのです。切り替えがうまくできないのは、その分真剣に仕事に向き合っている証なのかもしれません。
シフト勤務に慣れず疲れが取れない
早いところでは、入職して3か月くらい経つと夜勤に入るようになります。夜間に働くというのは、当然ながら新人看護師にとって初めての経験です。生活が不規則になり、なかなか疲れが取れないと感じる方も多いでしょう。
夜勤は確かに、心身に負担の多い働き方です。しかし寝るタイミングや環境に気を遣ったり、仮眠をきちんととったりすることで、負担を軽減できます。夜勤の回数を重ねながら、業務だけでなく体の休ませ方のコツも身につけていきましょう。
参考:公益社団法人 日本看護協会「看護職の夜勤・交代制勤務に関するガイドライン」
看護師1年目のつらい時期はどう乗り越える?
毎日頑張っているつもりだけど、自分は仕事ができない気がする、看護師に向いていないと感じることが多い新人時代。もしかしたら、中には毎日つらくて鬱っぽい...という方もいるかもしれませんね。
ここからは、そんなつらい時期を乗り越えるためのポイントをご紹介します。1年目を乗り越えたい方も、悩んでつらい方も、参考にしてみてくださいね。
学ぶ姿勢を忘れない
看護師1年目がつらく感じるのは、知識やスキルが足りていないから。それらが十分に身につけば、自信を持って仕事ができるようになります。
そのためには、とにかく学ぶしかありません。書籍を紐解き、研修に参加し、先輩に尋ねるなどして、自ら学ぶ姿勢が大切です。
学び続けていると、それがだんだんと現場での実践に結びついていきます。すると「この場合はどうするんだろう?」と自ら学ぶポイントを見つけられるようになるでしょう。そうなれば、勉強にも面白さを感じるようになりますよ。
学び続けるには、時間管理も重要です。こちらの記事では、看護師1年目の時間の使い方について紹介しているので、参考にしてみてくださいね。
新人看護師はいつ勉強すればいい?大変な1年目を乗り越えるための時間の使い方を紹介!
ストレス発散方法を身につける
看護の現場は、ストレスを多く感じるもの。先輩や患者さんとの人間関係、現場の緊張感、夜勤など、心身の負担になるさまざまな要素があります。
看護師を続けていくためには、それらのストレスを発散する方法を身につけておくのが重要です。それも一つではなく、音楽を聴く・テレビを見るなど疲れているときでもできる簡単なことや、スポーツのように時間があるときに取り組むことなど、状況に合わせた複数の方法があると良いでしょう。
気分転換や休養を心がけると、仕事も集中して取り組めるようになるでしょう。
体調管理をしっかりする
疲れていると、人はミスを起こしやすくなります。医療現場でのミスは自分自身が落ち込むだけでなく、患者さんの状態に影響を及ぼしかねません。
ミスを起こさないためには、自分の体調管理をおろそかにしないことが大切です。看護師1年目は忙しいですが、睡眠の削りすぎや栄養の偏りなどには気を付け、体調不良のときは無理をしないようにしましょう。
体調管理への気遣いは、心の健康を守ることにもつながります。
困りごとや悩みを1人で抱え込まない
仕事上の困りごとや悩み、分からないことなどは、先輩や上司、同期に話してみましょう。「1人で考えていても答えが出なかったけど、まわりの人に意見を求めると解決方法が見えてきた」というケースは少なくありません。
看護師1年目は経験の浅さから、自分で困りごとを解決に導けないときもあります。先輩方の豊富な知識と経験が、助けになるでしょう。
それだけでなく、同じように1年目で悩んだり困ったりしていた経験を聞いてみれば、共感したり励まされたりするかもしれません。
1年目での離職・転職はアリ?
やむを得ず1年目で離職・転職する看護師も中にはいます。あまりにつらい、職場が合わないと感じるなら、離職や転職も選択肢の一つになるかもしれません。
ただし、1年目で辞めてしまうと十分なスキルが身につかない、転職先が限られるといったデメリットもあります。上司に相談するなどして、つらい状況を改善する方法がないのか、十分に検討してから決断した方が良いでしょう。
看護師を辞めたいと感じたときの対処法については、こちらの記事でも詳しく解説しています。あわせて参考にしてくださいね。
看護師を辞めたい...理由別の対処法と後悔しない転職先の選び方
まとめ
看護師1年目は慣れないことや知らないことばかりで、仕事がつらく感じるのは当たり前です。1年目には看護師に向いていないと感じていた人でも、経験を重ねると頼りがいのある看護師へと成長していきます。
働き始めたばかりで何もできないと焦らずに、まずは日々の仕事と向き合ってみましょう。
ライター 小松亜矢子
地域看護に関心のあるライター。看護師の資格を持ち、地域でコミュニティナースとして活動中
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