病院での臨床検査技師から、グループホームの介護士へと転職を遂げた介護士さんにインタビュー。
検体を検査する仕事から、認知症の方たちをケアする仕事へ。異なる職種に転職して抱いた感想や、介護士だからこそのやりがいについて伺いました。
こんな方にお話を聞きました!
―――介護士のお仕事を始めてまだ4か月ということですが、以前はどんなお仕事をされていたのですか?
専門学校卒業後は臨床検査技師として4年半くらい働いていました。病院や検査センターで血液検査をしたり、尿検査をしたりといった業務を担当していました。
―――もともとは臨床検査技師をされていたのですね。どうして介護士に転職されたのですか?
当時は鹿児島で働いていたのですが、実家のある大分に帰ることにして、地元で仕事を探していたんです。でも、正社員で臨床検査技師の仕事を探してもなかなか見つからなくて、結局派遣で分析の仕事をしていました。ただ、30歳も近いのでやはり正社員として働きたいなと思っていました。
そんなときに、「介護の仕事なら未経験でも受け入れてくれるかもしれない」と母から勧められたのと、もともと介護士をやりたいと思っていたこともあり、介護士に転職しようと考えるようになりました。
―――もともと介護士に興味があったのですね。どうして興味を持ったのですか?
母が介護の仕事をしていて、働きながら介護福祉士の資格を取得して生き生きと仕事をしているところを間近で見ていたので、「介護士の仕事っていいな」と思うようになりました。あとは、もともと人見知りではあったのですが、臨床検査技師の仕事を通して高齢者と接するうちに、高齢の方たちと話す楽しさに気づくようになったこともあります。
バイトルPROで出会った"ゆかりのある施設"
―――どのようにしてお仕事を探されたのですか?
インターネット検索で「津久見市 介護職 未経験」で検索したらバイトルPROが出てきました。サイトに入って見てみると、津久見市の介護職の仕事がずらっと並んでいて、介護の仕事ってこんなにあるんだというのを知りました。
―――たくさんの求人から、どんなことを重視してお仕事を探されていましたか?
私は股関節が悪いので、自分の身体と上手く向き合いながら働ける仕事というのが前提にありました。その点で、少人数で介護度もそれほど高くない利用者さんが集まっているというポイントもあってグループホームに応募しました。
―――優美様に入社する決め手になったものは何でしたか?
面接のときに施設を案内していただいたのですが、スタッフの皆さんが生き生きと働いていらっしゃったのが印象的でした。未経験者に対するサポート体制もしっかりしていたので、優美に決めました。
あと、働きはじめて気づいたのですが、小学生のときにボランティアで優美に来たことがあったんです。当時の記憶は薄っすらしかないものの、今思えばゆかりのある施設でした(笑)
認知症の方たちと接するなかで学んだこと
―――介護士として働きはじめて、どのような感想を抱かれましたか?
最初の2か月くらいは覚えることが多くて無我夢中でした。オムツ交換も最初は20~30分もかかったりして...。
高齢の方って皮膚が弱くて気をつけなきゃいけないんです。そういうことも初めて知りましたし、今でも勉強の毎日です。3か月目くらいからようやく余裕が出てきて、周りも見ながら仕事ができるようになっていきました。
―――難しさを感じる仕事はありましたか?
利用者さんへの声かけですかね。トイレへ誘導するときも、声掛け一つで反応が全然違うんです。最初は私が声をかけても「今行きたくない」と言われてしまって。でも先輩スタッフが声掛けをすると、素直に「行く」とおっしゃるんですよね。
―――声のかけ方にもコツがいるのですね。
そうですね。それも先輩の姿を見ながら学んでいきました。ひざまずいて目線は下から、優しく声をかけるようにしたりとか。「トイレへ行く」というワードだけで嫌だと感じる方に対しては「立って歩きましょうか」「運動しましょうか」と違う言葉で誘導すると動いてくれたりします。利用者さんによって反応はさまざまなので、その人に合わせた声のかけ方をしています。
―――グループホームは認知症の方々が入居されているのですよね。認知症の方々と接する中で大変な面はありますか?
1日たつと忘れてしまったりするので、毎日会っている私でも、「誰だっけ?」と言われてしまうこともあります。そういった中でも、穏やかに接していけば信頼が生まれてくるのかなと思っています。根気よく接していると、ご自分の話とかをたくさんしてくれるようになったりして、そんなときは信頼度が上がったのかなと感じて、それもやりがいになります。
あとは、食事に関しても、食べること自体を嫌がる方がいたり、柔らかいものしか食べられない方がいたり、とろみをつけないとお汁が飲めない方がいたり、利用者さんによって症状が違います。それぞれ身体の状態も違うので、一人ひとりに合わせてレシピをつくっています。
―――一人ひとりに合わせたケアが必要なのですね。認知症の進行が遅くなるように気を付けていることなどはあるのですか?
進行を止めることはできないのですが、家事ができる方は調理や洗濯物などを積極的にしていただいたりして、できるだけご自分がもともとされていた生活を忘れさせないように努めています。
―――認知症の方々と日々接する中で、学べることはありますか?
先ほど述べたような、認知症の方へのケアの仕方や料理のレシピなどはとても勉強になります。あとは、認知症の方々も、認知症になるまでは何十年も会社勤めをされていたりとか、会社で重要なポジションにつかれていたりとか、ご家族を支える主婦だったりとか、人生経験が豊富な方々です。
言葉づかいについて「こう言った方がいいよ」と教わることもありますし、ことわざを教えてくれる方もいます。料理をしていると「味付けはこれがいいんじゃない」と教えてくれる方もいます。人間的にもしっかりされているので、「親を大事にしなさい」「お金のことはちゃんとしなさい」など、教訓めいたことも言われます。利用者さんに対して「すごいな」「勉強になるな」と思うことはたくさんありますね。
―――認知症の方も忘れない部分はあるのですね。
根本的にはたぶん全て忘れてないんじゃないかと思います。大切な方々、ご家族のことも絶対忘れないようで、面会のときとかはとても嬉しそうにされています。
介護士だからこそ感じられる達成感がある
―――臨床検査技師から介護士に転職して良かったことはありますか?
臨床検査技師をしていたときは、血液や尿の検体などを通してしか患者さんの様子を知ることができませんでした。データを見てどこが悪いのかはわかっても、どういう風に悪化しているのかはわかりませんでした。
でも介護士になってからは、実際に利用者さんがどういった状態なのかを間近で見られます。高齢の方は皮膚が弱いからすぐ内出血が起こってしまうとか、そういった一人ひとりの状態を見ながらケアをできるというのが良い点ですね。
―――利用者さんと直に接するから良かったことって他にもありますか?
介護をしていると、「悪いね」「ありがとうね」と言ってくれたりします。おやつの時間のときとかは「あんたも食べんね」と気づかってくれたり、遅番で夜遅くなったときは「暗いやけんね、はよ帰りよね」と心配してくれたりも。認知症になっても人への気づかいは忘れてなくて、温かい言葉をかけてもらえたりするのが嬉しいです。
―――今後の目標はありますか?
優美で長く働いていけるように頑張りたいなと思っています。
―――介護の仕事を続けていきたい理由は?
今は徐々に仕事に慣れてきて、自分の身体とも向き合って働けていますし、利用者さんの心もつかめるようになってきました。
利用者さんがネガティブな気分になっているのをポジティブな方向へ変えることができたら、「お、自分できるじゃん」と心の中で自分を褒めたりしています(笑)そういった達成感がやりがいにもつながっています。日々、達成感や自分の成長も感じられる仕事だから、続けていきたいなと思っています。
編集部コメント
入社してまだ4か月ながらも、利用者さん一人ひとりの性格や身体状態に合わせたケアが徐々にできるようになってきたそうです。先輩の姿や利用者さんの反応から、どういった対応が望ましいのかを自主的に学んでいく姿勢は、まさにPROだと感じました。
介護は人と向き合う仕事だからこその大変さはあっても、その分「やりがい」も「成長の機会」も自分次第でいろいろなところに転がっている。そういったことに気づかされるお話でした。
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