看護師の仕事は比較的給料が高いといわれますが、パートで働く場合の時給はどのくらいになるのでしょうか。常勤からパートへ勤務形態を変更する方や、ブランクから復帰する際にパートを選ぶ方などは、時給の水準が気になるところかと思います。
この記事では、パートで働く看護師の時給はどのくらいなのか、地域差はあるのかどうかなどについてまとめました。時給を上げる方法についてもご紹介していますので、参考にしてみてください。
パート看護師の時給はいくら?
厚生労働省が行った「令和2年賃金構造基本統計調査」によると、役職者を除くパート看護師の平均時給は1,768円(平均年齢49.2歳、勤続年数6.5年)でした。
全職種におけるパートタイム労働者の平均時給は1,412円なので、看護師の時給は高い水準であることがわかります。
職場の規模別にみると、以下の通りです。
小規模(10〜99人) | 1,771円 |
---|---|
中規模(100〜999人) | 1,721円 |
大規模(1000人以上) | 1,873円 |
小規模・中規模の職場では時給に大きな差はないものの、大規模な職場になるとやや時給が高くなっていることがわかります。
パート看護師の時給は地域によって差がある
パート看護師の時給は、働く地域によってやや差があります。
看護師を含む医療・福祉分野の時給を主な都道府県別にみると、以下のようになっています。
北海道 | 1,454円(平均年齢52.3歳、勤続年数6.6年) |
---|---|
宮城 | 1,985円(平均年齢51.9歳、勤続年数6.6年) |
東京 | 2,871円(平均年齢52.1歳、勤続年数5.9年) |
愛知 | 2,012円(平均年齢49.6歳、勤続年数6.8年) |
大阪 | 2,510円(平均年齢53.2歳、勤続年数6.9年) |
福岡 | 1,562円(平均年齢51.9歳、勤続年数5.9年) |
沖縄 | 1,228円(平均年齢49.1歳、勤続年数3.7年) |
上記の数値を見ると地域によって時給に大きな差があり、東京や大阪などの都市圏で特に高い傾向があることがわかります。
これらは看護師のみの平均時給額ではないため、実際の時給とは異なる場合がありますが、この傾向はパート看護師の時給にも当てはまると考えらえるでしょう。
パート看護師の時給を上げる方法
同じパートで働くなら、できるだけ時給を上げたいと考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。ここでは、パート看護師が時給を上げるための方法をご紹介します。
経験を活かせる診療科を選ぶ
パート看護師として働くのであれば、未経験の診療科よりも、これまで経験したことのある診療科の方が高い時給をもらえる可能性があります。例えば消化器内視鏡検査や透析など、特定のスキルや知識を持っていると重宝されるでしょう。
逆に精神科から外科系など、まったく違う未経験の診療科を選ぶとスキルや知識を生かしにくいため、経験があまり評価されません。未経験の方は研修等の教育が必要になるため、即戦力になりにくいというデメリットもあります。
これまでの経験やご自身の強みを整理して、どのような診療科であればそれらが活かせるかを考えてみると良いでしょう。
時給の高い施設で働く
診療科で選ぶのではなく、時給水準の高い施設を選ぶという選択肢もあります。
実際にどのくらいの時給がもらえるかは求人内容を確認する必要がありますが、ここでは比較的時給が高い傾向にある施設をご紹介します。
訪問看護
事業所によって差はあるものの、訪問看護の仕事は比較的時給が高いです。この背景には、在宅医療のニーズの高まりから介護報酬や診療報酬が見直され、給与に反映されていることなどが挙げられます。
訪問看護事業所数は全国的に増加傾向にありますが、働く看護師の数が足りていないことも、高時給が設定されている理由となっているかもしれません。
訪問看護は主に日勤の仕事であることがメリットです。育児・介護中の方やプライベートの予定を大事にしたい方にとって、スケジュールが組みやすい働き方ができます。
事業所によっては、時給ではなく訪問件数で給与が設定されていることもありますので、入職前に確認しておきましょう。
参考:一般社団法人全国訪問看護事業協会「令和2年度 訪問看護ステーション数 調査結果」
美容クリニック
脱毛やシミ取り・しわ取り、美容整形など、自由診療を行っている美容クリニックは時給が高いことが多いです。
クリニックによっては売り上げに応じたボーナスが出たり、施術の契約や化粧品販売などでインセンティブが設定されていたりすることもあります。そのため、成果を上げることができれば働いた時間数以上の給与をもらえるかもしれません。
美容クリニックと一般的なクリニックでは、必要とされるスキルなどが異なります。そのため慣れるまでは大変かもしれませんが、美容に関心がある方や高時給で働きたい方にはおすすめです。
夜勤専従で働く
高い時給を得るためには、夜勤専従で働くという選択肢もあります。深夜帯では深夜割増賃金がつき、夜勤手当も出るため、日勤のパートよりも高い時給が望めます。
ただし看護師の夜勤は1人あたり72時間までという診療報酬上のルールがあるため、希望したからといっていくらでもシフトに入れるわけではありません。三交代制であれば月に9回、二交代制であれば月に4.5回までが上限です。
そのため、月当たりの収入にも限度があります。必要な収入や入れる夜勤の回数などを考慮して、入職するかどうかを検討すると良いでしょう。
まとめ
パート看護師の時給は、一般の仕事と比較して高めの傾向にあります。他の職種で働くよりも、看護師の仕事を続けた方がより多く収入を得ることができるでしょう。
選ぶ職場によって時給は異なるため、入職前に十分比較・検討しておくことが大切です。もちろん、時給以外の条件もしっかりと確認しておきましょう。
バイトルPROでは、看護師のパート求人も多数取りそろえています。希望の時給で求人検索もできるので、パートで働くことを検討している方は一度チェックしてみてくださいね。
ライター 小松亜矢子
地域看護に関心のあるライター。看護師の資格を持ち、地域でコミュニティナースとして活動中。
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