結婚・育児・介護などを経て、そろそろ看護師へ復職しようかな... そんな時、ブランクがあることに不安を感じている人も多いのではないでしょうか?
この記事では実際のアンケート結果を元に、ブランクを経て看護師の仕事に復帰する方や復職しようか迷っている方に向けて、復職の際にやっておくといい準備や復職しやすい勤務先をご紹介します。
調査概要
- 調査主体:ディップ株式会社
- 調査手法:インターネット調査(バイトル・はたらこねっと会員)
- 調査実施時期:2021年4月23日(金)~2021年5月5日(水)
- 対象者条件:現在または過去に看護師・准看護師として働いた経験がある方
- 有効回収数:SC調査1,406サンプル/本調査463サンプル
看護師のブランクに関する実態
一度看護師の職から離れて、もう一度看護師の仕事に戻る人がどれくらいいると思いますか?
ここでは復職経験者の割合やブランクの理由、ブランクがある方が復職する際に不安に感じるポイントなどをお伝えしていきます。
復職をしたことがある人・したい人の割合
意外にも現在看護師として働いている復職者や、現在看護師として働いていない方の復職希望者は多いのです。 ここでアンケートの結果を見てみましょう。
現在看護師として働いている方の半数が「一定期間離れていたことがある」、つまりブランクを経て、復職したということが分かります。
また看護師の経験があり、現在は看護師として働いていない方の30%が復職をしたいと考えているのが現状です。
ブランクの理由と期間
ブランクの理由
ブランクの理由は人それぞれです。 中でも多いブランクの理由は以下のようなランキングとなっています。
- 出産・育児 34%
- 看護師以外の仕事への転職 19%
- 結婚 13%
やはり、出産・育児が圧倒的に多い数字となっています。 また約20%の方は、一度看護師以外の仕事に就いた後、また看護師に戻ってきているようです。
他の仕事で働いてみたからこそ分かる「看護師の仕事の魅力」があるのではないでしょうか。
ブランクの期間
"ブランク"と言っても、その期間はさまざまです。どれくらいの期間を経て復職している人が多いのでしょうか。 実際に復職した人のブランクの期間は以下のようになっています。
3年未満のブランクが全体の約7割を占めています。
技術の進歩が早い業界で、スキルも必要な仕事であるため、ブランク期間が短い方が復職しやすいのだと考えられます。
とはいえ、中には10年以上のブランクを経て復職する方もいらっしゃいます。 きちんと復職の準備を行ったり、復職に適した職場を選んだりすれば、長いブランクがあっても活躍することは可能です。
ここからは復職する際の注意点をお伝えしていきます。
復職する際の注意点
ブランクを経て復職するには、準備や職場選びが肝となります。 ここでは実際に復職をした看護師の声を元に、やっておくと良い復職の準備や復職しやすい勤務先などを紹介していきます。
やっておくと良い復職の準備
実際にブランクを経て復職した方達はどのような準備をしたのでしょうか。 行った準備として多かったものは、このような結果となりました。
- 勤務形態や施設のリサーチ 55%
- 知識・看護技術の復習・更新 44%
- 家族に相談 31%
他にはナースセンターの復職支援研修を受講したり、相談員へ相談をした方もいらっしゃいます。
ナースセンターには様々なサービスがあります。各都道府県ごとに問い合わせ先が用意されているので、復職の準備に利用するのも良いでしょう。
参考:ナースセンターのご案内
今回は行った準備の1位である「勤務形態や施設のリサーチ」に焦点をあてて、どのような条件や施設を探すとよいかを解説していきます。
復職しやすい勤務先
ここでは復職しやすい勤務先の特徴を、働く職場の条件と施設の種類の2点でお伝えします。
職場・働く条件
実際に復職した方が復職先を探す際に考えていた職場の条件は以下のようになっています。
最も多い条件は「自宅から近い職場」であるというものです。
ブランクの理由には「出産・育児」が多くを占めていることもあり、家庭と仕事を両立していくとなると自宅から近い職場で働くのが良いのでしょう。
一方、「過去勤めていた職場」を条件にしている人は少ないです。
過去勤めていた職場の方が職場ならではのルールや雰囲気などが分かり、復職しやすそうな印象がありますが、他の条件の方が重視されるようです。
施設
施設形態では一般病院の25%と診療所・クリニックの28%で約半数を占めており、残りの半数は他の施設形態となっています。
例えば慢性期・療養型病院は症状や徴候が激しくないものの、長期間にわたって治療や看護が必要な方向けの病院です。
スピード感をもった治療が必要とされる病院に比べ、じっくりと看護の仕事が行われる傾向にあるため、知識をアップデートしたり、技術の感覚を戻していくにはぴったりの施設です。
また訪問看護などは柔軟な働き方がしやすいサービス形態です。
訪問先へ足を運びサービスを行うため、施設で働くよりも場所や時間の融通が利きやすいのが特徴です。
自宅の近くで働きたい、働く日数や時間は少な目がいいという方にはおすすめです。
しかし訪問看護は基本的には一人で対応することが多いため、初めは訪問看護ステーションの所長や先輩看護師と相談・協力をしながら慣れていくと良いでしょう。
仕事探しの方法
以下のグラフは、実際に復職した方が復職先を探す際に「どのように仕事探しをしたか?」の結果です。
自宅からの近さ、ブランク有OKか、シフトに融通が利きそうな職場か、など様々な条件でじっくり探したい方には求人サイトがおすすめです。
求人サイトはいつでもどこでも、自分のペースで仕事探しをすることができるのが特徴です。
自分で仕事探しをするのが苦手な方は、エージェント(紹介会社)やハローワークで、紹介してもらうのも良いでしょう。
復職者に対する現場の声
復職者への期待
「ブランクがある看護師/准看護師が復職することに対して、どのような印象を持ちますか?」という質問に対して、アンケートに回答した現役の看護師・准看護師の約70%が経験のある人材が増えて助かると回答しています。
ブランクから復帰する人が多い職種ですから、そのような人を受け入れる体制が整っていたり、気持ちが分かる人が多かったりするのでしょう。
一方ブランクがある方の受け入れを不安に感じる人もいます。
そのような方は、ブランクから復帰する方が感じる不安と同様に、看護技術の時代の変化に付いていけるのかやスキルの鈍りが気になるようです。
応援メッセージ
バイトルPROマガジン編集部では現役の看護師・准看護師の方々から復職を考えている方に向けて応援メッセージを募集しました。今回はその一部をご紹介いたします。
40代 女性
ブランクは必ず埋まる時がきます。資格を生かせる場は必ずあります。
復職への不安は計り知れないものと思いますが、現場スタッフが精一杯のサポートをするはずです。資格を取る時点の気持ちは皆同じだったはずだから。
現場には復職したいかたの力が必要です。現場で待ってます。
50代 女性
躊躇せず、わからないことは納得するまで確認する事、ひとりの人ではなくいろんな人に聞いてみる、などでコミュニケーションを増やしていくと、嫌な事も失敗もフォローしあえて独り立ちも早くできると思います。
ブランクをコンプレックスにする必要はないと思います。
40代 女性
看護師のお仕事は、出産や育児の経験が復帰してからも活かせるお仕事です。ブランクもプラスにすることができます。
私は訪問看護ステーションの所長をしていますが、復職を考えている頑張り屋さんな看護師さんには、是非子育て中も柔軟な働き方で、無理なく看護の楽しさを経験していってほしいと思います。
是非また一緒にお仕事しましょう!!
20代 女性
まだまだ未熟な身なので、第一線から一時離れられていたとしても先輩方の精鋭な視点は本当に勉強になります。
看護は人の手と心がないと成り立たない仕事で、やりがいのある事だと思うので、これからも背中を追わせていただきたいです。
まとめ
ここまで、ブランクの実態や復職する際のポイントなどをお伝えしてきました。
現在、全国的に看護師が足りていない状況であり、有効求人倍率は令和元年時点で2.46倍(注)と他の職種と比べ高い状況にあります。
(注)「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」(e-Stat)
復職する際には様々な準備をしたり、復職に最適な職場を選んだりすることでスムーズに復帰できます。 現場には復職者も多いため、様々なサポートを受けることができるでしょう。
バイトルPROではブランクから復職する方々を応援しています。
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