看護師の年収は高い？平均年収と月給・ボーナス・手当の内訳を解説！

看護師といえば、"高給取り"の職業というイメージがあるかもしれませんが、「実際の年収や給料の内訳はどうなのか」「本当に看護師の年収は高いの？」と疑問をお持ちの方もいるでしょう。
この記事では、看護師の年収や月収、ボーナス額について詳しく解説していきます。併せて、男女別・企業規模（従業員数）別・都道府県別・業種別の年収比較も行ないますので、看護師の年収を知りたい方はぜひ参考にしてみてください。

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看護師の年収を平均月収とボーナス額から算出

まずは看護師の平均年収から見ていきます。

厚生労働省の「令和元年賃金構造基本統計調査」（注1）によれば、看護師の平均年収は約483万円となっており、内訳は次のとおりです。

平均月収：33万4,400円
平均ボーナス額：81万6,300円

（企業規模10人以上の場合。平均年齢39.5歳／平均勤続年数8.2年）

准看護師の年収

准看護師の年収は約403万円となり、内訳は次のとおりです。

平均月収：28万2,400円
平均ボーナス額：64万1,600円

（企業規模10人以上の場合。平均年齢50.2歳／平均勤続年数11.6年）

看護補助者の年収

看護補助者の年収は約303万円となり、内訳は次のとおりです。

平均月収：21万6,400円
平均ボーナス額：43万5,100円

（企業規模10人以上の場合。平均年齢50.2歳／平均勤続年数11.6年）

パートの時給

雇用形態がパート（非正規雇用）のとなる看護師および准看護師の時給は、公益社団法人日本看護協会の「日本看護協会調査研究報告」（注2）によると、次のとおりです。

看護師：1,396円
准看護師：1,212円

なお、サービス業などのパートの時給は、1,000円前後が平均とされています。非正規雇用の看護師は正規雇用に比べると収入は少ないものの、サービス業などの一般的なパートの時給よりは好条件といえるでしょう。ただし、准看護師の場合は他業種のパートとほぼ同じ水準となります。

(注1）参照：厚生労働省「令和元年賃金構造基本統計調査」
(注2）参照：公益社団法人日本看護協会「日本看護協会調査研究報告」

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看護師の初任給はどれくらい？

平均年収が他職種よりも比較的高い看護師ですが、その初任給も気になるところです。前述の「日本看護協会調査研究報告」によると、2020年度採用予定の看護師の平均初任給額は次のようになります。

3年課程卒業：26万4,307円（基本給与額：20万1,263円）
大学卒業：27万2,018円（基本給与額：20万7,856円）
看護系大学院卒業：27万7,472円（基本給与額：21万1,814円）

上記の平均初任給額は、カッコ内の基本給与額に通勤手当や夜勤手当、当直手当などの各種手当を含めたものです。さらに、時間外勤務手当を上乗せし、そこから社会保険料を差し引いた金額が手取りの給与額となります。

看護師の初任給について詳しく知りたい方は、以下の記事も合わせてご覧ください。

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看護師の賞与はどれくらい？

看護師の平均年収は、ボーナス額によって大きく左右されるため、勤務先のボーナス額は入職前にチェックしておきましょう。ここからは、看護師の平均賞与を解説します。

看護師の平均賞与

看護師のボーナス額は、1年間あたり「月収の4ヵ月分」が目安です。一般的にボーナスは半年に1回支給されるため、1回あたりのボーナス額はおよそ「月収の2ヵ月分」となります。

ただし、看護師のボーナス額は勤務先の規模や自身の年齢、正看護師か准看護師かによって差があります。

賞与は勤務先によって違う

ボーナス額を決めるのは勤務先のため、同じ看護師でも医療機関によって金額が異なります。基本的には、労働者数が多く規模の大きな施設ほど、月収もボーナス額も高い傾向にあります。

また、国立病院の看護師の場合、1年間で4.2ヵ月分のボーナス支給が保証されています。さらに、毎年昇給のチャンスがあるため、全体的に給与水準が高いのが特徴です。

資格の有無でも賞与が変わる

勤務先によっては、手当の対象となる資格を持っていると、年収の底上げが可能です。また、資格取得は昇進のチャンスにつながるケースもあります。

昇進して役職に就けば、賞与計算のベースとなる月収が高くなるため、おのずとボーナス額もアップするはずです。

資格手当を受け取れる資格には、認定看護師や専門看護師などが挙げられます。さらなる年収アップを目指したい方は、ぜひ勤務先に確認してみてください。

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看護師の年収を男女・企業規模・都道府県・他業種で比較

ここからは、厚生労働省の「令和元年賃金構造基本統計調査」のデータをもとに、看護師の年収をさまざまな視点で比較してみます。

男女による年収比較

22歳から65歳までの43年間、看護師として働き続けた場合の男女別の生涯年収は、以下のとおりです。

男性：約2億1,331万円
女性：約2億698万円

（企業規模10人以上の場合）

勤続年数などの平均が異なるため、比較するのは難しいものの、男性の生涯年収のほうがやや高い傾向です。

企業規模（従業員数）による年収比較

続いて、看護師の年収を企業規模（従業員数）別に見てみましょう。

女性看護師の場合、企業規模が大きくなるに従い、平均年収も高くなる傾向にあります。

しかし、男性看護師の場合は、10～99人規模と100～999人規模の医療機関の年収を比較すると、前者の平均年収のほうが上回っています。1,000人以上規模の医療機関の平均年収が最も高い点は、女性看護師と同様です。

都道府県による年収比較

看護師の平均年収を都道府県別のランキングにすると、最も平均年収が高いのは東京都で約620万円です。第2位に神奈川県の約560万円、第3位に愛知県の約545万円が続きます。

ランキング全体を比較した場合、都市圏のほうが高年収の傾向にあります。第1位の東京都（約620万円）と最下位の青森（約371万円）では、平均年収に1.5倍以上の差があり、地域格差がうかがえます。

他業種との比較

看護師の平均年収を他業種と比較すると、129職種中、看護師の平均年収は第35位です。看護師よりも上位の業種には、航空機操縦士・医師・大学教授などが名を連ね、いずれも免許や資格を必要とする専門性の高い職業となっています。

全体的に見ると「看護師は平均年収の高い業種」といえるでしょう。

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看護師の経験年数ごとの給与の変化

看護師の給与は、経験年数が長くなるほど上昇していく傾向にあります。

以下は、厚生労働省の『令和元年賃金構造基本統計調査』をもとに作成した、看護師経験年数ごとの給与変化を示した表です。

	男性		女性
経験年数	所定内給与額	年間賞与額	所定内給与額	年間賞与額
0年	24万6,900円	11万1,600円	24万6,700円	8万3,900円
1～4年	27万9,800円	75万2,200円	27万6,300円	72万4,100円
5～9年	30万7,600円	86万1,600円	29万5,900円	81万円
10～14年	33万3,200円	106万5,300円	30万4,300円	84万5,400円
15年以上	34万4,100円	99万3,200円	32万3,200円	95万2,300円