はじめて看護師になるときや転職活動時に重視すべきポイントの1つに「診療科選び」があります。看護師が働ける診療科はたくさんありますが、人気な診療科があったり、診療科によって向いている人や働き方が異なったりします。
そこで本記事では、看護師に人気の科や診療科選びのコツなどを詳しく紹介します。
診療科は何種類ある?人気の診療科は?
医療施設には様々な診療科があります。その中でもメジャーな内科と外科にも、細かく分けると消化器や呼吸器、循環器などたくさんの診療科があります。
その他にも精神科やリハビリテーション科などがありますが、実際にはどのくらいの診療科が存在しているのでしょうか。
診療科はなんと60種類以上!
診療科は専門的に分けると数え切れない程の種類があり、一度は目にしたことがあるような一般的な診療科だけでもなんと60種類以上あると言われています。
たとえば厚生労働省が定義する「診療科区分」によると、63の診療科に分けられています。
以前は、この診療科区分に記載されている診療科しか診療科名として掲げることができませんでした。しかし、平成18年に医療法が改正され、疾患の名称などを組み合わせて診療科名を掲げることが可能になりました。
診療科の種類が増えたのは、この法改正の影響とも考えられるでしょう。
参考:厚生労働省「広告可能な診療科名の改正について」
看護師に人気の科はどこ?
たくさんの診療科があると、自分が何科に向いているのかが分からなくなる方も多いのではないでしょうか。ここでは看護師に人気の科を紹介します。
小児科
病児と長期間関わることが多い病棟の小児科では子どもが段々と元気になっていく姿を見ることにやりがいを感じることが多く、非常に人気の診療科です。クリニックの場合も同じところに通い続ける子どもが多く、病棟と同じようなやりがいが感じられます。
相手が子どものため関わり方などでもちろん大変なこともありますが、それ以上に仕事に面白さを感じて長く続ける看護師が多いです。
産科
産科は看護師資格だけでなく助産師の資格も持っている方に人気の科です。業務内容に制限はあるものの、助産師資格を持っていなくても働ける職場もあります。
他の科では体験することのできない「新たに誕生する命」と向き合えるのが産科の魅力です。言葉では表せない感動があるため、人気の科となっています。
整形外科
整形外科は骨や筋肉を扱い、基本的に完治する疾患が多いです。そのため、生命の危機に立ち会う瞬間が少なく、プレッシャーを感じにくいという点で看護師に人気の科です。
リハビリをしながら患者さんとコミュニケーションをとる機会も多いため、「患者さんを支えている」という実感が持ちやすいところも人気の理由のひとつのようです。
診療科選びのコツや気をつけるポイントは?
診療科を選ぶ際には、どのような点に気をつけるべきなのでしょうか。
どの診療科を選ぶかは人それぞれですが、選ぶ際に何に重きを置くのかを自分自身で理解しておくと、より自分に合った診療科を見つけることができます。次に紹介するポイントを参考にしてみてください。
何にやりがいを感じるか?
看護師として働く上で、「どのような時にやりがいを感じるか」とは診療科を選ぶ際に非常に重要なポイントの1つです。
- 患者さんが回復した時
- 新しい知識が実践できた時
- 患者さんとコミュニケーションをとる時
上記のようにやりがいを感じるポイントはさまざまです。やりがいを感じるポイントによって向いている診療科は異なるため、まずは自分がどんな時にやりがいを感じるか考えてみましょう。
どんな働き方をしたいか?
仕事に何を求めるかは看護師によって異なります。例として以下のような働き方が挙げられます。
- 看護師としてスキルを磨いてキャリアアップをしたい方
- ワークライフバランスを大事にしたい方
- 新しい症例に振れることで最新の医療を身に着けたい方
- 1人の患者さんに長い時間をかけて丁寧に向き合いたい方
診療科によってどのような働き方ができるかは全く異なります。配属されてから「こんなはずじゃなかった」とならないよう、働く環境で何を重視したいかをじっくり考えてから診療科を選ぶようにしましょう。
将来どうなりたいか?
あまり先のことを想像するのは難しいかもしれませんが、「自分が将来どうなりたいか」を考えて診療科を選ぶのもおすすめです。キャリアプランから逆算することで自分が選ぶべき診療科が見えてくる場合もあるでしょう。
特に女性はライフステージで働き方が変わる可能性もあるため、先を見据えて選ぶことができるといいかもしれませんね。
タイプ別おすすめ診療科をご紹介!
ここでは働き方のタイプ別におすすめの診療科をご紹介します!どの診療科に行くべきか悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
看護師としてバリバリ働きたい方におすすめの診療科
救命救急
救命救急は数ある診療科の中でもハードワークだと言われています。しかし、看護師としてキャリアを重ねたい方にはおすすめの診療科です。
一刻を争う状況の患者さんが多いため他の診療科よりも重い責任が伴いますが、その分患者さんを助けることができたときのやりがいはとても大きいです。それ以外にも最新鋭の医療を現場で学べるため、看護技術を向上できるところも魅力です。
ICU
ICUも看護師としてキャリアを重ねたい方におすすめです。
救命救急と同じくICUでの勤務は、生死に関わる状態の患者さんが多く、とっさの判断力が重要です。そのため看護師としての高いスキルが問われる上に、緊張するタイミングも多いでしょう。
さらに患者さんが危険な状態に陥った時、すぐに対応できるように常に勉強し続ける必要がありますが、得られる経験は何物にも代えがたいです。
じっくり患者さんに向き合いたい方におすすめの診療科
訪問看護
1人で何人もの患者さんを受け持つ病棟での勤務とは異なり、訪問看護では患者さん1人1人と時間をかけてじっくり向き合います。
在宅の場合は付き合いが長くなることも多いので、患者さんとの関係性を深めたい方にはおすすめです。
緩和ケア
患者さんの延命よりも、痛みや辛さを取り除くことを優先するのが緩和ケアです。
毎回受け持ちの患者さんが変わることの多い病棟とは異なり、緩和ケアでは1人の方を決まった看護師が診ることが多いです。そのため患者さんやその家族とより深い関係性を築くことができます。
プレッシャーを感じたくない方におすすめの診療科
皮膚科
大きい病院であっても皮膚科は外来のみであることが多く、急変や緊急手術が必要になるケースも他の科に比べると少ないです。
そのため比較的プレッシャーを感じることなく働くことができるでしょう。
眼科
こちらも皮膚科と同じく外来のみであることが多いためおすすめです。眼科では白内障や緑内障の手術を入院で行うことがありますが、ほとんどの場合が身体介助を必要としません。
そのため精神面にも身体面にも負担がかかりにくいですよ。
希望の診療科の伝え方
希望の就職先での面接や働いている病院での面談で、希望する科とその理由を問われることがあります。その際に自分が希望する科となぜその科を希望するのか、さらにその科でやりたいことを具体的に伝えることができると、気持ちが伝わり好印象を与えられます。
ここでは希望の診療科を伝える際のポイントと希望の科に配属されなかっときの対処法を紹介します。
ポジティブな理由とセットで伝えよう
診療科を変えたい時、ポジティブな理由ではないということもあるでしょう。
しかし、正直に「夜勤がつらい」「プレッシャーを感じたくない」などと伝えてしまうと面接官はあまり良い印象を持ちません。
希望の診療科の情報をしっかり下調べしておくと共に、これまでの経験がどう活かせるのかということも言えるようにしておくとよいでしょう。
異動したい理由にネガティブな内容が含まれていたとしても、「○○科での経験をこういうところに活かしたいと思ったから」というようなポジティブな理由に言い換えて伝えられるとより説得力が増します。
希望の科に配属されなかったときはどうする?
面接や面談等で希望の科を聞かれたとしても、残念ながら第一希望に配属されないケースもあります。配属されるかは希望する科の人員の状況や希望者の数によるため、タイミング次第です。
希望する科以外に配属される可能性も念頭に置いた上で、あらかじめ希望する科をいくつかピックアップしておくのもよいでしょう。
まとめ
この記事では看護師に人気の診療科や、診療科選びのコツなどを詳しく紹介しました。たくさんある診療科の中から自分に合った科を見つけ出すのは、簡単に見えて意外と難しいですよね。
しかし自分に合った診療科を見つけてより良い環境で働くことは、QOLの向上にも繋がります。転職がしやすいのも看護師という職業の強みの1つなので、働きづらさを感じている方は一度自身の働き方を見つめ直してみましょう。
バイトルPROでは30種類の診療科目から求人を選べるので、気になる方はぜひチェックしてみてくださいね。
ライター kyoko.
病棟を経験後、訪問分野に足を踏み入れた30代看護師。大学卒業後、4年制の看護大学に編入。中国・上海への留学経験を活かし「語学×看護師」の可能性を模索中。
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