介護士の募集には、「髪型髪色自由」と書かれているものがあります。髪色自由とは、実際どの程度の髪色まで許容されているのでしょうか。髪色を規定しない施設でも、社会人の常識に任せられていることも多く、明示がないだけで実際は目安があることも多い傾向です。
髪色に関する条件を知っておくと、介護士の仕事を始める際の不安がやわらぐでしょう。本記事では、介護士の髪色に対する考え方や、髪色を選ぶ際の注意点、ヘアアレンジのポイントをご紹介します。
介護士は髪色選びも身だしなみ
介護士の身だしなみは、特に以下の3つが重要です。
【介護士に重要な身だしなみ】
- 動きやすさ
- 利用者の安全確保
- 印象の良さ
髪型は、外見の印象を大きく左右する要素のため、髪色も配慮が必要です。まず、介護士の髪色がどの程度重視されているかを見ていきましょう。
髪色を重視しない施設が増えている
介護士の外見は、いくつか規定を設けている介護施設があります。規定の根拠になるのは、職場や職務にふさわしいかどうかの観点です。ただし、髪の毛を染めることは、多くの介護施設で許容されています。髪色に条件があるケースもありますが、介護士が自分の髪色を変えて楽しんでいても許容される範囲です。
一方、口ひげや装品、マニキュア、香水は使用が制限されることもあります。介護士に限らず、日常生活で整っていない無精ひげのような口ひげがあると不潔に感じる人も少なくありません。また、アクセサリー類などを使っていると、場にそぐわない華やかすぎる印象を与えてしまいます。
つまり、どちらも介護の職場や職務に対してふさわしくないものとみなされる傾向です。
派手な髪色はイメージが良くない
介護士の髪型や髪色は、清潔な雰囲気にまとめるのが重要です。一方、派手な髪色は業務に影響を与える可能性があります。
また、利用者の家族と接する際に、髪色が明るすぎたり派手すぎたりすると、あまり常識がない介護士と思われてしまうかもしれません。派手な髪色は、同僚から見た場合にも声をかけづらい印象を与えてしまうかもしれません。
黒色でも髪を結ばないと問題になることも
介護士の髪色が明るすぎるのは印象がよくありません。しかし、いくら黒髪でも髪型に気を使わなければ、介護士らしい清潔な雰囲気から離れてしまいかねません。例えば、女性介護士の場合、髪を結んでまとめておくのが適当です。
肩下よりも長い髪を結ばずに降ろしていると、利用者の介助をする際に髪が邪魔になります。食事や入浴、排せつ介助などの際に、もし利用者が介護士の髪の毛を引っ張ったり髪が衣類に絡んでしまったりした場合に危険です。
髪色に限らず、介護士は邪魔にならないまとめ髪かショートヘアが無難かもしれません。
介護士が髪色を変える際の注意点
介護士は、多少髪色を変えても問題ないことが多い傾向です。どのような髪色までが許容される傾向にあるのか見ていきましょう。
利用者に嫌がられないかを確認
介護士の求人では、髪型や髪色に制限がなく、募集時にも「髪型髪色自由」と明記されている求人もあります。しかし、自由といっても完全に髪色が自由というわけではありません。介護士は、利用者と直接接する仕事のため、利用者がどのように感じるかが重要視されます。
施設によっても髪色髪型自由の線引きはあいまいですが、利用者に不快感を与えない程度の髪色が基準となるでしょう。また、介護士は、散歩などで近隣の方と接したり、面会などで利用者の家族に接したりする機会もあります。利用者や職場の雰囲気に合わせて、嫌がられない髪色を選ぶことが大切です。
介護士の「髪色自由」目安
髪色自由の施設の場合、暗めの茶髪なら認められることが多い傾向です。明るめな茶髪で問題ない施設もあるでしょうが、あとで指摘を受けないか心配な場合には少し暗めのトーンを選びましょう。介護士の許容される髪色は、自然な黒やこげ茶色が一般的ですが、判断は施設によって異なるのが実情です。
就業規則で「髪色は抑えた色」と明示していたり、具体的なカラースケールを持っていて「〇番の色まで許容」と定義したりする施設もあります。例えば、病院の場合、介護士が金髪で働くのは難しいでしょう。
訪問介護も「他人の家に失礼のないように入らせていただく」といった気持ちを忘れずに、自然な髪色に抑えておくのがおすすめです。また、赤や緑、ピンクなど原色系の髪色は、社会人としてふさわしくありません。髪色自由の施設でも、ミルクティベージュやグレージュ、ハイライトなどは判断が分かれる色です。
派手な髪色の場合には人間性をアピール
介護士の身だしなみは、「これさえやっていれば、利用者に100%受け入れてもらえる」といった決まりはありません。髪色についても同様です。人によっては、金髪でも利用者から人気があるケースがあるかもしれません。介護士に重要なのは、マニュアルを守ることよりも利用者を思う気持ちや察する力です。
そこで、髪色が明るい場合は「相手から良い印象を持たれていないかもしれない」という気持ちを持っておくとよいでしょう。優しい声かけや一生懸命な姿勢を見せるなかで、信頼関係が築かれていきます。頼もしい人間性がにじみ出ていて、安心して任せられる人であれば、髪色が問題になりにくいでしょう。
髪色を自由に楽しみたい場合は、周囲に不安を与えないように、より一層の注意が欠かせません。
介護士のヘアアレンジのポイント
ここでは、介護士のヘアアレンジのポイントをご紹介します。よくわからない場合には、先輩や同僚の髪色やヘアアレンジをよく見て判断するのがおすすめです。
まとめ髪で利用者を傷つけない
介護職は、利用者の安全のために髪が長い場合はしっかりとまとめましょう。前髪は、顔にかからないように留めておくのが基本です。特に、ピン類は外れた場合、誤飲につながる恐れがあるため、使用禁止の施設もあります。
ピンが使えない場合には、前髪を三つ編みにして後ろの髪と一緒にまとめてしまうのも一案です。利用者を傷つけない配慮が欠かせません。パーマをかけておくと、1つに結んだときにまとまりやすい点がメリットです。
ポニーテールにしたり、低めの位置に結んで髪に巻きつけたりするだけで簡単にまとめ髪が作れます。仕事中に髪が乱れないようにスプレーやワックスで固めておくと便利です。
ショートヘアはボブで親しみやすさを高める
介護では、邪魔にならなく動きやすいショートヘアも便利です。前髪は、目にかからないように注意します。襟足を短くそろえたショートボブや、前髪なしのワンレンボブも乱れにくく介護に便利な髪型です。もし、仕事中に汗をかいて頭のなかが蒸れてしまう場合は、頭皮用のデオドランドスプレーやドライシャンプーなどを持ち歩くとすっきりします。
シュシュやクリップは目立たない色にする
シュシュやクリップは、伸ばしかけの髪を束ねる際などに使い勝手が良いヘアアイテムです。髪色に関する目安と同様に、ヘアアクセサリー類の色も黒または茶などシンプルなデザインのものを選びましょう。シュシュを選ぶ際は、中のゴムが固くしっかりしたものかを確かめましょう。
髪色を重視する場合は応募時に確認
髪色にこだわりたい人は、仕事に応募する前に髪色の規定を確認しましょう。髪色や髪型は、「常識の範囲内」「清潔感のある髪色」と具体的に明示されていないこともあります。髪色自由の介護職でも、赤や緑などすべての髪色が許容されているとは限らないので注意が必要です。
また、髪色が派手な場合、髪色のせいで周囲に悪いイメージを与えているかもしれないと覚悟して丁寧な仕事に努めるようにしましょう。事前に施設内が見学できる場合には、施設のメンバーに髪色を合わせるのがおすすめです。
まとめ
一般的に、介護士の髪色は、自然な黒やこげ茶色などが望ましいでしょう。髪色自由の施設でも、利用者に嫌がられないよう周囲の職員のようすを踏まえて選ぶことが大切です。もし、自分の髪色が少し派手な場合には、事前にどのぐらいの色が許容範囲なのか直接施設の担当者へ確認するとよいでしょう。
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