介護士は、高齢者や障害者など介護が必要な人と接し、生活を支援する仕事です。身の回りのお世話をするためには、人としっかりと関わらねばなりません。そのため、向き・不向きもあるでしょう。
ここでは、介護士に向いている人と向いていない人の特徴や、自分に合った職場を見つけるポイントを紹介します。自分に介護の資質があるのか気になっている人、介護職に興味がある人は、ぜひ参考にしてください。
介護士に向いている人の特徴
介護士には向き・不向きはありますが、介護士向きの性格でなくても介護職へ就くことはできます。もちろん、介護士向きの性格であれば、よりスムーズに利用者とコミュニケーションをとることが期待できるため、信頼されやすいでしょう。
ここでは、介護士に向いている人の特徴を5つ紹介します。
コミュニケーション能力が高い
介護士の仕事は、介護が必要な人や、その家族との関わりがあるため、介護の現場では周囲のスタッフと連携を取り、業務を円滑に進める必要があります。介護士としての重要な資質の一つは、人と上手にコミュニケーションを取れること。例えば、「人と関わるのが好き」「人に興味がある」「人と楽しく会話できる」といった人は、介護の仕事に向いています。
責任感がある
介護士は、介護の現場で利用者の命を預かる立場になります。そのため、自分の仕事に責任を持ち、向き合えるかどうかは、介護士に向いているかを見極める大きなポイントといえます。例えば、以下のようなことは、利用者の命を左右すると言っても過言ではありません。
- 利用者の様子に常に気を配り、観察することで、ささいな変化に気付けるか
- チームや多職種間で上手く連携を取り、より良い介護を提供できるか
- 自分勝手な判断をせず、さまざまな可能性を検討できるか
自分のミスに言い訳をせず、人に責任転嫁しない人は、周囲からの信頼も厚いものです。責任感がある人は、介護の仕事を任せるに足る人という評価を受けるでしょう。
気配りができる
介護の仕事で重要なのは、利用者の言葉にしっかりと耳を傾け、利用者の立場で考えることです。どのようなことを望んでいるのか、どのようなことに不満があるのかを十分に考慮しながら、気配りができる人は、介護の仕事に向いています。介護士は、利用者やその家族が言葉を発しやすいような雰囲気作りはもちろん、相手の言葉を聞き続ける忍耐力も必要です。
中途半端な思いでは、なかなか聞き続けることはできません。言葉からわかる事だけではなく、相手の様子を観察し、察することも、気配り上手の証です。
勉強熱心
介護に関する技術や知識は、日進月歩です。新しい考え方や介護方法が日々更新されるため、常にアンテナを張り、勉強を続けることが必要です。そのため、介護の研究発表や勉強会に足を運び、積極的に耳を傾ける姿勢が、介護士には求められます。
介護福祉士の資格を取得しても、それをスタート地点だと自覚し、学び続け、実践していける人や、新しい知識を吸収することに熱心な人も介護士向きです。さらに、自分が得た情報を人に発信したり、わかりやすく説明したりできるのも、介護士の適性があると言えるでしょう。
夜間や休日に働くことに抵抗がない人
介護士は、体が資本となる体力勝負の仕事です。介護施設の多くは、2交代もしくは3交代制で勤務するため、日勤・夜勤を上手くこなさなければなりません。夜勤や土日祝日の出勤もあるため、夜間や休日に働くことに抵抗がない人は介護士向きです。
介護士に向いていない人の特徴
介護士向きの人がいる一方で、介護士になると苦労する人がいることも事実です。介護士として働き始めてから、違和感を覚えたり、介護士としての適性に疑問を抱いたりする人もいるかもしれません。ここでは、介護士の仕事に向いていない人の特徴を3つ紹介します。
せっかちな人
介護士は、利用者が快適に過ごせるように、身の回りを整えるサポートをしますが、その時間は限られています。そのため、「できるだけ効率よく仕事をこなしていきたい」と考えるのも無理ありません。しかし、相手は高齢者や障害者など介護が必要な人のため、思うようには仕事が進められない場合もあります。
介護士は、利用者のペースに合わせた介助が必要です。介護士がせっかちでは、利用者へ大きな負担をかけてしまうかもしれません。介護者のペースに合わせることが大切です。
気配りができない人
先述したとおり、気配りできるかどうかは介護士の重要な資質の一つです。相手がどのようなことを願っているのか、どのような痛みがあるのかを察せず、思いやりのある行動ができない人は、介護士に向いていません。介護士がお世話をするのは、高齢者だけでなく行動に不自由がある人や言葉をうまく発せない人、認知症の人なども含まれます。上手くコミュニケーションを取れないことが前提となるため、介護士が想像力を働かせて考えることも必要です。
利用者一人ひとりにどのようにアプローチするのかを考えられず、相手に寄り添った行動ができない人は、なかなか信頼してもらえないでしょう。
自分のペースで仕事したい人
介護の仕事は、利用者と介護士、介護士同士の連携が必要です。さまざまな人が協力し合いながら、チームで取り組み、介護が成り立つといっても過言ではありません。そのため、自分のペースを守りたい人、自分なりのペースで仕事をしたい人には、介護士の仕事はおすすめできません。
介護士は、利用者のペースを考えつつ、チームの仲間と密な連絡をとり、ささいなことでも情報を共有する意識が求められます。
自分に合った職場を探すためのポイント
介護士に向いていても、自分に合う職場を見つけられるかはわかりません。せっかく働くなら、働きやすい職場を選びたいものです。介護施設にも、場所ごとに特徴や雰囲気が異なるため、自分に合うかどうかは実際に働き始めてからでないとわかりません。それでも、「就職する前に雰囲気を確かめたい」「できるだけ慎重に見極めたい」という人は、以下の2つのポイントをチェックしてみましょう。
実際に訪問して職場の雰囲気を感じる
候補の介護施設がある場合は、公式サイトなどで職場の雰囲気を確かめることができます。しかし、実際に肌で確かめないとわからない部分もあるため、できる限り職場を訪問して雰囲気を感じてみましょう。介護施設に足を運ぶことで、スタッフがどのような様子で動いているのか、施設の細かなところにまで気配りできているかどうかがわかります。
また、自宅から介護施設までのアクセスもよくわかるでしょう。入職すると、週に5日以上はその介護施設と自宅を往復することになります。職場の雰囲気のみならず、アクセスのよさなども職場選びのポイントの一つです。
転職サイトを活用する
転職したい介護施設がある場合は、希望する施設を訪ねたり、直接相談したりできます。しかし、決め手に欠けていて、どの介護施設がよいか決めかねている場合は、転職サイトを活用するのも一つの手です。転職サイトであれば、自分の条件に即した案件を見つけることができます。施設の種類はもちろん、交通アクセスや給与額、勤務時間、夜勤の有無など、さまざまな条件で介護施設を絞り込めるでしょう。
この段階で、給与の金額や内訳、昇給の仕組みなどもしっかりと確認しておくのがおすすめです。子育て中の人や勤務時間の希望がある人でも、条件に即した職場を探せるでしょう。急いで転職先を探す場合も、ある程度余裕を持って探す場合も、自分なりのペースで探せることはメリットです。
まとめ
介護士は、施設利用者やその家族、医師や看護師、同僚などとこまやかなコミュニケーションを取り、利用者の日々の生活を支援する仕事です。しかし高齢者や障害者など介護が必要な人の身の回りのお世話をするため、思うように仕事が進まないこともあります。利用者の立場に立って、思いやりをもって接することができる人、忍耐力のある人、責任感がある人などが、介護士向きの性格と言えるでしょう。
一方で、気配りができなかったり、自分のペースで動きたかったりする人は、介護士として勤めても周囲の負担になるなど、お互いにストレスを溜めやすくなります。たとえ、介護士向きでなくても、本人の努力次第で介護士として花開くこともあるでしょう。日々の学びを怠らず、利用者との信頼関係を築き、介護士として活躍できるよう尽力することが大切です。
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