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障害児保育に役立つ資格とは?仕事内容や特徴も解説!

  • 仕事お役立ち情報

目次

保育士として働いていると、身体障害や発達障害など、なんらかの課題を抱える子どもと関わる機会があります。そのなかで「本格的に障害児保育に携わりたい」「障害児保育を行う施設で働きたい」と考える人も多いのではないでしょうか?

この記事では、障害児保育に必要な資格やスキルなどを解説します。また、障害児保育に関われる施設も紹介しますので職場選びの参考にしてください。



障害児保育とは?

障害児保育とは、なんらかの障害がある子どもに対して行う保育を指します。障害児保育の言葉は幅広く、保育園で障害のある子どもを受け入れて、適切な保育をすることはもちろん、児童発達支援施設などでの援助にも使われます。


障害児保育の現状

障害の程度が重い子ども以外にも、特別な配慮や支援を必要としている子どもは多く、障害児保育の需要は年々高まっています。

厚生労働省の資料によると、障害児サービスの利用者は平成26年~令和元年までの5年間で、約8.8万人から約22.6万人と、約2.3倍に増加しています。

参考:厚生労働省「障害児通所支援について」


障害児保育を利用する子どもの特徴

障害児保育を利用する子どもの特性はさまざまです。主に身体障害・知的障害・発達障害などがありますが、障害の種類だけでなく、その程度も子どもによって異なります。

身体障害者手帳や療育手帳を持っている子どもはもちろん、発達障害の疑いがあり集団生活が難しい子どもなども障害児保育を利用します。主な障害の特徴は次の通りです。


身体障害

身体障害は肢体不自由の他、視覚障害、聴覚障害、言語障害、内部障害など目に見えない障害も含まれます。障害の種類や程度によって個人差が大きく、保育園の基準により受け入れ不可となるケースもあるようです。

参考:厚生労働省「障害者の範囲」


知的障害

知的障害とは、精神遅滞とも呼ばれる知的発達に課題を抱える障害のことです。日常生活のなかで、知的機能の遅延や適応機能の制限がある障害と言われています。

知的障害の原因として考えられるのは、染色体異常や先天代謝異常など多岐にわたります。幼児期には、言葉の遅れから知的障害を疑われるケースがあるようです。

参考: 厚生労働省 e-ヘルスネット


発達障害

発達障害とは、脳の働き方の違いにより行動面や情緒面に特徴がある障害です。生まれつきの障害のため、しつけや育った環境の問題ではないと言われています。保護者が育てにくさから悩みを抱えたり、子どもが生きづらさを感じたりすることがあるようです。

発達障害には、注意欠陥・多動症(ADHD)や学習障害(LD)、自閉スペクトラム症など、さまざまな種類があり、同じ障害でも特性のあらわれ方が異なるケースも珍しくありません。

参考:厚生労働省「みんなのメンタルヘルス」



障害児保育の仕事内容と特徴

障害児保育は、保育園や児童発達支援センターなどで行います。仕事内容は、勤務する施設によって異なりますが、基本的には保育園での保育とあまり変わりません。食事や排泄、着脱などの日常的なお世話に加え、障害や発達に合わせた遊びの提供を行います。

場合によっては、個別支援計画を立てて子どもの自立を促すサポートも必要です。そのため、障害児保育には障害に関する正しい知識が求められます。特性に合わせた見守りや、手厚い対応をするなかで、子どもの些細な変化や成長を見つけられるのが、障害児保育の魅力と言えるでしょう。



障害児保育に携わるために必要な資格やスキル

障害児保育に携わるためには、どのような資格が必要なのでしょうか?ここからは、障害児施設の配置基準をもとに、必要な資格について解説します。また、障害児保育に役立つ資格やスキルもご紹介しますので、参考にしてみてください。


障害児保育に必要な資格

障害児保育を行う保育園で働くには、保育士資格が必須です。その他、児童発達支援センターなど、施設によって必要とされる資格はさまざまです。働く場所により異なりますが、次のような資格があれば障害児保育に携われると言えます。

  • 保育士
  • 幼稚園教諭
  • 児童指導員
  • 社会福祉士
  • 医師や看護師
  • 栄養士や調理師
  • 児童発達支援管理責任者

児童発達支援管理責任者(児発管)とは、障害がある子どもの個別支援計画の作成やサービスを管理する責任者です。児発管の資格があれば、児童発達支援センターだけでなく、放課後デイサービスや保育所訪問支援、障害児入所施設などで指導する立場として働けます。

児発管になるには、5年以上の実務経験と研修の修了が必要です。詳細は以下の児童発達支援管理責任者協会のサイトからご確認ください。
一般社団法人 児童発達支援管理責任者協会

参考:厚生労働省「児童発達支援センターの最低基準及び指定基準(案)の概要」


障害児保育に役立つ資格

それぞれの施設へ配置が定められている資格の他に、障害児保育に役立つ資格はたくさんあります。資格を取得したからといって、必ず就職に有利になるわけではありませんが、応募時の大きなアピールポイントになるでしょう。

また、通常の保育園での業務にも役立つため、スキルアップとして資格取得を目指してみてはいかがでしょうか?ここからは、障害児保育に役立つ資格の概要を解説します。


医療保育専門士

医療保育専門士とは、日本医療保育学会が認定している資格です。医療を必要とする子どもへ専門的な保育支援を行うことを目的としています。病院や診療所、病児保育室、障害児施設における保育や、本人や家族の生活の質の向上を目指す役割を担っています。

医療保育専門士の資格を取得すると、入院している子どもはもちろん、障害があり通院を余儀なくされる子どもへの対応知識も身につけられるでしょう。資格取得には次の条件を満たしたうえで、講習や論文審査に合格する必要があります。

  • 日本の保育士資格を取得している
  • 病院や診療所、病児保育、障害者施設などでの常勤1年以上の勤務、非常勤は年間150日以上(2年以上)の保育経験がある
  • 日本医療保育学会の会員で、申し込み時に1年以上の会員歴がある

申し込み方法は次の日本医療保育学会のサイトでご確認ください。
一般社団法人 日本医療保育学会「資格認定研修会の申し込み」

なお、医療保育専門士の資格は病棟保育士にも役立ちます。病棟保育士として小児病棟で障害児の保育に携わることも可能なため、興味のある人は次の記事も参考にしてみてください。
病棟保育士とは?小児病棟で働くスケジュールや必要な資格を解説!


臨床発達心理士

臨床発達心理士とは、発達心理学をベースに人の発達・成長・加齢に寄り添い、必要な援助を提供する専門家の資格です。資格取得により、適切な支援計画の立案や、障害児保育が可能となります。また、障害児を抱える保護者や、障害児を担当する保育士への支援にも役立ちます。

臨床発達心理士は、臨床発達心理士認定運営機構が認定している民間資格で、申請・審査は原則として年1回おこなわれています。申請は、ご自身の経歴ごとにいくつかの条件を満たす必要があります。

  • 発達心理学隣接諸科学の大学院修士課程在学中または修了後3年未満
  • 臨床経験が3年以上ある
  • 大学や研究機関で研究職をしている
  • 公認心理師資格を取得している

詳しい申請条件や審査内容は、次の臨床発達心理士認定運営機構のサイトでご確認ください。
一般社団法人 臨床発達心理士認定運営機構


児童発達支援士

児童発達支援士とは、発達障害などを抱える子どもの支援を目的とした資格です。人間力認定協会が認定する民間資格で、受験資格は特に設けられていません。発達障害児支援に興味・関心がある人に向けた講座が準備されているため、障害児保育に役立つのではないでしょうか?

資格取得のための試験は随時行われており、自宅でのテキスト学習や動画の視聴が必要です。その他、概要は人間力認定協会のサイトをご確認ください。
一般社団法人 人間力認定協会


発達障害児支援士

発達障害児支援士とは、発達障害児の指導・支援に関わる人向けの資格です。日本発達障害支援協議会が認定する資格で、現場での実践的な対応力を上げることを目的としています。

講座の受講により、子どもの表面的な障害特性だけでなく、根本的なアプローチができるようになります。研修内容の詳細は日本発達障害支援協議会のサイトをご確認ください。
日本発達障害支援協議会


障害児保育に大切なスキル

障害児保育は通常保育とは異なり、子どもが抱える障害に対する正しい知識と理解が必要不可欠です。その他、障害児保育に大切なスキルは次の通りです。


子どもの特性を理解する観察力

障害の名称が同じでも、子どもによってその特性には個人差があります。そのため、子どもの特性に合わせた個別のサポートが必要です。障害児に関する知識は、保育士のキャリアアップ研修でも学べます。保育士のキャリアアップ研修は次の記事でも詳しく紹介しています。
【保育士のキャリアアップ研修】研修内容や処遇改善による給料アップについて解説

また、障害の知識だけでなく「子どものペースに合わせて待つ」「積極的な手助けをする」など、個々の特性に合わせた保育をするための観察力が求められると言えるでしょう。


障害の状態や発達に合った保育力

障害児保育は、子どもの障害や発達状況に合わせた保育力が求められます。例えば、同じ絵を描く活動でも子どもによって難易度が異なり、場合によっては参加できないケースも。

障害の有無や程度を問わず、みんなが楽しめるような活動を臨機応変に提供できる保育力が求められます。これは、障害の知識だけでなく、現場での経験によって培われるものでもあるでしょう。


保護者とのコミュニケーション能力

障害のある子どもの保護者のなかには、子育てに強い不安を感じている人も少なくありません。とはいえ、医師でなければ障害に対する断定的な意見は伝えられないのです。

しかし関わり方によっては、心理的な負担を軽減させることはできるかもしれません。障害のある子どもをケアする同じチームとして、保護者と何でも相談し合える関係を築くコミュニケーション能力が必要です。



障害児保育を行える施設の種類

「障害児保育に携わりたい」と思っても、どのような施設で勤務できるか分からない人も多いでしょう。障害児保育には、主に通所型と入所型の施設があります。ここからは、主な施設を抜粋して、それぞれの概要を簡単に解説します。


通所型障害児施設

通所型障害児施設とは、障害のある子どもが保育園や児童発達支援センターなどに通い、保育や療育を受けるための施設です。まずは通所支援の主な施設について解説します。


保育園での統合保育

一般の保育園でも、障害児との統合保育が行われるケースがあります。障害児保育には特別な配慮が必要なため、自治体や保育園の方針によって受け入れ基準が異なります。最近では、障害のある子どもでも保育が受けられるように、障害児専門の保育園も設立されています。

その他、一般の保育園では、サポートが必要な子どもに担当保育士を配属する「加配制度」もあります。加配保育士は、子どもの自立支援や集団生活のサポートを行います。

「保育園で障害児保育に関わりたい」と考える人は、障害児保育実施の有無や加配保育士の募集を確認してみてはいかがでしょうか?

参考:厚生労働省「障害児保育について」


児童発達支援センター

児童発達支援センターとは、障害児やその家族に対する支援を行う通所型の施設です。その他、地域の療育支援施設の中心として、障害児やその家族への相談、障害児施設への援助・助言を行います。

保育園などの施設に通い集団生活をする障害児のために、保育所等訪問支援をすることもあります。児童発達支援センターでは、保育士や児童指導員の配置が定められているため、興味のある人は求人を探してみてくださいね。

必要な資格:嘱託医・保育士・児童指導員・栄養士・調理師・児童発達支援管理責任者

児童発達支援センターの求人を見てみる

参考:厚生労働省「障害児通所支援について」


放課後等デイサービス

放課後デイサービスとは、障害のある就学児童向けのサービスです。学童クラブのような役割を持ち、児童の状況と個別支援計画に基づいた発達支援を行います。

放課後デイサービスでは、保育士や児童発達管理責任者、機能訓練担当職員などの配置が定められています。対象年齢が就学している障害児のため、乳幼児ではありませんが「障害のある子どもと関わりたい」と考える人にピッタリの施設です。

放課後等デイサービスの求人を見てみる

参考:厚生労働省「放課後等デイサービスガイドライン」


入所型障害児施設

入所型障害児施設とは、障害のある子どもを保護し、日常生活に必要な知識や技能を身につけるための施設です。主に福祉型と医療型に分けられ、それぞれサービスの内容が異なります。


福祉型障害児入所施設

福祉型障害児入所施設は、主に知的障害や盲ろうあ、肢体不自由児などを対象としています。入所する子どもに対して食事や排泄、入浴などのサービスはもちろん、相談支援、機能訓練、レクリエーション活動を通して自立支援を促します。

職員の配置基準は、入所する子どもの障害によって異なりますが、児童指導員、保育士などの配置が定められています。

必要な資格:嘱託医・保育士・児童指導員・栄養士・調理師・児童発達支援管理責任者・心理指導担当職員・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士


医療型障害児入所施設

医療型障害児入所施設は、専門医療と福祉を提供する施設です。主に自閉症児や肢体不自由児、重症心身障害児などを対象としています。福祉型でのサービスと合わせ、疾病の治療や看護、日常生活能力の向上のための訓練などを行います。

福祉型と同じく保育士などの配置が必要な他、医療法に規定する病院で必要とされる従業者の配置が定められています。

参考:厚生労働省「障害児入所支援」



まとめ

「障害児」といっても、それぞれの子どもが抱える問題には大きな差があります。そのため障害児保育は、子ども達の特性や発達を見極めた適切な保育を提供するスキルが求められるでしょう。

障害児保育に携われる施設はいくつかありますが、保育士や児童指導員など、求められる資格は職場によって異なります。今回ご紹介したように、必要な資格以外にも障害児保育に役立つ資格はたくさんありますので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。

障害児保育に興味のある人は、求人情報を検索して必要な資格をチェックしてみてくださいね。


ライター 山本あやか
元保育士で現在はライターとして活動中。保育士歴は10年で2児の母。幼稚園教諭一種免許と保育士資格を持つ。


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