「資格は持っているけど、保育業界で働いたことがない」「資格はないけど、保育士になりたい」という方にとって、未経験でも保育の仕事ができるかどうかは気になるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、未経験者の保育事情についてや、資格がなくても働ける保育の仕事を紹介していきます。実際に保育の仕事に就くためのポイントやノウハウも紹介するので、すぐに働き始めたい方も是非参考にしてみてください。
未経験でも保育の仕事に関われる
まずは、未経験・資格なしでも保育士になれるのか、保育業界で働けるのかどうかについて説明していきます。
未経験でも保育士になれる
みなさんが保育関連の仕事をしたことがなくても、国家資格さえ持っていれば保育士にはなれます。 資格を持っていれば経験や年齢を問わず、すぐにでも働くことが可能です。
また、資格を取得する方法は大きく分けて以下の3つです。
- 保育士養成校に指定されている大学・短期大学・専門学校を卒業する。
- 筆記と実技で構成されている保育士試験に合格する。
- 保育現場での実務経験を積んでから資格取得する。
このほかにも、資格取得には色々な細かい条件があるので、 気になった方は全国保育士養成協議会のページを参考にしてみてください。
資格がなくても保育業界で働ける
ここまで読んで、「資格を持っていない人は保育の仕事ができないの?」と残念に感じる方もいると思いますが、安心してください。未経験でも、資格がなくても、保育業界で働くことはできます。
資格はないが、保育の仕事をしたい方には保育補助から始めることをおすすめします。 保育補助は保育士の国家試験を受ける必要はなく、まったくの未経験者でも就業することが可能です。
保育業界は人手不足で、保育士などの有資格者のみでは働き手が足りていない状況です。そのため、多くの施設で保育補助が必要とされており、求人も増えています。
このように、資格や経験がなくても保育業界で働くことができるため、保育業界で働いてみたいと考えている方、子育てをしながらもいつか保育士になりたいと考えている方は、まず保育補助の仕事から始めてみるのはいかがでしょうか。
保育補助ってどんな仕事?
ここでは保育補助がどのような仕事で、どんな魅力があるのかを具体的にご紹介していきます。
保育補助について
保育補助とは
そもそも保育補助はどのような仕事なのか?
この保育補助を一言で説明すると、保育業務全般のサポートです。保育補助は保育士の指示を受けたり、有資格者と同じチームに所属したりしながら施設運営を手助けする存在となります。
保育補助は未経験・無資格でも可能なため、求人が多く、さまざまな人が挑戦できる仕事だと言えるでしょう。
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職種図鑑:保育補助
仕事内容
保育補助の仕事内容は、保育士をサポートして、子どもたちが安心して生活できるように日常生活の補助や施設の環境整備を行うのが一般的です。
食事の準備やおもちゃの片づけ、寝かしつけや昼寝の見守り、園内の清掃や洗濯など数多くの仕事があります。
保育士と保育補助の違い
保育士と保育補助の1番の違いは担任に就くかどうかです。
保育補助の役割はあくまで有資格者のサポートなので、保育業務の全般は有資格者である保育士が主導していくことになります。保育士だけでは対応が難しい場合に手伝いや補助を行い、より良い保育環境を整えていくことが保育補助の役目です。
保育士は国家資格を取得する過程で、児童福祉や保育について専門的に学んでいます。そのため、クラス担当として、保育計画の作成や保護者とのやり取りなど責任を伴う仕事がメインになります。
他にも保育補助ではなく保育士が行う業務として多いのが、季節ごとの行事企画や準備、保育目標に沿った計画や書類作成、保護者とのこまめな連絡や相談などです。このような業務を保育補助が行うことは少ないです。
一方で、保育士の人手不足や施設ごとの方針の違いから、保育補助の業務範囲が異なることもあります。施設によっては、保育士とほとんど同じ業務を任せられることも十分にあるので、その場合は実務経験を多く積める機会となります。
保育士と保育補助で役割の違いはありますが、どちらも子どもたちが安心安全に過ごせるようにサポートして、見守っていく責任があります。そして、子どもたちの成長を身近に感じながら、やりがいを持って働けるという点に違いはないでしょう。
給与・労働時間
給与
保育補助者の給与月額を見てみていきましょう。
平成29年度 | 令和元年度 | ||
---|---|---|---|
私立 | 常勤 | 161,553円 | 223,584円 |
非常勤 | 153,805円 | 168,561円 | |
公立 | 常勤 | 147,955円 | 148,720円 |
非常勤 | 158,611円 | 149,238円 |
参考:令和元年度幼稚園・保育所・認定こども園等の 経営実態調査集計結果<速報値>【修正版】
参考:平成29年度 幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査 集計結果について
私立で常勤の場合、給与月額の平均は223,584円(令和元年度)となっています。 平成29年度の給与月額の平均は161,553円であったため、この2年間で大きく上昇していることが分かります。
もちろん、雇用形態や地域によって違いはありますが、今後も人手不足の状況によっては給与額が上がっていくのではないかと考えられます。
労働時間
保育補助では、正社員よりもアルバイトやパートとして働くことが多いです。 実際に、バイトルPROの求人でも半数以上がアルバイト・パートの募集となっています。
それに伴い、仕事時間に関しては自由度が高く、午前または午後のみのシフトにすることも可能です。基本的には、アルバイトやパートは3時間からのシフト、フルタイムは8時間ほどのシフトが多いです。
また、正社員ではなく、契約社員や派遣、アルバイトやパートなどの雇用形態であれば、残業や休日出勤などが免除され、柔軟な働き方を実現できるでしょう。
保育補助のメリット・デメリット
メリット
保育補助のメリットとしては大きく2つあります。
1つ目は、柔軟な働き方が可能であるという点です。 先ほど述べたように、保育補助は勤務時間の自由度が高く、家庭と仕事の両立が行いやすい傾向にあります。
保育士になりたいけど、担任を任されるのは責任や負担が大きいと感じている人にとって、継続的に保育に関われる魅力的な仕事ではないでしょうか。
2つ目は、資格取得の前に実務経験が可能であるという点です。 保育補になるために資格は必要ないため、今すぐにでも保育補助として働き始めることができます。実務を通してのノウハウ、現場で実際に子どもと関わる生活は、資格を勉強するよりも得ることが多く、保育士として働く際にも活きる経験となります。
また、将来的に保育士資格の取得や正社員へのキャリアアップを目指す方も多いです。先に現場の様子を体感して、自分に合っているかどうかを見極めてからキャリア選択できることもメリットだといえます。
デメリット
デメリットとしては、やはり仕事内容が保育士と違う点にあります。 保育士のように担当を持つことはないので、児童の保育や保護者対応などメイン業務をする可能性は低いでしょう。
それに加えて、アルバイトやパートと正社員では雇用形態が違うため、給与水準に違いが生じることがあります。
そのため、自分は保育士をサポートする立場や業務内容が合っているのか、所得や働き方は自分の生活に適しているのかどうかを一度考えてみるとよいでしょう。
保育補助になるためには
ここまでの記事を通して、保育補助や保育関連の仕事の想像がついてきたのではないでしょうか。
保育補助の仕事を探す際、「自分に合った職場が見つかるのか心配」「書類や面接で自分をどのようにアピールすればよいのか不安」という方に向けて、保育補助になるための具体的なポイントを紹介します。
募集を探す時のポイント
近年の保育業界は人手不足の状況にあり、多くの施設が働く人を求めています。 しかし、手あたり次第で探していくにはあまりにも多くの求人があるので、自分の求める職場や環境が見つかりづらいです。
そこで、求人サイトを活用して仕事探しをすることをおすすめします。
求人サイトは職場環境や地域、細かい条件などを自分で絞り込んで検索することができます。また、写真や動画で職場の雰囲気がわかるサイトもあります。
それから、資格を持っていない方が保育士になれるように、保育補助として働きながら資格取得をバックアップしてくれる職場や企業もあります。
このように、より自分が望む形で働ける求人を探してみてください。
自己アピールのポイント
保育の資格や経験がなくても自分をアピールする方法はたくさんあります。
これまで他の業界で働いていた方はそこでの仕事経験をアピールしましょう。前職での仕事や経験は、保育業界の仕事であっても役に立ちます。
得意分野は人それぞれだと思いますが、人とのコミュニケーションスキル、仕事に対する前向きな姿勢や行動など、保育補助の仕事に活かせる強みは誰にでもあります。 子育ての経験がある方は、保育の現場で有利にはたらくことが多いです。
保育は子どもの生活をサポートする仕事なので、子どもとの関わり方や普段の動きなどを把握していることは、様々な状況にあわせて柔軟に対応できる強みとなります。
また、保護者と向き合い、子育ての悩みに寄り添うこともあります。そんなときに自身の体験や苦労がある子育て経験者は、親身で説得力のあるアドバイスもできます。そのような経験や知恵を施設も期待しているはずです。
そして、子ども好きであることも大きなアピールポイントになります。
仕事や子育ての経験がなくても、子どもが好きであれば素直にその気持ちを伝えましょう。好きだからこそより様々なことを自分から学び、吸収できるのだと思います。子どもに愛情を持って接してくれる方を保育園側も採用したいはずです。
まとめ
今回の記事で紹介したように、保育士の経験や資格がなくても保育業界で働くことはできます。
そして、今の生活を継続しながら柔軟な働き方をしたい方や、これから保育業界に挑戦したい方にとって、保育補助は良い選択肢になるのではないでしょうか。
保育補助は保育士の仕事を近くで支え、子どもの成長を手助けする仕事です。子どもたちの笑顔や元気な姿を見ながら、やりがいをもって働けるではないでしょうか。まずは自分に適した職場を見つけ、保育補助として経験を積みながら資格取得を目指していきましょう。
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