保育士は、子どもを保育する以外にもさまざまな業務を担っています。それぞれの仕事を安全かつスムーズにこなすためには、シーンに合わせたアイテムを揃える必要があります。
とはいえ「これから就職するから必要なものが分からない」「どのようなものがあれば便利かな?」と悩む人も多いのではないでしょうか?
そこでこの記事では、保育士の必需品をシーンごとにご紹介します。保育士として働く人も、保育士へのプレゼントを考えている人も、ぜひ参考にしてください。
保育士の必需品は?
保育士には服装や文房具など、さまざまな必需品があります。必要な持ち物は保育園によって異なりますが、基本は「部品が外れて誤飲の可能性がないか」「子どもに危険がないか」などを意識して、安全なものを選びます。
ここからは、服装や文房具の必需品をご紹介します。
保育士の服装に関する必需品
保育現場での服装は園によってさまざまです。保育園によって指定のジャージがある場合や、お揃いのTシャツやトレーナーの着用を定めていることもあるでしょう。
しかし、どの保育園でも共通しているのは「動きやすいもの」という点です。保育士は子ども達と元気いっぱい遊び、危険を察知して瞬時に動きます。
以下のようなポイントに注意して必需品の購入を検討しましょう。
動きやすい服装&靴
保育士が日常的に必要な服装は以下のとおりです。
- TシャツやロングTシャツ
- トレーナー
- ズボン
- 外用の上着
- 靴下
- 靴
- 帽子
どれも動きやすいものを意識するだけでなく、ボタンやフードなどの装飾がないものを選びます。また、ナイロン生地は子どもが滑りやすいため綿のものがおすすめです。
靴は、履きやすさを重視します。子どもから目が離せないため、ヒモを結んで履くタイプは不向きといえるでしょう。簡単に脱ぎ履きできるよう、マジックテープタイプの靴がおすすめです。
エプロン&時計
保育士のほとんどはエプロンを着用して保育にあたります。しかし、形やキャラクターの有無に指定がある場合も珍しくありません。購入前に確認し、以下のようなポイントに注意して選びましょう。
- 丈は立ったり座ったりしやすいよう膝上のもの
- ボタンなどの装飾がないもの
- 頭からかぶれて着脱が簡単なもの
- 大きなポケットがあるもの
乳児クラス担当の場合は、吐き戻しが多いため予備を準備しておきます。キャラクターに指定がなければ可愛いものを選ぶのがおすすめです。泣いている子どもに喜んでもらえることもありますよ。
また、保育士にとって時間の確認は必要不可欠です。設定保育の時間配分やお昼寝時の呼吸チェックなど、時計を頻繁に確認します。そのため、腕時計があれば便利でしょう。
とはいえ、腕を振り下ろした際に危険をともないます。また、抱っこ時に子どもに傷をつけてしまう恐れもあるため、衣服に装着できるナースウォッチがおすすめです。
保育士の文房具に関する必需品
保育士は、一般的な職業よりも文房具をたくさん使用します。保育園の物品で支給されるケースもありますが、気兼ねなく使用できるよう自分専用のものを揃える人もいます。
ここからは、保育士が使う文房具の必需品をご紹介します。
筆記用具や印鑑
保育士は、さまざまな書類を作成します。もちろんパソコンで管理する書類もありますが、手書きで連絡帳や指導案などを作成する保育園も多いでしょう。そのため、鉛筆や消しゴム、ボールペン、物差しなどが必要不可欠といえます。
エプロンのポケットには、保育士同士の引継ぎや保護者への連絡事項をメモできるよう、ペンとメモ帳を常備しておきましょう。ペンは、落とすと子どものケガにつながる恐れがあるので、クリップ型のものがおすすめです。
また、社会人として印鑑は欠かせません。勤怠に関する書類へ判を押すだけでなく、保育書類を確認した証として判を押す場面もあります。簡易の確認印であればボールペンと印鑑が一体化しているタイプが便利でしょう。
製作に使うアイテム
保育士は、頻繁に子ども達の造形指導の準備をおこないます。また、子ども達に季節感を感じさせたり、保育室を明るくしたりするための壁面製作も日常茶飯事です。そんなときは、以下のようなアイテムが必要です。
- スティックのり・テープのり・木工用ボンド
- ハサミ・カッター・クラフトはさみ
- セロハンテープ・養生テープ・カラーガムテープ
- 油性マジック・水性マジック・ポスターカラー
- 絵の具・クレヨン・クレパス・色鉛筆
- 折り紙・画用紙・お花紙・セロハン・模造紙
- 毛糸・すずらんテープ・リボン・フェルト
保育園の備品として使用できるものが多いと思いますが、他の先生と使用するタイミングが被ってしまったり、使い勝手が悪いものがあったりするケースも少なくありません。製作効率を上げるアイテムを、自分用に選ぶのも作業時間短縮になるのではないでしょうか?
保育士の季節ごとの必需品
保育士は、季節によって必需品が異なります。季節の移り変わりごとに慌てないよう、以下のようなアイテムを早めに準備しておきましょう。
保育士の春の必需品
保育士の春は、新年度の始まりで大忙しです。まずは、3月の卒園式、4月の入園式のためにフォーマルなスーツが必要です。保育園の雰囲気に合ったものを選べるよう、先輩保育士に系統を聞いてみても良いですね。
また、新年度は新しい子どもの特徴を確認したり、保護者からの問い合わせに対応したりと覚えることが増えます。そのため、メモ帳や新しい手帳、付箋などを活用して漏れのないよう注意しましょう。
保育士の夏の必需品
保育士の夏は、暑さや日焼けへの対応が必要です。帽子やアームカバー、タオル、日焼け止めは忘れず準備しておきましょう。
そのほか、外での活動が多いため虫よけにも注意したいですよね。園によっては子どものアレルギーの観点から、虫よけの使用を禁止しているところもあります。事前に確認し、特に禁止されていなければ子どもに優しいタイプのものを選びましょう。
保育中は、虫よけをスプレーしたり日焼け止めを塗ったりする時間をとれないことも多いので、朝のうちにしっかり対策しておくと安心です。
また、設定保育でプール活動が始まります。保育士も水着やサンダルが必要なケースがあるので、事前に確認しておくと安心です。そのほか、プール掃除などでハーフパンツを履いたり、汗をかいて着替えが必要になったりします。着替えは多めに準備しておきましょう。
保育士の秋の必需品
秋は、寒暖差が大きくなります。保育士は体が資本ですので、風邪をひかないよう簡単に羽織れるものを準備して体温調節をおこないましょう。
また、秋は製作展の準備をおこないます。そのため、食品トレーやお菓子の箱など、廃材を集めておくことをおすすめします。
そして、秋のお散歩時には子ども達がどんぐりやまつぼっくりを集めます。子ども達の気持ちを大切にできるよう、持ち帰り用のビニール袋を常備しておきましょう。
保育士の冬の必需品
冬は感染症が流行するため、子ども達の体調に留意しなければなりません。そのため、体温計や鼻水を拭くティッシュが必要不可欠です。
また、感染症予防としておもちゃの消毒も頻繁におこなうため、手荒れがひどくなる恐れがあります。ハンドクリームを活用して手肌を労わりましょう。
保育士が持っていると便利なアイテム
必需品とまではいかないものの、あれば便利なアイテムはたくさんあります。仕事に慣れ「もっと保育内容を充実させたい」「業務効率を上げたい」と考える保育士は参考にしてみてください。
行事に関する絵本や紙芝居
保育士は、子ども達に毎日絵本や紙芝居を読み聞かせます。基本的には保育園にあるものを活用したり、近隣の図書館で借りたものを読んだりするでしょう。
特に、桃の節句や端午の節句、七夕などの行事の際は、物語を通して由来を伝えたいですよね。
また、季節の製作に取りかかる前の導入にも欠かせません。しかし、行事が迫る時期は、関係図書が手に入りにくくなります。「この本は去年も読んだな」「行事の由来を伝えられる分かりやすいものが欲しい」と考える保育士は、行事に関する絵本や紙芝居をいくつか持っていると便利でしょう。
さまざまな楽譜やCD
保育園の方針にもよりますが、毎日ピアノを弾いている保育士も少なくないでしょう。しかし、年長児であれば、流行りの歌をリクエストされることも珍しくありません。
子どもの間で流行している歌は運動会などでも使いやすいため、気になったときに楽譜やCDを集めておくと便利です。
保育雑誌やイラストのCD-ROM
保育園が保育雑誌を定期購入している場合は、その雑誌を参考に壁面を作成しているのではないでしょうか?しかし、雑誌の種類によって内容は大きく異なります。
発達に課題のある子どもへの対応や、年齢別の製作案など、取り扱う内容も異なるため、自分に合った雑誌をチェックすることをおすすめします。
また、お便りの作成時には季節のイラストが入ったCD-ROMの活用が便利です。保育雑誌に付属していることもあり、いくつか手元にあれば作業効率を上げられるでしょう。
年間行事を記した手帳
保育園は、4月~翌年3月まで年間行事計画に沿って保育をおこないます。
そこでおすすめなのが保育に特化した手帳の作成です。例えば、行事予定に「こいのぼりの集い」があれば、行事に向けておこなった「こいのぼり製作準備」「製作仕上げ」「製作物持ち帰り」など、実際のスケジュールを記載します。
翌年、その手帳を見れば「いつまでに取り組めば行事に間に合うか」など、具体的なスケジュールを把握できます。その年の反省を記しておけば、翌年の業務効率改善にもつながるでしょう。
保育士にプレゼントするなら?
お世話になった保育士へ、もしくは仲の良い保育士の友人にプレゼントをあげたいと考えている人もいるかもしれません。しかし「どのようなものをあげたら喜ぶかな?」「保育士はいつも何を使っているのだろう?」と悩みますよね。
そこでここからは、保育士にピッタリのプレゼントをご紹介します。
仕事で使えるエプロンや靴下
エプロンなど仕事中に使えるようなアイテムは、もらって嬉しいプレゼントのひとつです。しかし、保育園の方針によっては使用するタイプが決まっていることも少なくありません。普段、どのようなものを使用しているか確認してから購入すると良いでしょう。
エプロンのほかにも、靴下も喜ばれます。特に上靴を履かずに保育する園では、靴下の消耗が激しいため、何枚あっても良いアイテムといえるでしょう。
ハンドクリームや日焼け止め
保育士は、手荒れや日焼けに悩むことが多い傾向にあります。冬の水仕事や夏の外遊びなどは避けられず、忙しさのあまりケアを怠ってしまうこともあります。
しかし、子ども相手のため塗り直している時間はありません。ときには、朝塗って汗で落ちたまま夕方を迎えることも。そのため、どちらも持続性の高いものがおすすめです。
疲れを癒すアイテム
保育園で使用するアイテムは規定があるケースも多く、知らずに購入すると使用できない恐れがあります。そのため、自宅で日頃の疲れを癒せるようなアイテムが良いのではないでしょうか。
特に、子ども達と走り回ってクタクタの体を癒すための入浴剤や、外遊びばかりで乾燥した肌を潤わすボディクリームなどがおすすめです。また、休憩時間を満足に取れない保育士も少なくないため、休日のティータイムを彩る用の紅茶やお茶菓子のセットも良いですね。
まとめ
保育士は普段の服装から、業務に関係するものまで必需品がたくさんあります。しかし、子どもを相手にする仕事ですから、どのアイテムも安全性に留意しなければなりません。
また、保育園によって持ち物の決まりは異なります。なかには「キャラクターものは禁止」「エプロンは着用しない」などのルールがあるケースも少なくないため、購入前に確認しておきましょう。
今回ご紹介した、業務時短につながるアイテムや、保育の幅が広がるようなグッズを活用し、保育士としてさらに充実した日々を過ごしてくださいね。「今の保育園は厳しすぎる」「もっと自分に合った職場で働きたい」と考える人は、転職を視野に入れて保育士の求人をチェックしてみてはいかがでしょうか?
ライター 山本あやか
元保育士で現在はライターとして活動中。保育士歴は10年で2児の母。幼稚園教諭一種免許と保育士資格を持つ。
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