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保育士をやめたい理由とは?今すぐ辞めるべき職場の見分け方や退職時の注意点を解説!

  • 退職・辞め方

目次

保育士は、子ども達の成長を見守るやりがいのある仕事です。しかし、勤務先によっては激務に見合わない低賃金に悩んだり、ギクシャクした人間関係に疲弊したりして「もう保育士なんて辞めたい」と考える人も少なくありません。

そこでこの記事では、保育士を辞めたいと思う理由や辞めるときの注意点について解説します。また、辞めたいと思う状況を改善する方法や、今すぐ辞めるべき職場の見分け方も紹介しますので、参考にしてみてください。



保育士を辞めたい理由

「子どもが大好きで保育士になった」「子どもの頃からの夢だった」と期待に胸を膨らませて保育士資格を取得したにもかかわらず、保育士を早期離職してしまう人が後を絶ちません。

平成26年の厚生労働省の調査では、保育士としての就職を希望しない「潜在保育士」のうち、半数以上が5年未満で保育士を早期離職していることが示されています。

では、なぜ保育士は離職を考えるのでしょうか?保育士を辞めたいと感じる要因を解説します。

参考:厚生労働省「保育人材確保のための 『魅力ある職場づくり』に向けて」


給料や福利厚生への不満

保育士は、一般的な職種に比べて給料が安い傾向があります。実際に「初任給の手取りが13万円だった」「10年働いても手取り18万円」といった保育士も少なくありません。また、保育園にもよりますが福利厚生が充実していないことに問題を感じていることもあります。

厚生労働省の保育士等に関する関係資料によると、職場への改善希望の1位は「給料・賞与の改善」です。その割合は全体の6割を占めており、多くの保育士が給料への不満を抱えていると読み取れます。

参考:厚生労働省「保育士等に関する関係資料」


残業や持ち帰り仕事への不満

保育士は、子ども達の保育をメインにおこなっていますが、そのほかにも日々の設定保育の準備や書類の作成、行事の準備などさまざまな業務を抱えています。保育の合間には保育室の掃除やおもちゃの消毒もおこない、すべての業務を勤務時間内にこなせないことも多くあります。

そのため、残った業務を残業や持ち帰りで対応しています。そのような時間外労働に手当がつかないことが多く、低い給料と相まって退職を考える要因となっているようです。


園長や先輩保育士との人間関係

保育園で働く保育士は女性の割合が多く、全体の9割ともいわれています。そのため、女性特有の人間関係に疲弊して退職を考える保育士が後を絶ちません。園長の横暴な指示や、先輩保育士からの嫌がらせなど、保育士によって抱える悩みはさまざまです。

どのような職種や職場でも、人間関係の問題は少なからずあると思います。しかし、女性ばかりの特殊な環境ではトラブルが起きやすく、クラス単位でチームワークを必要とする保育士にはとても大きな問題といえるでしょう。


保護者対応への疲弊

保育園では、子ども達の保育をおこなうだけなく保護者対応も大切な業務のひとつです。しかし、保護者によっては理不尽なクレームや過度なお願いを伝えてくる人も少なくありません。

もちろん、大切なお子さんをお預かりしているため、保育士もできるだけ要望に応えてあげたいと考えているでしょう。しかし、なかには明らかに自己中心的な要望も含まれているのが現状です。

子どもの保育をしたくて保育士になったにもかかわらず、保護者の顔色ばかり伺っているとなると、やりがいも半減してしまいますよね。そのような保護者の対応に疲弊して、保育士を辞めたいと考える保育士も後を絶ちません。


保育士に向いていないと感じる

それぞれ志を持って保育士になったとしても、働いてみて「思っていたのとは違った」と感じることがあります。クラスの子ども達をうまくまとめられなかったり、保護者との信頼関係が築けなかったりして、自身の未熟さに悩むこともあるでしょう。

そのような悩みから「自分は保育士に向いていない」と感じて退職を考える人も少なくありません。なかには、激務のなかで子ども達としっかり向き合えず「実は子どもがあまり好きではなかったかも」と思い悩む保育士もいます。保育士としての素質や適性に不安を感じてしまうと、ほかの職業への転職を考えるのも無理はありません。



辞めたい状況を改善するには?

保育士の仕事内容や待遇に悩み、ストレスを抱えながら過ごすのはとても辛いことです。しかし、なかには辞めたいと感じる理由があるものの、なんらかの理由で退職を躊躇している人もいるでしょう。

そのような状態のときは、一度立ち止まって「今の状況を改善するためにできること」を考えてみてはいかがでしょうか?先述した、保育士を辞めたいと思う要因を改善するための方法は以下のとおりです。


スキルアップを目指して収入を上げる

保育士にとって、給料の安さは死活問題です。しかし、人間関係の良い職場でお給料以外に辞めたい理由がないのであれば、退職するのはもったいないですよね。そんなときは、収入を上げるためにスキルアップを目指してみてはいかがでしょうか?

今まで保育園の役職は、園長と主任保育士のみで構成されていました。そのため、そのほかの保育士には手当がつかず、責任のある仕事を任されていても評価される機会がありませんでした。しかし、現在はキャリアアップの仕組みが導入され、処遇改善の取り組みがなされています。

処遇改善後のキャリアパスとして、園長と主任保育士のほかに副主任保育士や専門リーダー、職務分野別リーダーの役職が導入さました。それぞれ手当が加算される仕組みとなっており、収入アップを目指すことが可能です。保育園の規模によって職制階層は異なりますので、勤務先に確認してみてください。

参考:厚生労働省「保育士のキャリアアップの仕組みの構築と 処遇改善について」


書類や製作の仕事を効率化して働き方を見直す

保育士は日々の保育だけでなく、書類や製作などの業務も担っています。慣例として効率の悪い方法を採用しているのならば、業務改善することで効率化できるのではないでしょうか?

例えば、保育の手が足りている時間に保育士が交代で事務作業をおこなっても良いでしょう。また、製作物や壁面装飾は既成のものを使用したり、一度作ったものをラミネートして使い回したりすることで時短につながります。

そのほか、保育園全体で話し合って書類の簡素化やパソコンで情報を管理するICT化を検討することもおすすめです。どの保育士も「残業や持ち帰り仕事を減らしたい」と考えているはずです。どうすれば効率良く仕事ができるか、協力体制をとることを意識してみましょう。


同僚保育士との関係を見直して環境を改善

保育士にかかわらず、人間関係の悩みは退職理由の上位に挙がる重要な問題です。とくに保育士は、クラス単位での活動となるため、一緒にペアを組む担任や副担任は1年間常に一緒に仕事をします。万が一、相性が悪ければ年度途中での退職を考えることもあるでしょう。

このような人間関係の悩みは、適度な距離を保つことでストレスが軽減されます。保育観は人それぞれのため、必要以上に相手に合わせて神経をすり減らす必要はありません。適度な距離を保つことで、次年度には担当クラスが変わり、状況が改善されることも考えられます。

どうしても耐えられない場合は、園長や主任にペアを変更してもらえないか相談してみるのも良いかもしれません。



今すぐ辞めるべき職場の見分け方

どんなに状況の改善を図っても、保育士を辞めたい気持ちが変わらないこともあります。

働き続けることで、心身に支障が出たり、子ども達のことを可愛いと思えなくなったりすると辛いですよね。そのようなときは、今すぐ辞めるべき職場かどうか、以下のポイントをチェックしてみましょう。


法律を守った労働になっているか

どんなに思い入れのある保育園でも、法律を守らない労働を強要する保育園は今すぐ辞めるべき職場といえるでしょう。例えば、国が定める保育士配置基準を大幅に下回っている場合や、残業に対する手当が支給されない保育園は問題です。

園長から「タイムカードを切ってから仕事して」と言われることがあれば、労働基準法の違反となります。このような職場で改善が見込めない場合は、法律を遵守している保育園への転職を考えましょう。


自身の体調に支障が出ていないか

日々の激務や保育士同士の人間関係の問題に疲弊し、自身の体調に支障がでている場合は、早めに環境を変える必要があります。休みの日も仕事のことで頭がいっぱいになり夜も眠れない状態だったり、出勤しようとすると体調が悪くなったりするのであれば、体がSOSを出しているといえます。

体調を崩してまで続けなければならない仕事はありません。勤務先に信頼できる保育士がいれば相談したり、休職制度を利用したりしてみましょう。一度現場から離れて自身の体調を一番に考えることが大切です。



保育士を辞めたいと思ったときの注意点

保育士を辞めたいと考えたとき、退職の時期や転職先など考えることはたくさんあります。保育士を退職する際には、以下のようなポイントに注意しましょう。


退職を考える要因を明確にする

保育士を一時的な感情で辞めてしまうと、後悔することも考えられます。まずは「どうして辞めたいと思うのか?」「どの部分が改善されたら続けられるのか?」など、退職の要因を明確にしましょう。

感情的になって退職を考えている場合は、自分の気持ちと向き合うことで冷静になれます。また、その退職の要因によって「今の保育園を辞めたいのか?」「保育士自体を辞めたいのか?」といった気持ちがはっきりするはずです。


退職時期の相談をする

退職の意思が固いとなると、次に悩むのは退職時期や伝え方です。保育園は4月から新年度が始まるため、担任を持っている場合は3月末まで子ども達を見守る責任があります。そのため年度末での退職が最適といえます。しかし、体調不良などの事情があればその限りではありません。

退職の申し出は、後任の保育士を募集しなければならないといった事情もあるため早めにおこないましょう。保育園によっては、年明けごろに次年度の希望を面談で聞かれることもあります。

ここで注意すべきは、退職はあくまで報告という姿勢で伝えることです。退職時期は相談が必要ですが、退職すること自体は決定事項として報告します。曖昧な態度で伝えると引き止めに合う可能性があるため、注意しましょう。


退職に向けた準備をする

退職が決まれば、業務の引継ぎや残った有給の消化などを進めましょう。

退職するとなると、担当していた行事の引継ぎや、担任を持っていたクラスの子ども達に関する情報を、次年度の担任に共有する必要があります。春に向けて行事も多くなりますので、慌てないよう早めに取り掛かりましょう。

また、保育士に限らず、有給休暇は労働者の権利です。そのため、希望すれば退職前に有給休暇を消化できます。しかし、引継ぎや行事で有給休暇を取りにくい日もあるので、支障のない日に早めに取得しておきましょう。

有給休暇を使って転職活動を進めるのもおすすめです。その際は、退職理由をもう一度思い出し、保育士を続けるのか考えてみましょう。

もし「もう保育園で働きたくない」と思ったとしても、保育士の資格があれば保育園以外にもさまざまな場所へ転職可能です。乳児院や児童養護施設などの児童福祉施設はもちろん、院内保育や商業施設の保育ルーム、子ども服の販売などにも保育士資格は役に立ちます。



まとめ

今回は、保育士をやめたいと考えてしまう理由や実際に退職する際の注意点を解説しました。大切なのは「今の職場に耐えられないのか?」「保育士という仕事から離れたいのか」といった退職理由を明確にすることです。

もし今の職場に不満があるならば、ほかの保育園に転職すれば解決するかもしれません。子ども達の笑顔に囲まれるやりがいのある保育士ですから、環境を変えてより充実した保育士生活を目指してみてはいかがでしょうか?


ライター 山本あやか
元保育士で現在はライターとして活動中。保育士歴は10年で2児の母。幼稚園教諭一種免許と保育士資格を持つ。


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