介護業界は介護の需要の高まりとともに拡大しています。実務が未経験でも介護に強い関心と熱意があれば歓迎され、活躍できる業界のため、多くの人が介護業界に挑戦しています。
異業種の経験があれば、それも強みになります。介護業界を志していざ面接や履歴書に取り組む際、あなたの強みを伝えるものとして志望動機は重要です。本記事では未経験で介護業界を目指す方向けに、志望動機の作り方や志望動機の例をいくつか紹介します。
志望動機の作り方
未経験で介護業界に挑戦したいと思ったあなたには何か動機やきっかけがあるはずです。
志望動機を考える際には、その心の動きや理由を言葉にする必要があります。以下も参考に、自分の考えを整理して志望動機を考えましょう。
なぜ介護業界で働きたいのか
数ある業界の中からなぜ介護業界を志すのか、その根源となる理由をまずは明確に言葉にしてみましょう。これまでの人生で介護に関わる機会や興味を持つきっかけとなった体験があれば、それが軸となっているはずです。
なぜその施設・企業で働きたいのか
介護業界の中で、なぜその施設・企業が良いのかを考えてみましょう。
他の企業・法人と比較したり自分で調査をしたりして、その職場の良い点や気になる点を整理しておくことで、就職後のイメージや自分のやりたいことが明確になります。
「家から近いから」「知人が利用したことがあるから」など本心ではこれといった志望動機がない場合もあるでしょう。しかし就職後に自分がどう働いていくのかを具体的に考えることは、ミスマッチを防ぐ観点からも非常に重要です。
何をしたいのか・どのように働きたいのか
自分の体験や考えに基づいて、その施設・企業でどのような仕事をしたいのか考えてみましょう。注意すべきは、あまり自分を良く見せようとしすぎないことです。
印象を良くするために自分を高く見せすぎると、かえって嘘のように聞こえてしまうと語る採用担当もいます。就職後にどう働いていきたいかを考え、正直な気持ちで志望動機を作りましょう。
以下の記事で、面接でのマナーや履歴書の書き方について解説しています。合わせて参考にしてみてください。
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要注意!採用担当者の好感度を下げる言い回し
志望動機は自分の素直な気持ちを盛り込むことが重要である一方、採用担当者の印象を悪くしてしまうこともいくつかあります。以下のような点に注意しましょう。
前の職場を悪く言う
転職にあたってより良い環境の職場を志望する、という事はよくあると思いますが、前の職場を悪く言うような発言はNGです。
採用担当者から、就職後や退職後に「自分の職場も悪く言われるのでは」という懸念を抱かれてしまう可能性があります。
待遇を理由にする
給料や休みなど、職場の待遇を志望理由にするのは印象がよくありません。実際に待遇が良いから志望しているのだとしても、他の理由を挙げることをおすすめします。
ネガティブなことを理由にする
自分の能力と結び付けて志望することは良いですが、「これしかできないからやる」という考え方は消極的でやる気が感じられないと思われます。
自分は何ができて、それが入社後にどう生かせるかを考えてみましょう。
就労条件をくわしく聞こうとする
志望動機を話すと同時に、どのくらい働けば正社員になれるのか、給与はどのように上がっていくのか、など就労条件を細かく確認する人がいるそうですが、これは担当者の印象を大きく下げるといいます。
どうしても確認する必要がある場合は場を改めるか、採用後に聞くとよいでしょう。
未経験でも気持ちで勝負!意欲をアピールする例
「介護業界が未経験だと、経験者に比べて知識も経験も劣ってしまう...」と不安に思うあなたも大丈夫です。あなたが介護職を志す気持ちを素直に述べてみましょう。
ここでは介護士として働きたい意欲をアピールできる志望動機の例文をご紹介します。もちろん例文はそのまま利用せず、自身の状況にあわせてアレンジして作ってみてくださいね。
御社・貴社の使い分けについて
面接など口頭で話す場合には「御社(おんしゃ)」履歴書など文字で書く場合には「貴社(きしゃ)」を使いましょう。また、施設などが法人表記の場合には貴法人(御法人)という表現を使いましょう。
なりたい職種、働きたい場所が決まっている場合
人と接することが好きで、接客の経験があります。
お客様を笑顔にすることへのやりがいから、もっと一人ひとりに対してより役に立てる仕事がしたいと思っていた頃、ホームヘルパーの仕事を知りました。マンツーマンで利用者様に寄り添う仕事がしたいと思っております。
介護の仕事に興味を持ってから、介護職員初任者研修を受けはじめ、もうすぐ修了します。
介護は未経験ですが、接客業で磨いたコミュニケーション能力を生かし、利用者様一人ひとりの役に立てる仕事をしていきたいと考えています。
資格取得の意欲をアピールする場合
私は大学時代に地域のボランティアに2年間参加し、介護施設のお手伝いをしておりました。介護福祉士の方を間近で見るなかで、施設利用者の方やその家族まで笑顔にできる介護職の素晴らしさに感銘を受け、その経験から介護の仕事を志望しました。
貴社を志望させていただいたのは、資格取得制度があるからです。私は現在は資格がなく、未経験ですが、スキルアップのため介護福祉士まで取得したいと考えております。貴社にて実務経験を積ませていただきながら一刻も早く資格取得し、現場で知識を生かしていきたいと思っております。
看護学校など福祉系の学校に通っていた場合
学生時代、看護科を専攻しておりました。患者様のために勉学に励んでおりましたが、日常生活の支援や心のケアに興味があり、介護職を志望いたしました。現在初任者研修を取得しており、今後は介護福祉士の資格取得を目指す予定です。
利用者さまの喜ぶ顔のため、学生時代に実習などで患者さまに寄り添ってきた経験を活かして利用者さまの立場に立った介護をしていきたいと考えております。
家族の介護がきっかけの場合
私は高齢の母が病気になった事をきっかけに、福祉への関心を持つようになりました。
介護など全く未経験だった私は当時お世話になった介護職員の方に頼りきりでしたが、その方が母を介護してくださり、母だけでなく私の家族全員にとって心の支えとなりました。
この経験から、私も介護の道へ進んで同じような境遇の方を助けていきたいと思ったため介護職を志望しました。実務経験を積みながら、介護福祉士の資格取得も目指したいと思っております。
介護職で活かしたい!能力や特性をアピールする例
介護職を目指したい方の中には、自分の能力や特性、経歴を生かしたいという方もいるのではないでしょうか。ここではそのような方に向けた志望動機例を紹介します。
高齢者が好き
私は昔から高齢の方と接することが好きだったため、介護職を志望しました。
私は一人っ子で祖母に面倒を見てもらう事が多かったのですが、近年祖母も介護が必要になり、介護の知識や技術がないため苦労する場面が多くあります。
私は育ててくれた祖母に恩返しをしたい思いや、祖母と同じように介護の必要な利用者さまの生活を支えていきたいと思いから、貴社の介護職を志望しました。介護職員として知識や技術を身に着け、資格の取得を目指したいと思います。
体力がある
昔から野球を続けており、チームワークや体力には自信があります。もともと介護や福祉に興味はあったのですが、中学時代の恩師が介護が必要になった際、自分の体力を生かせることを知り、介護職に就きたいと考えるようになりました。
スポーツ経験から学んだ「チームの連携」や「人に対する礼儀」も生かして貴施設のみなさまのもとで働きながら、資格取得などスキルアップもしていきたいと思っております。
異業種から転職する場合:飲食業
人と接することが好きで、飲食店にて接客をしておりました。お客様に合わせたおもてなしを心掛け、食事の時間を楽しんでもらうことがやりがいでしたが、もっと一人ひとりに深く接して生きたいと思う気持ちもありました。そんな中、お店にいらっしゃらなくなった常連のお客さまが介護が必要になりご家族共々に苦労されているというお話を聞き、介護の道へ進みたいと思いました。
未経験ではありますが、接客業にて磨いたコミュニケーションは介護職でも生かせるのではと思っております。実務を積みながら勉強も行い、資格取得も目指したいと考えております。
異業種から転職する場合:アパレル
服飾系の大学を卒業し、アパレル業界にて仕事をしていました。
業界の特性上、この先ずっと働き続けられるか不安を感じたため、手に職をつけて長く続けていきたいと思い、介護業界を志望しました。
前職と仕事内容は大きく違いますが、接客を担当していたため、相手の要望を聞きそれに応えていくことは得意です。毎日在庫を抱えて走り回っていたので体力にも自信があります。
未経験ですが、資格取得などのスキルアップも視野に入れ努力させていただきますので、よろしくお願いいたします。
まとめ
この記事では介護業界が未経験の方に向けて、志望動機の作り方や例文を紹介しました。
未経験で介護業界を志すとなると、経験者と自分を比較して不安になってしまうこともあるかもしれません。しかし、介護業界では近年人手不足が課題となっているため、人を思いやるやさしさや向上心があれば未経験でも十分に活躍していけるでしょう。
自分の希望する職場で働く人たちは普段どのようなことを考えながら働いているのか、想像しながらあなただけの志望動機を考えてみましょう。
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