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潜在看護師への就職準備金支給、申請期日12月27日|業界ニュース

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目次

田村憲久厚生労働相は2021年5月21日、新型コロナウイルスワクチン(以下、新型コロナワクチン)の接種業務に新たに協力する"潜在看護師"に対して、就職準備金として3万円を支給すると発表しました。

新型コロナワクチン接種が各地で進み、接種体制の確保が懸念された中、数多くの潜在看護師の活躍により、ワクチン接種がすみやかに進みました。

本記事では、就職準備金に関する最新情報を確認し、潜在看護師のワクチン接種への貢献を振り返ります。

※潜在看護師:看護師免許を持っている65歳以下の方で、就業していない方。


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新型コロナワクチン接種業務の人手不足解消に貢献

新型コロナウイルス感染拡大防止のため、急ピッチで進められたワクチン接種において、全国の潜在看護師1万2000名以上が従事し、懸念されていた人手不足の解消に大きく貢献しました。

厚生労働省が2021年3月下旬に自治体向けに実施したアンケートによると、1割の自治体がワクチン接種業務を行う看護師を一人も確保できていないという厳しい状況でした。

しかし、日本看護協会が運営するナースセンターの働きかけもあり、潜在看護師の方の就労が進み、2021年12月現在では全人口の77%を超える人が2回目までの接種を終えています。

他の先進国から数か月遅れてのワクチン接種となった日本が、急速に接種を進められたのも、潜在看護師の存在が大きいでしょう。

参考:厚生労働省「ワクチン接種に係る人材確保の現状について」/首相官邸「新型コロナワクチンについて」


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就職準備金の申請手続きは21年12月27日まで

ワクチン接種体制を確保するため、2021年5月21日に田村憲久厚生労働相は就職準備金を3万円支給すると発表しました。

就職準備金の対象となるのは以下の3つの要件を全て満たす方です。

[就職準備金が支給される要件]

  • ナースセンターへ求職登録した看護職の方
  • 必要な新型コロナワクチン接種研修を受講済である
  • 2021年5月21日以降から12月4日までに新規雇用で新型コロナワクチン接種業務に従事している

ナースセンター:「看護師等の人材確保の促進に関する法律」に基づき、無料職業紹介、離職時等の届出受付、再就業支援研修などを行う公的サービスです。公益社団法人看護協会が運営しています。

2021年12月6日時点では、就職準備金の支給対象期間は12月4日までの接種業務従事とされており、申請書の発行申請が12月10日まで、申請手続きが12月27日までとなっているので、ワクチン接種に従事した方は忘れずに申請しましょう。

参考:厚生労働省「田村大臣会見概要(令和3年5月21日(金))」/日本看護協会「新型コロナウイルス感染症にかかるワクチン接種業務への就業協力のお願い」


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ワクチン接種業務での収入増でも扶養から外れない特例が決定

「新型コロナワクチンの接種業務が人手不足で困っているなら、自分の免許を活かして協力したい」と考える潜在看護師の方は少なくないでしょう。ところがいざ働くとなって不安に感じる一つに「ワクチン接種で収入が増えたら扶養から外れてしまうのではないか」という点があるのではないでしょうか。

通常の場合、たとえば夫が会社員で妻がパート勤務のケースでは、妻の年収が130万円未満だと夫の扶養に入り、年金と健康保険の保険料を払う必要がありません。

コロナワクチン接種業務に一時的に就いたことで、妻の収入が増えて年収が130万円を超えてしまうと、こうした扶養のメリットを受けられなくなるのです。

いわゆる「130万の壁」がワクチン接種への協力を阻害しないように、特例としてワクチン接種に従事した医療職の収入は扶養のカウントから除外するという通知が2021年6月4日、厚生労働省から発出されました。

具体的な対象者や除外される収入の範囲は以下のとおりです。

■ 特例の対象者
ワクチン接種業務に従事する医療職
(医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、診療放射線技師、臨床検査技師、臨床工学技士及び救急救命士)


■ 扶養対象の判定となる通常の収入から除外される収入範囲
2020年4月~2021年2月末までの新型コロナワクチン接種業務による収入

配偶者の年末調整の際などに扶養カウントから除外するため、被扶養者がワクチン接種業務で得た収入であることを証明する書類の提出が求められる場合があります。具体的にはワクチン接種業務を行った際の雇用主が発行する給与明細などが想定されているようです。

一時的な就業でも、しばらくは給与明細などを保管しておくとよいでしょう。

特に、12月は年末調整の時期でもあるので申請や手続きに漏れがないようにしましょう。

参考:厚生労働省「新型コロナウイルスワクチン接種業務に従事する医療職の被扶養者の収入確認の特例について」


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編集部コメント

新型コロナワクチン接種に関する連日の報道に接し、「自分が世の中の力になれるなら接種業務に協力したい」と考えている元看護師の方はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。

一方で、何十年というブランクから注射などの実務に不安を感じたり、家庭の事情から遠くの会場や長時間の就業はできないなどの心配があったりする方も多いでしょう。

さまざまな不安を抱えながらも、手を挙げてくださった潜在看護師の方々の力によって、日本は世界でも類を見ないようなスピードでワクチン接種を進めることができました。

そして、2021年12月からは、医療従事者を中心に3回目のワクチン接種が始まります。

フルタイムでなくても、ワクチン接種業務は可能です。注射の方法や予診時の確認ポイント、アレルギー反応時の対応方法などは、事前の研修でしっかりと確認できます。

「協力してみようかな」と思う方は、まずは自治体のナースセンターへご相談されてみることをおすすめします。

ワクチン接種以外にも、看護師免許を活かせる現場はさまざまです。働き方は以前よりもずっと柔軟になっており、復職される看護師の方々への支援体制は厚くなっています。

新型コロナの影響で特に看護師の需要が拡大している今、看護師を求めている現場はどんなところがあるのか、どんな働き方ができるのか、最新の情報もぜひご確認ください。

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