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介護士と看護師の違いとは?業務内容や資格の違いを解説!

  • 業界・資格ノウハウ

目次

介護士と看護師は、高齢者をはじめ病人やケガ人などをケアする職業です。また介護と看護は似ていますが、実際は大きく内容の異なる業務を担当しています。「誰かの役に立ちたい」という夢を実現するため、どちらの職業を目指そうか迷っている人も多いのではないでしょうか。本記事では、介護士と看護師の違いを業務内容や資格、給料などの視点からまとめてご紹介します。

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介護士と看護師の業務内容の違い


介護士と看護師の業務内容の違いの写真

介護士と看護師は、どちらも誰かのケアを通して役に立ったり、日常生活や健康の質を向上するためにサポートしたりする仕事です。しかし、介護士は高齢者の利用者を対象にしているのに対して、看護師は医療行為を通して病気の治療や健康の維持をサポートするという違いがあります。

介護士と看護師では、高齢者や患者などの利用者を対象にしていますが、期待されている役割が異なる職業です。具体的に、それぞれの違いを見ていきましょう。

介護士は利用者のサポートがメイン

介護士は、おもに高齢者や障害のある利用者の日常生活をサポートするのが仕事です。介護サービスの利用者は、介護が必要なほど心身機能が低下していて日常生活に支障をきたしています。そのため、介護福祉士をはじめ介護士は、食事介助や入浴介助、排せつ介助などの身体介護や、家事全般を行なう生活援助などの介護サービスを提供して、利用者の生活をサポートしています。

介護福祉士は、介護士を代表する資格職です。おもな仕事には、次の4つがあります。

  1. 身体介護
    利用者の自宅を訪問したり、老人ホームなどの介護施設に在籍したりするなど、利用者の体に直接触れながら、さまざまな介助をする仕事です。介護保険制度の要介護度に応じて、利用者ごとに日常生活をどの程度自分でカバーできるか異なります。そのため、ケアプランと呼ばれる介護サービス計画書に従い、食事や入浴、排せつなどの日常生活動作が困難な利用者の介助を担当します。
  2. 生活支援
    利用者の自宅に訪問して生活に必要な調理や配膳、洗濯や買い物代行など生活全般のサポートを行う仕事です。高齢者の自宅に直接訪問することを「訪問介護」と呼びます。また、老人ホームなど介護施設の介護スタッフとして利用者の周辺の世話をする働き方もあります。
  3. 社会活動支援
    高齢者や障害のある人は、外出しづらくなったり、コミュニケーション能力が低下したりするため、社会との関わりが希薄になりがちです。地域のコミュニティから孤立してしまうと、活動量が減少して筋力の低下など、運動器の機能が減衰するロコモティブシンドローム(運動器症候群)になるリスクが高まります。
    また、QOL(生活の質)の低下をはじめ、心身機能や認知機能が低下するフレイル状態に陥って、要介護度が進行する可能性も少なくありません。そこで、介護士は話し相手になったり、隣近所や施設内の利用者との仲立ちをしたりするなど、社会性を維持する活動をサポートします。
  4. 相談・助言
    利用者本人をはじめ、要介護者を持つ家族からの相談を受け付けて、介護に関するアドバイスや適切な情報提供を行う仕事です。

このように、介護士は利用者の生活全般に関わって、日常生活や生きがいのために、さまざまな角度からサポートします。

看護師は利用者の健康維持・管理がメイン

看護師は、病院や診療所などの医療機関や高齢者施設や介護施設などで病気やケガの療養をサポートし、医師の診察の補助をするのがおもな仕事です。医療の分野でなくてはならない資格専門職で、患者や利用者の健康維持や管理を担当します。

看護師は、医師のサポート役のようなイメージがあるかもしれません。実際には、医師やその他の医療従事者と連携して、看護師の独自の視点で患者と接しながらさまざまな相談にのったり、指導を通した心のケアをしたりすることもあります。

看護や医療の専門知識およびスキルだけでなく、病気やケガで心身の不自由な生活をしている患者や利用者の心に寄り添う姿勢が大切です。看護師のおもな業務内容には、次のようなものがあります。

  1. 問診
    診療方針に役立てるため、患者本人やその家族から想定される病気を意識したヒアリングをします。過去の病歴や治療中の病気やケガの有無、ADL(日常生活動作)の状況、家族の既往歴などを総合的に聴取する業務です。患者を不安にさせないように、丁寧な接遇が求められます。
  2. 点滴・注射
    医師の指示の下、安全な医療処置方法に則って、注射や点滴の管理を行ないます。
  3. 与薬
    入院病棟をはじめ、高齢者施設や介護施設などで、内服薬を飲ませたり、塗り薬や貼り薬の処置をしたりすることも看護師の業務の一つです。入院患者や、老人ホームで暮らす施設の利用者に対して行う日常的な医療行為だけに、厳重な服薬管理が求められます。
  4. 食事・排尿介助
    自分で食事ができなかったり、排せつが難しかったりする患者の食事や排せつを介助します。患者によって、介助の必要度合いが異なるため、きめ細かな配慮が必要です。
  5. バイタルチェック
    血圧計による血圧や、脈拍数の測定をはじめ、体温計による検温など「バイタルサイン」と呼ばれる患者の基礎的な健康情報を計測して記録します。意識レベルや呼吸数を確認することも含まれます。
  6. 患者移送
    ストレッチャーや、台車付きのベッドを使って、自分で起きあがりや座ることが難しい患者を病室間や病棟間の移送をします。患者に安心感を与える心配りのほか、体力が必要な業務です。
  7. 座位訓練・体位交換
    高齢者やケガで座ったり、姿勢を変えたりできない患者に座るリハビリをします。また、床ずれ防止のため、定期的にあおむけやうつぶせ、横向きの姿勢になるようサポートします。

加えて、手術室の看護師は手術の準備や手術中の位置のサポートをするなど、診療科や勤務先よって必要となる業務は異なります。

このように、看護師は病院や診療所などで医療行為を通して患者や利用者のサポートをする職業です。

以下の記事では看護師の仕事内容を詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。

看護師の仕事内容とは?勤務体制や勤務先選びでの注意点についても解説!

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介護士と看護師は資格も異なる


介護士と看護師は資格も異なるの写真

業務内容が大きく異なる介護士と看護師ですが、求められる資格にも違いがあります。どのような資格があるのでしょうか。

介護士=介護分野の国家資格

介護関連の資格にはいくつかの種類があります。代表的なものは、介護分野で唯一の国家資格となる介護福祉士です。このほか、介護の入門的資格の介護職員初任者研修やその上位資格の介護福祉士実務者研修などが知られています。

  • 介護福祉士とは
    介護福祉士は、高度な介護の専門知識やスキルで、身体上・精神上の障害により日常生活を送ることに支障がある利用者に必要な介護業務を提供します。社会福祉士及び介護福祉士法に基づく国家資格で、資格を取得するには、おもに養成施設を卒業するコースと国家試験を受験するコースがあります。
  • 養成施設を卒業するコース
    年制以上の福祉系の大学や短大、専門学校の卒業者や、福祉系の大学で指定科目を履修した人が年制の養成施設を卒業すると資格が取得できます。
  • 国家試験を受験するコース
    年以上の介護の業務経験があり介護福祉士実務者研修資格を取得している人や、福祉系の高校の卒業者で実務経験が9か月以上ある人は、介護福祉士国家試験を受験して合格すると、資格が取得可能です。

参考:参考:社会福祉振興・試験センター「介護福祉士国家試験」

なお、国家試験は公益財団法人社会福祉振興・試験センターが運営しており、試験は毎年1回、1月に筆記試験、3月に実技試験を実施しています。

資格の詳しい取得方法については、以下の記事をあわせてチェックしてくださいね。

介護福祉士の取得方法は?介護業界で役立つ資格をご紹介
介護士と介護福祉士の違いは?介護福祉士の資格取得の方法について
介護福祉士の試験とは?内容や受験資格、合格後のキャリアアップについて解説

看護師=医療分野の国家資格

看護師は、医療行為ができる医療分野の国家資格です。看護師を目指すルートは、いくつかありますが、法律によって一定の教育を受けたうえで、看護師国家試験に合格しなければなりません。おもな看護師になるためのルートは次の4つです。

  • 看護大学
    高校卒業後、年制の看護大学を卒業して国家試験を受験
  • 看護系短大
    年制の看護短期大学を卒業後、国家試験を受験
  • 看護師養成所
    看護専門学校など年制の養成施設を修了して、看護師国家試験を受験
  • 年一貫養成施設
    中学校を卒業後、年一貫の看護師養成課程校を卒業。看護師国家試験を受験

参考:日本看護協会「看護職を目指す方へ」

看護師は、看護の専門知識や技術を身につけ、所定の学校を卒業してはじめて国家試験にチャレンジできます。医療現場の看護で中心的な役割を担う大切な専門資格です。

資格の詳しい取得方法については、以下の記事をあわせてチェックしてくださいね。

看護師の国家試験の難易度とは?試験内容や受験資格について解説!
看護師になるために必要な資格とは?資格の種類や取得方法について解説!
看護師の資格を種類ごとに解説!キャリアアップに役立つ資格も紹介

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介護士と看護師の給料の違い

業務内容や資格に違いのある看護師と介護士ですが、給料はどの程度差があるのでしょうか。厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」のデータで比較してみます。

介護士の給料は約25万円

介護職員(医療・福祉施設等)の全国平均月収は、約25万2,300円でした。年間賞与その他特別給与額は、57万2,800円となっています。年収に換算すると、約360万円です。

関連記事

介護士の平均給料は?介護職の年収の上げ方について
介護職は給与が増え続けている!介護職員処遇改善加算を解説

看護師の給料は約34万円

看護師の全国平均月収は、約33万8,400円でした。年間賞与その他特別給与額は、年間85万7,500円となっています。年収に換算すると約492万円となり、介護士に比べると高給が得られる職業です。

関連記事

看護師の月給・手取りはいくら?月給を増やすにはどうしたら良い?
看護師の平均手取り額は約27万円!年代や地域ごとの違いも解説
厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」
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まとめ

介護士と看護師は、それぞれの業務内容をはじめ、取得が必要な資格や給料に大きな違いがあります。介護分野で利用者の生活のサポートをしたいのか、医療分野で看護を通して人の役に立ちたいのかによって、目指す職業が決まってくるでしょう。給与などを比較および加味したうえで選択することも方法の一つです。

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