株式会社シーユーシー・ホスピスのインタビュー
使命は、すべての「生きる」に向き合うこと ホスピス型住宅でケアの真髄に触れる
更新日:2023/10/11
- お話を伺った方
- 株式会社シーユーシー・ホスピス
- 人事部 部長
- 鎌苅 亮介様
- 専門:【事業概要】ホスピス型住宅運営/訪問看護・訪問介護事業所運営など
株式会社シーユーシー・ホスピス(以下、CUCホスピス)は、2017年の設立以来、ホスピス型住宅や訪問看護・訪問介護事業所の『ReHOPE』を運営しています。北海道、東北、関東、関西を中心に、31カ所でサービスを展開しており(※2023年7月末日時点)、今後も新規オープンの計画が進行中です。CUCホスピスが事業運営で重視しているのはホスピタリティ。施設のご入居者さまに対してはもちろんのこと、一緒に働くスタッフ間でも快適なコミュニケーションが生まれるような環境づくりをしており、働きやすさ向上のための制度を次々に導入しています。(2023年6月1日から、事業ブランドを『ホスピス型住宅』から『ReHOPE(リホープ)』に変更しています。)
目次
勤務環境:「一対一」で最期まで寄り添う 病棟やグループホームでは得られない学びがある
CUCホスピスの理念やホスピス型住宅の特徴
・ホスピス型住宅は末期がんや神経難病の方に特化した施設
・ケアやホスピタリティを深く学べる
・ご入居者さまを「一対一」でサポート
はじめにCUCホスピス様の事業のひとつである「ホスピス型住宅」の特徴を教えていただけますか。
ホスピス型住宅は、高齢者向け住居に訪問看護・介護事業所を併設し、緩和ケア病棟と同程度の看護師を配置することで、24時間365日、医療依存度が高い方々が安心して療養生活を送れる場所です。介護士による食事や排せつ、入浴などのサポートに加え、看護師や訪問診療医による医療的なケアを提供することで、ご入居者さまは自宅のような自由さと病院のような安心感のもとで生活が送れます。
日々、ご入居者さまのケアをするうえで私たちが大切にしているのが、「『前を向いて生きる』を支える。」という使命です。ご入居者さまがどんなに苦しい状態であっても、すべての命に向き合い、ご入居者さまやご家族の一瞬一瞬を支えていきたいという想いがあります。そして最期には、「ここを選んで本当によかった」と思っていただけるような価値を提供することが、我々の提供価値だと考えています。
求職者の方々はどのような背景でCUCホスピス様を選ばれるのでしょうか。
当社に応募いただく方の前職は、病棟勤務やグループホームなど様々です。もちろん、当社を選んでいただく理由も様々ですが、「最後のその日まで寄り添ったケアをご提供したい」という気持ちを持った方が多いと感じます。病院では、看護師としてはケアが必要だと感じるときでも、退院することをおすすめせざるをえないケースがあり、「患者様にもっと寄り添ったケアを提供したい」「病気を治すだけにとどまらない支援をしたい」という想いを持つ方にとっては、「このままでいいのだろうか」とご自身のキャリアに疑問を感じることもあるようです。我々の場合、ご入居者さまのお看取りの日まで支援することが重要な任務です。このケアのあり方に共感して当社に来ていただくケースが多いですね。
ReHOPEでの仕事は、病棟やグループホームなどで働いていた方にとってどのような違いがあるのでしょうか。
まず、訪問による看護や介護を提供するため、働き方という点で大きく異なります。また、病棟やグループホームでは複数の看護師や介護士が、複数の患者様やご入居者さまをケアするという「多対多」の関係性になるかと思いますが、我々の場合は「一対一」でご入居者さまをサポートすることになります。言い換えると、自分自身のケアがご入居者さまの満足度に直結するということです。だからこそ得られるものは大きく、ケアやホスピタリティ面を学びたい方にとっては本当にぴったりだと思います。もちろん、ホスピスケアを経験したことのない方でも、入社前の見学会で現場の雰囲気を知っていただき、入社後は初期研修でケア方法や機器の使い方、ホスピス特有の症例などをしっかり教えますので、ご安心ください。
福利厚生:トラブル時も万全の体制で相談しやすい 働きやすさ向上の制度も次々導入
CUCホスピスの福利厚生や働きやすい雰囲気づくり
・スタッフのこころを休める取り組み
・今年から特徴的な制度を次々導入
・トラブル時は人事だけでなく社外の専門家も協力
スタッフが働きやすい雰囲気を作るため実施していることはありますか。
ご入居者さまやスタッフ間で気持ちの良いコミュニケーションがとれるよう、「アサーティブコミュニケーション研修」 を取り入れています。アサーティブコミュニケーションとは、相手を尊重しながら適切な方法で自分の意見を伝えること。研修では座学とロールプレイングを通して、相手を尊重するコミュニケーションについて学んでいきます。相手を思いやる対応を常に意識してもらうことで、現場の働きやすさ向上につながると信じています。 会社として、アサーティブコミュニケーションの重要性を伝えることで、普段から良いコミュニケーションを意識しているスタッフが「私のやり方は間違っていなかった」と自信につながることもあるようですね。
そのほか特徴的な福利厚生としては、オンラインで参加できるマインドフルネスプログラム があります。マインドフルネスとは、自分自身を不安にさせるような思考と距離を取り、目の前のことに集中することを指します。ストレス軽減にもつながると言われています。ReHOPEは、お看取りが日常的に起きうる職場なので、いつも心を穏やかに保つことは簡単なことではありません。人事部として「スタッフの心が少しでも休まる取り組みはないか」と探しているなかでマインドフルネスを取り入れることにしました。昨年、試験的に導入したところ好評だったため、正式な導入を決めました。
ちょうど今年から、特徴的な制度が次々導入されていると伺いました。
そうですね。たとえば、まとまった休みを取りやすくするための施策として、有給休暇を3日間連続で取得すると会社から1万円支給される「こころみる休暇」を新たに導入しました。また、教育やキャリア面では介護や看護の知識などを学ぶ機会を増やすためのeラーニングや、キャリアコンサルタントがスタッフのキャリア相談に応じる窓口などの運用をスタートさせています。
昨年、半年間にわたり人事制度や福利厚生などについて本格的に議論を重ねてきました。我々の事業は「人の介在」にこそ価値があるので、働く人が元気でないと良いケア・良いサービスは絶対提供できません。その阻害要因をあぶり出し、一つひとつ解決していく。その枠組みを作り終え、いままさに実行に移し始めた段階です。会社にとってすべての起点は働く人。その人たちが生き生き働き続けるためには何が必要かを考えていますし、一方で退職理由にも目を背けず、どうすれば退職を防げたのかという点についても多くの議論をしてきています。
スタッフ間のトラブルを防止するために取り組んでいることはありますか。
やはりトラブルは起きないに越したことはないので、とにかく相談しやすい環境の整備に力をいれています。まず毎月実施しているのが、「仕事の満足度」「職場の満足度」「健康状態」の3つについて回答してもらう従業員調査です。何かトラブルがあった場合にも上司や関係部署に発信者の名前が伝わらないかたちで声が上げられるようになっています。また、人事の担当者がとにかく相談に乗る「よろず相談」的な窓口にも常時アクセスが可能です。さらに、「いますぐに相談に乗ってほしい」「社内に相談できる人がいない」という場合でも、社外の専門家に相談できるホットラインを用意しています。名前も相談内容も本人が望まないのであればどこにも明らかにされません。このように3つのルートを整備していますので、「誰にも相談できない」という状況は起きにくいのではないかと思っています。
キャリア:ホスピス型住宅は日本中でニーズあり さらなる速度で事業拡大を目指す
CUCホスピスで実現できるキャリアと今後の展望
・ビジネス職のポジションも豊富
・医療系資格を生かしながら新たなキャリアも
・ホスピス施設は日本中で必要とされている
ここまで働きやすさに関する制度をたくさん伺いました。続いて、キャリアアップやキャリアチェンジを支援する制度や仕組みを教えてください。
ホスピスの現場ではケアの技術やホスピタリティを存分に発揮できる一方で、マネジメントや事業開発、マーケティングといったビジネス職のポジションも豊富に用意されています。当社はまだまだ若い会社ですしホスピス業界自体も成長している分野。会社も業界も成長しているなかで、ポストはどんどん生まれ新しいチャレンジができる環境でもあるんです。リーダーや経営者に必要な知識をオンラインで学べる「グロービズ学び放題」というプログラムを提供し、ホスピスの現場勤務からスタートしながらもビジネススキルを学べる支援もしています。
また、個人が主体的にキャリアを選択できる環境を作りたいと思いCUCグループで導入したのが、社内公募制度「Dream」です。これはグループ内の求人をオープンにし誰でも応募できるというものです。求人に応募し面接を実施するわけですが、この制度の最大の特徴は、面接でお互いの希望がマッチすれば、いま働いている所属の上司や社長の許可がなくても異動が実現できることです。
介護士や看護師の転業例もあるのでしょうか。
もちろんです。介護士や看護師の資格を生かしながら、新たなキャリアを目指せるのは当社の特徴だと考えています。たとえば施設長から採用担当になった人もいますし、教育担当者は看護師の資格を持っている人です。看護師からWebサイト開発担当やマーケティング担当に移った人もいますね。病院勤務の看護師の場合、ほかの職種に異動するという話はあまり聞きませんが、当社では資格を生かして別の職種に就く可能性があります。資格を生かしてキャリアの幅を広げられるのは、当社の面白さであると思います。
それでは最後に、CUCホスピス様の今後の展望をお聞かせください。
このまま高齢化社会が進むと2040年には約50万人の方々が、適切な終末期医療を受けられなくなるといわれています。ReHOPEのご入居者さまは末期がんや神経難病を抱えており、医療依存度が高く、緩和ケアなどの終末期医療を受けられる施設も限られています。また、「最後は家で暮らしたい」というご希望を持つ方も7割近くいらっしゃると聞いており、今後を考えると我々のホスピス施設は日本中で必要とされていると思っています。
実際、私自身、祖父が「最後は家で暮らしたい」という希望があり、親族が支えてくれたことがありました。祖父の最後の希望が叶って良かったと当時思っていましたが、日本中に目を向けると、それが当たり前に選択できる世の中ではありません。自宅のようにその人らしく過ごしていただける第二の家として、「ReHOPE」を日本中に広めていきたいと思っています。
求職者へのメッセージ
我々の提供するサービスや価値は日本各地で必要とされており、「早くこの地域にホスピス型住宅を作ってほしい」という声も多くいただいています。しかし、そういった声にお応えしていくためには介護士や看護師の方々の存在が不可欠です。現場でホスピタリティを発揮することが我々の価値そのものなので、会社の理念や目指す姿に共感いただけるのであれば、ぜひ応募いただけるとうれしいなと思っています。また、気軽に参加できるオンライン説明会も実施していますので、「詳しく知りたい」という方からのご連絡もお待ちしています。