どの業界でも、「あるある!」と共感する出来事は多いものです。美容師の世界にも、同じように感じることは多々あり、毎日の業務のなかで、似たようなシチュエーションの経験談はよく聞かれます。今回は、美容室で働いている人なら思わず、「あるある」とうなずけるようなお話を集めてみました。
接客対応あるある
美容師は、お客さまがいなければ商売が成り立ちません。もちろん何よりも大切な存在ですが、そんなお客さまへの接客を通じて起こる「あるある」を最初に見ていきましょう。
会話関連
ドライヤーをかけているときにかぎって、お客さまから話しかけられることが良くあります。ドライヤーの音で聞き取れず、たびたび聞き返すのも悪いので、何となく笑って理解しているふりをしていることも少なくありません。また、話好きのお客さまのあとに、「話しかけないでオーラ満載」のお客さまの担当になることもあります。「適度な会話ができれば対応が楽なのに」と、考えてしまう美容師も多いようです。
お客さまの姿勢関連
お客さまが雑誌やスマートフォンに夢中になり、うつむかれると前髪を処理しづらいという声もあります。逆に、あごを上げられ過ぎて、うしろ側が切りづらいことも少なくありません。たいていは、声をかけずに対応している美容師も多いようです。
また、シャンプー中に、重さを気にしてか、頭をわざわざ上げてくださるお客さまもいます。気遣いはありがたいのですが、美容師からすると実は洗いにくいのが本音です。シャンプー台で、上にずれてもらうこともありますが、上がりすぎのお客様は結構いるため、「首もとからお湯を服に入れてぬらしてしまわないか」と、気を遣うとのこと。
ほかにも、施術中に眠ってしまったお客様の姿勢が、だんだんと横に傾いてくると、起こすかどうかで悩む美容師もいるようです。
困りごと関連
美容師は、お客さまから市販のヘアケア商品について質問されることも多い傾向です。しかし、種類が多すぎてすべて把握できていないことも少なくありません。基本的に、自社製品を使っており、市販のすべての商品の使用感がわからないため、適切に回答できないこともあるようです。
また、持参された写真とまったく違う髪質の場合、再現性がかなり低くなるため、お客さまが納得しなかったという実例もあります。最初から「無理です」とはいえず、困惑している美容師も多いのかもしれません。
備品関連あるある
美容室には、さまざまな備品があります。お客さまが気付かないところで、小さなトラブルが起きていることも少なくありません。
備品が迷子
サロンの備品のダッカールやパーマスティックもなくなりがちな備品の一つ。細くて存在感がないため、なかなか見つけられません。気付くと、またなくなっていると思うこともよくあるようです。
ワゴンが倒れる
美容室のなかでは、ワゴンが倒れると細かな物品が散らばって、大惨事になることもあります。たくさんの物が入っていて散逸すると、元に戻すのに時間がかかり、急いで適当に入れるため、あとから使いづらくなったという美容師もいるようです。
みんな注意しているにも関わらず、袖口や裾にひっかかって倒れてしまうことが多くあります。
プチダメージ(ケガ・やけど)
カラーリングのときに、コテをハンドルではないほうを握ってやけどを負う経験をしている美容師もいます。手荒れは、職業病ともいえますが、ドクターストップがかかると離職せざるを得なくなるため、戦々恐々としている美容師も多いようです。
また、先輩に呼ばれて店内をできるだけ短距離で急いでいくと、必ずコーナーでどこかをぶつけてアザができた美容師も。なかには、「入浴の際に気付いた」という人もいます。
施術関連あるある
美容室は、お客さまにとって美しくなるための夢のある場所です。そこで行なわれている施術にも、実は「あるある」が潜んでいます。
スタイリング
どう見てもコテで巻いている写真を見せられて、「乾かしただけでこうなるように」と希望するお客様もいます。パーマだけでは同じ仕上がりにはならないため、困惑してしまう美容師も多いようです。また、仕上がりチェックの際、お客さまが無言で鏡を見つめている間は、軽く恐怖の時間を感じる美容師もいます。
ほぼ仕上がり段階で「やっぱりもっとカットしてください」といわれて力が抜けてしまう美容師もいるようです。
カラー
実は、ダメージの多い髪ほどカラーは発色が良くなります。健康的な髪の場合、思うように色が入らないことも。黒い服のときほどブリーチのお客さまが多かったり、白い服のときほど濃いカラーのお客さまが多かったりして、お客さまの服につかないよう気を払わなければならず緊張してしまいます。
自分が施術したお客さまがSNSできれいにカラー加工して、投稿しているのを発見して、複雑な気持ちになる美容師もいるようです。
カット
カット中に手元を見つめられると、かなりのプレッシャーを感じる美容師もいるようです。少し切りすぎた認識があっても、「頭の形に合わせました」「ラインをそろえました」など全力でフォローしている人も。失敗という言葉は、厳禁です。
カリスマ美容師のようなカット技法は、実は単なるパフォーマンスのときもあります。
新人あるある
憧れて美容師になっても、新人時代はつらいことや苦しいことがあります。誰しも一度は通る、新人時代の「あるある」を紹介します。
会話関連
先輩から積極的に話をするように指示されても、自分からは言葉が出なくて「はい」「そうなんですね」しかいえない美容師もいるようです。話題が思い浮かばず固まってしまうのはつらいでしょう。
また、先輩とお客さまの会話中に、どの程度入って良いのか加減がわからず、困っているという人もいます。あいづちのタイミングがなかなかつかみにくいようです。
仕事関連
美容師になってから、片手で輪ゴムを扱うのがうまくなったという人もいます。自宅でも、タオルのたたみ方にこだわるようになることも、美容師ならではの職業病かもしれません。また、先輩から指示されてカラー剤を作ると多すぎたり逆に足りなかったりして、適量にできないことがある美容師もいます。さらに、技術を盗みたい先輩を観察しているときにかぎって、ヘルプに呼ばれることも。
美容師ライフあるある
美容師は、時間的にも体力的にもきつい職種といわれます。美容師の毎日のなかで、ありがちなシーンや習慣も見ていきましょう。
時間
美容室の営業時間は、とにかくお客さま優先ですが、終業後は技術力を上げるための時間です。毎日、時間がいくらあっても足りないと感じる美容師は、多いのではないでしょうか。ここでは、「残業」「ごはん」「トイレ」に分けて美容師の体験談をご紹介します。
残業
まずは、「残業」における美容師の体験談を紹介します。
【残業編】美容師の体験談
- 残業に慣れ過ぎて、定時に帰ると逆に何もせずにぼんやりしてしまう
- 練習と残業の区別はないと多くの美容師は感じている
- 受付時間終了間際のお客さまご来店は、正直がっかりしてしまう
体験談を見ると、日々の長い拘束時間と多忙な業務に慣れてしまい残業の定義を見失ってしまうようです。
ごはん
続いて、「ごはん」における美容師の体験談です。
【ごはん編】美容師の体験談
- 美容師になってから早食いにやたらと自信がもてるようになった。たまに友人と食事をしても、一人だけ早く食べ終わってしまう
- 一日の食事回数は、その日次第。繁忙期には昼食抜きになることが多いのですが、やせないのはなぜなのかとても不思議
その日の予約状況により、食事の時間などが決まることが多い分、食事を十分にとれなかったり隙間時間で急いでごはんを食べるため、美容師がいかに日々忙しいか、分かります。
トイレ
最後に「トイレ」における美容師の体験談を紹介します。
【トイレ編】美容師の体験談
- トイレに行くタイミングを逃がし過ぎて、身体が心配になることもしばしばある。やっと行けたと思ったら、お客さまと鉢合わせしてしまうこともあり、申し訳なく感じる
- トイレに行かなくて済むように、利尿作用のある飲み物を飲まないようにしたり、飲食をあまりしないようにしている
お客さまの予約が立て続けに入っていると、休憩がとれないだけでなくトイレにもいけないことが多いようです。とはいえ、体調を崩してしまう危険性があるため、シャンプーのタイミングでアシスタントに代わってもらったり、電話が来たふりなど工夫をして離席してトイレにいくようにしましょう。
ファッション
美容師なのに、帽子の着用率が高いのは、ファッション性よりも楽だから、という人もいました。どんなファッションでもそれなりに認めてもらえるのは、美容師の特権かもしれません。また、トレンドに敏感なお客さまと、コーディネートが丸かぶりすることもあるようです。お客さまは、カバーを付けるため、あえて気付かないふりをするといった美容師もいます。
休暇
有給休暇が幻と感じるぐらいに、休日講習が入ってしまい、もはや当たり前に感じている人もいます。他業種の友だちと、休みが合わないため、何年も遊びに出かけていないのをさびしく感じていることもあるのではないでしょうか。なかには、休暇で実家に帰るときにも、シザース持参が必須という人もいます。家族か友人か親類にカットを頼まれることが多いのも美容師あるあるといえるでしょう。
「月曜か火曜のカフェで、指先がカラーに染まっているのは美容師」というのもあるあるです。
ボーナス・給与
美容師になる前は、ボーナスがあるものと信じていましたが、なくて落胆した美容師もいました。美容師の給与を稼働時間で割ってみることは、絶対にしてはいけないようです。もう少しだけ給与が上がるとうれしいと、新人時代からずっと願い続けている美容師も多いかもしれません。
まとめ
美容師の仕事は、人を美しくし、気持ちを明るくできる職業です。ファッションやヘアスタイルが好きなだけでなく、人との関わりが好きな美容師も多い傾向です。しかし、その裏側では、日々の苦労と努力が絶えません。「あるある」という話を知ると、どの美容師さんも同じような体験をしていることが分かります。
さまざまな経験を笑いや力に変えていくことで、たくさんのファンをもつ美容師へと成長していけるのではないでしょうか。
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